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1982年の卒業旅行⑧ウィーン

1982年卒業旅行 8.

ウィーン・・・オーストリア

1982.3.3. 
6:30ウィーンへひた走る寝台特急のベッドで起床。同室の5人、既に起きている。

ウィーン中央駅



7:00頃ウィーン着。いよいよゲルマン民族だ。僕のイメージではゲルマン民族は真面目でおっかない。駅の表示もドイツ語。気温が低い。

今日からバスが変わる。ドイツ人の運転手だ。雰囲気が六甲高校の武庫先生に似ている。愛想は、イタリア人のアンジェロさんほどよくない。

車体には「KINTETSU INTERNATIONAL」の文字。まずはホテルで朝食。

トイレに駆け込む。腹具合おかしい。トイレは地下。「大」のスペースは広い。

シェーンブルク宮殿


シェーンブルク宮殿の内部



バスにて、ホテルの隣、シェーンブルク宮殿へ。大きい。黄色い。中はきれい。豪華だ。庭は広い。庭にある丘まで走って登る。野生のリスを見つける。コバとアネゴも走って登る。競争。

「ウィーン会議はどの部屋で開かれたんですか?」とガイドに訊くと、「もう説明しました」と言われた。

バスにてヘルベテル宮殿へ。中には入らず庭だけを見る。いろいろ回るがバスを降りず、ホテルへ。今日は本当によく晴れている。

ホテルは最初間違えて、他の棟のエレベーターに乗ってしまう。

部屋はいちばん奥の角部屋。応接セットもあり、無茶苦茶広い。

そういえば、ウィーンで久武の友達、六甲の34期の人に会った。

ホテルで歯磨き、シャワーを浴びて正装する。

小野・生田・コバ・アネゴ・鈴木・高橋、正装。正装すると違って見える。

小野なんか、ギンギンの三つ揃い。先生がカウンター横、いつもの恰好で待っている。気付かれない様にホテルを出ようとしたが、小野・生田が見つかってアウト。

地下鉄(ただ)でkarlsplatzへ。昼食は地下鉄の出口そばのSIAMというタイ料理店。僕は焼き飯食べる。植出、ラーメン頼んだつもりが出てきたのは八宝菜ヌードル。小野・生田は別の店へ。

女の子が嫌がるので、先生を連れてウィーン中央駅へ地下鉄で行く。

切符を買い、先生が両替している間に走って逃げる。植出は黒い犬に追いかけられ、オーストリア人に笑われる。

植出が新聞を買おうとすると、新聞売りのおじさん、ヌード雑誌を押し売り。植出の顔、スケベか?

市電にただ乗りして、オペラ座へ。

オペラ座



オペラ座前で久武、角野、六甲高校の先輩に会う。

ちょっと待っていると、アネゴら来る。ただし、先生も一緒。駅から必死でタクシーを飛ばしたのだそうだ。負けた!

オペラ座の三階席



150円の「3階立席券」で中に入ると、守衛がバーにハンカチを結び付けて、もう一度開演の5分前に来いという。

植出と2人で、地下鉄駅前の店でビール飲む。

オペラは全編ドイツ語なので、内容が全く分からない。3階からは舞台の三分の一しか見えない。ああ、しんどー! でもすごく大きな劇場。側面の客席が幾層にもなっている。1時間ほどで、静かに出る。

18:00に渋谷がオペラ座前に来るというので、15分くらい待つが来ず。

先生がいるから、アラレ、アカネが嫌がったのだろう。

植出と相談して、先生をまく事にする。女の子、小野・生田、植出・僕、3つに分かれてそれぞれ別方向へ。

先生はサノと飲みに行ったという事だ。

僕が大好きな監督メル・ブルックスの最新作「メル・ブルックスの珍説世界史 パート1 」をやっている。この時、日本でのロードショーはまだだ。パンフレットは売っていない。

ウィーン地下鉄



地下鉄U2の駅で、19:00再集合。明日行く「ホイリゲ」への乗り換え駅までU2で行って、夕食。牛のカツレツとビール。美味いーーー!

