これもセットなの⁉️

今までスタジオに建てたセットの中で、出来上がりに驚いたのは、「新幹線のトイレ前の通路」。美術部がJRに電話して、本物の素材を訊き、デザイン図を取り寄せ、それを元に見事、セットに仕上げた。

このスタジオ収録の前に、新幹線ロケがあった。秋田駅でのロケから始まり、途中二駅のホームでの撮影。最終的に上野駅のロケで終わるという強行軍。このロケは、行きつけのバーで顔馴染みになったJR関係の方が動いて下さり実現した。さすがに大事な芝居は、撮影時間が限られる新幹線の中では無理なので、セットを建てる事になったのだ。

もう一つ忘れられないのは、ドラマ「永遠の仔」の「木の根元・内部の巨大な穴」のセット。親から激しい虐待を受けていた三人が自らその痛みを告白し、お互いの事を知るようになる大切なシーン。ロケにしてしまうと、子供たちの顔も撮りづらいし、照明も当てづらいので、思いきってセットにした。お芝居も長く、子役たちの感情が途切れない様に、じっくり落ち着いて撮影でき、涙無しでは観られない良いシーンになったと思う。

ロケに行くと、様々な風景が刻々と変わり、良い部分もあるが、芝居をしっかり撮るという事では、スタジオ収録の長所もたくさんあると思う。

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