スマイル
映画「モダンタイムス」のラストシーンで使われた、チャールズ・チャップリン作曲の「スマイル」。
僕はドラマ「オンリーユー愛されて」でAPをしていた時、この曲に関して印象的な瞬間を憶えているのである。
音楽監督の近藤由紀夫さんと小西香葉さんが提案して来た曲が「スマイル」。
「学習障害」を持った青年(大沢たかお)と「トップモデル」の美女(鈴木京香)のラブストーリーだ。
主題歌は、オリジナルラヴの「プライマル」。
ドラマの中で、この2曲のアレンジがかかる事になる。
最終回のラストシーン。
鈴木京香と大沢たかおは手を取り合って、湘南の海へと入って行く。
海中でも二人は「愛」を誓う。
そして、再生した二人は再び、海の中から現れるのだが。
ここに監督が付けた曲が「スマイル」。
しかし、プロデューサーがそれに猛反対したのである。
プロデューサーは「プライマル」のアレンジのイメージだった。
どちらが正解かは分からない。
監督とプロデューサー、かなり話し合ったが決裂。
プロデューサーが部屋を出て行ってしまった。
APの僕に決定権など無い。
でも、僕は個人的に「スマイル」の方がグッと来た。
結論から言うと、監督バージョンは、「二人が海に沈んで、海の中で愛を誓い、海から出て来るまで、全部を『スマイル』で包み込んで」いた。
それを「スマイル」はそのまま。
但し、海の中で一旦、曲は消えて無音になり、二人の頭が海面から出て来たところで、「スマイル」を一際大きく奏でたのである。
僕はこのチョイスは正解だと思っている。
「音付けの現場」にいて、感動で鳥肌が立ったからである。
DVD版の「オンリーユー愛されて」には「スマイル」は使われていない。
「放送」なら、それほどのお金を払わずに「楽曲使用」が出来るが、「固定権」と言って、「DVD」や「映画」に「固定して使用」すると、「莫大な著作権料」がかかるからである。
だから、全て「スマイル」は「著作権フリーの曲」に差し替えられている。
そんな事を思い出していたら、久しぶりに名曲「スマイル」をいろんなバージョンで聴きたくなった。
皆さんも御一緒にお楽しみ下さい。