「俳優さん」と揉める時

ドラマを長い間やって来て、感じた事がある。

ここから書く事は「私見」であるし、全ての「俳優さん」に当てはまる事でも無い。

「女優さん」は男性的な方が多い。元々、女性は一般的に「自分の美しさ」で男性を惹き付けるという要素を持っていると思う。

それを「職業」にしたのが「女優さん」。

今の世の中では変わりつつあるが、かつては「男性と同等の職業性」を持っている女性の数は少なかった。

だから、「女優さん」はどちらかというと、「男性的」になって行ったのだと僕は感じている。

逆に「男優さん」。

もちろん、例外はあるけど、「化粧をしない男性」が化粧をして、「自分の二枚目(美しさ)」を武器に仕事をして行く。

だから、「男優さん」は「女性的」に成らざるを得ないのである。

自分がプロデューサーをやっていた経験に照らし合わせてみても、「女優さん」と揉めるより、「男優さん」と揉める事の方が多かった様な気がする。

そして、要注意なのが、「喜劇役者出身」の「男優さん」である。

日本の芸能界では、昔、「喜劇に出ている事」が「格下」に見られた。

だから、「喜劇役者」が「俳優さん」になって、普通のドラマに出ている場合、「コンプレックス」を持っている。

それゆえ、扱い方によっては、「差別されている」と思いやすい。

喜劇を演じられるという事」は、「繊細な神経で周りを感じ取れる才能」が必要だ。
それだけ、「神経質」であらなければいけない。

元々「喜劇役者」出身の「男優さん」の扱いも難しい場合が多々ある。

今は「ドラマ」も「映画」も昔みたいに、「トラブルを起こす俳優」は二度と現場も使わない傾向になって来ているので、「俳優さん」と揉める事も減ったと思う。

ただ、今の「俳優さん」に昔の様な「スター」は見当たらない。

そういう意味では、「わがままな俳優」を許容できていた昔の撮影現場の方が良かったのかも知れない様に思うのだけれど。

僕だけ?

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