ヴィーナー・シュニッツェル



U2とU4を乗り継いでホテルへ。21:40頃着。

ホテル隣の食堂で、2ℓ入り赤ワインを購入。店にいたオーストリアのおじさん達がこっちを見るので、「これからワインパーティーや!!」と言ってやった。
なんか喜んでくれた。ワインは160s。あの植出が酔っているのか、100s出す。僕は60s。

小野・コバ・アネゴ・植出・僕・高橋・鈴木で飲み始めたが、最後(1:30)には植出・コバ・僕の3人で話していて、アネゴがソファーで寝ているという悲惨な状況になった。ああ。酔っ払った。

1982.3.4.  
8:00起床。グズグズして、9:00ちょっと前、朝食。

先生がついて来ないか怖いのだ。U4にてウィーン中央駅へ。腹具合おかしい。

「中央墓地」行きの切符を買い、ホームでおばさんに訊くと、「次の駅まで国鉄で行き、そこから市電に乗れ」との事。

僕らのルートと違っている。国鉄だけでは行けないのだろうか?しかし、初志貫徹。

1時間に1本の国鉄、10:31の空港行きに乗る。サノ・植出・僕の3人組。

列車に乗る早々、僕はトイレに駆け込む。検札あり。切符買っておいて良かった。

10分ちょいで着く。
どうも国鉄の駅は墓地の裏手になるみたいだ。

ウィーン中央墓地
(映画「第三の男」ラストシーンで
使われた)



25万人が眠っている巨大墓地。名画「第三の男」のラストシーンはここで撮影された。

ベートーベン、モーツァルト、シューベルトの墓を探して正門の方へ。いろんな人に訊くがなかなかみつからず。最後に掃除夫のおじさんが教えてくれた。

三大楽聖のお墓



見つかってみると、特に感慨も無く、記念撮影。

いろんな人の墓石に刻まれた年号を読むとその人の人生が浮かんでくるようだ。

20代で死んだ人。3人が同じ年に死んでいる墓(戦争だろうか)。妻が夫より20年以上も長生きしている夫婦。いろんな形の墓があり、スペースも広い。土葬の様だ。緑が多く、リスを見かけた。

国鉄の駅に戻ると、ちょうど1時間に1本の列車が出たあと。仕方なく、2キロほど歩いて、市電の停留所へ。

路面電車



市電に乗っているとマクドナルドがあり、飛び降りる。ビッグマック、チーズバーガー、アップルパイ、オレンジジュース、コーヒーの昼食。トイレに行く。胃腸の調子が悪いのに、よく大量に食べられたものだ。トイレに行く。

再び、市電、国鉄と乗り継いで「ウィーン北駅(Wien Nord)」へ。

プラウダ遊園地



有名なプラウダ遊園地があるのだ。

観覧車
観覧車



ここの大観覧車も映画「第三の男」のロケ地として、有名になった。

人が乗る時は、日本の観覧車と違って、観覧車全体が止まるのだ。

1周15~20分。途中、3~4回止まる。ゴンドラは木製。歴史を感じる。景色が遠くまで見え、ワクワク。

遊園地は大観覧車だけかと思ったら、思いがけず広い。ジェットコースターに乗る。

日本で「マウス」と言われるジェットコースターを少し大きくした様なもの。直角近い角度で降下するところがあり、度肝を抜かれる。植出、ジェットコースターは嫌いとかで乗らない。「恋のジェットコースター」は大好きなのに。

絵はがき買い、ウィーン北駅でフランクフルトとコーラ。フランクフルトにつけるからしの様なもの美味い。このコーラを絵はがきにこぼして、びちゃびちゃにする。

ウィーンを流れるドナウ川



ドナウ川の川岸へ。サノが犬(アーニャ)を連れた少女に声をかける。町中に戻り、途中植出と分かれ、カタコンベのある大きな寺院を見る。

ウィーン1の繁華街からオペラ座へ。植出を待っていると、コバ・アネゴ・鈴木・高橋来る。

プラウダの話をすると、「ジェットコースターに乗りたい!」という事になり、ホイリゲ(ウィーンの郊外にある居酒屋。その年に穫れたブドウで造ったワインと食べ物を出す)へ行く時間を30分遅らせて、16:00とする。

女性たち、プラウダへ行き、僕ら3人はホフブルク宮を通って、美術館の前へ。ここでサノが女の子2人に声をかけ、一緒に写真を撮る。

声をかける技術を持っていて、うらやましい。サノは中学生の集団にも声をかけ、
「好みのタイプだぁ」
とご満悦。

ウィーン大学



ウィーン大学へ行く。喫茶室の場所を女子学生に訊くと、わざわざ三階から一階まで降りて来て、説明してくれる。大学は古い伝統的な建物。

ウインナーコーヒー



植出は喫茶室で、「ウィーンのウィーン大学でウィーンナーコーヒー」を飲んだ。

これは、「ピサのピアッツァでピザ」を食う、と同じパターン。

16:00過ぎ、市電乗り場へ行くとコバ・アネゴ来ていて、
「先生があのカフェにいるから・・・」との事。鈴木・高橋は疲れてホテルに帰ったらしい。

僕たち5人、隠れて市電No.38に飛び乗る。グリーンツィッヒで、No.38Aのバスに乗り換える。
車内でおばさんに訊く。
「バスの切符はどこで買うの?」
「今乗って来た市電の切符を運転手に見せればいいのよ」
僕たち、市電「ただ乗り」して来たんですが・・・
しかし、バスの運転手からのお咎めも無く、バスの切符を買えてひと安心。

あとは先生が追ってこない事を祈るだけ。

バスはウィーンの森展望台へ。時期が悪いのか、ウィーンの森は枯れ木ばかり。

ウィーンの夜景



でも、ウィーンの街、ドナウ川の雄大な流れ、プラウダの大観覧車の灯りがよく見える。寒い。
レストランにて、ケーキとコーヒー。

「赤いスィートピー」口笛で吹く。
サノ、ポルシェに乗ったアベックにポルシェ運転させてくれと頼む。

植出と僕、寒いので、駐車場1周走る。
18:00のバスで下山。

その年取れたワインを飲ませる
「ホイリゲ」
「ホイリゲ」の店内



グリーンツィッヒのホイリゲに飛び込む。民家を改造した居酒屋。暖炉で薪が燃えている。温かい。ろうそくの灯り。2人の音楽家の生演奏。僕たちが入った時には他のテーブルにお客はいなかった。

席に座るとワインが出る。ホイリゲの表に旗が出ていれば、今年収穫されたぶどうから作ったワインなのだ。じっと待っていても何も出て来ないので、聞きに行くと、料理は自分で取りに行くセルフサービス。ハムとか豆とかいろいろ。

どんどん客が増えてきて、10のテーブルのうち、3つのテーブルに客がいる。

安い。いい雰囲気。こういうところで愛を語れたら、きっと成就するのに・・・。

1時間くらいいて帰る。地下鉄のホームで、コバ・アネゴ、足をからませる。足の愛撫。快感なんだって。

22:00ホテル着。22:40残っていた2ℓのワインをみんなが飲みに来てくれる。

小野・生田・渋谷・手塚・東大コンビ他は、ホイリゲでもいちばん古い由緒ある店に行ったそうだ。ちゃんとウェイターもいて・・・。

僕はホイリゲに大切なのは由緒ではなく、素朴さだと思う。

手塚は今日、大学の単位のテスト結果が出るので東京の自宅へ電話していたそうだ。結果は合格。大学を卒業し、内定をもらっている住友銀行へ行く事が決まった。そんな事があったので、ホイリゲには行けなかった。

24:00就寝。

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