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ウォークマンとサザンオールスターズ


初代ウォークマン

初めて、「ウォークマン」を買ったのは、1978年、大学1年だった。聴く曲は、「サザンオールスターズ」。

サザンオールスターズ



買ってすぐ、大学の「バスケット愛好会」の高山合宿に持って行った。

飛騨高山の街



「初代ウォークマン」はもちろんカセットテープだった。録音機能を外して、軽量化した発想が画期的だった。

レコードからカセットテープにダビングして、どこへ行くにも「サザン」を聴いていた。

「ウォークマン」は、「風景」に「音楽」を付けた。この事が非常に重要な事だと思う。

乗っていた親の日産サニー



当時、両親が車を買い替えるという事で、カセットデッキをオプションで付けて貰い、家庭教師に行くのも「サザン」を聴きながら、運転して行った。

作家・西村京太郎さん
作家・赤川次郎さん



その後、乗り鉄の僕は「ウォークマン」で「サザン」を聴きながら、赤川次郎か西村京太郎の小説を読み、缶チューハイを飲むのが「旅のスタイル」となった。

缶チューハイ



鉄道に乗っていると次々と景色が変わっていく。そこにかかる「サザン」には心底痺れた。

赤川次郎と西村京太郎に初めて出会ったのは、僕が高校生の頃。

赤川次郎。

三毛猫ホームズの推理

書き下ろしのカッパノベルス「三毛猫ホームズの推理」を読んだ時、とんでもない作家が出て来たと思った。

マリオネットの罠
幽霊列車



すぐに既刊の「マリオネットの罠」「幽霊列車」を読み、早く新刊が出ないかと思った。赤川次郎が、「セーラー服と機関銃」で売れる、ずいぶん前の話である。



西村京太郎は鉄道ミステリーを書いていたので、もちろん知ってはいたが、「夜行列車殺人事件」を読んだ時、その面白さの虜になった。

天使の傷痕
四つの終止符
脱出
殺しの双曲線
D機関情報



特に西村京太郎は江戸川乱歩賞を取った頃の、過去の作品に魅かれた。

ケニアの首都・ナイロビ

ケニアのナイロビに行った時、昼間ギンギンに冷房の効いたホテルの部屋で、「サザン」を聴きながら、西村京太郎の本を読んだ。贅沢な時間に思えた。アフリカまで来て、観光にも出ずに部屋にいて、日本にいる時と同じ様に、「サザン」に「西村京太郎」。今までに無い至福の刻だった。

僕は「昭和歌謡」が好きだ。「ウォークマン」でひたすら「サザン」ばかり聴いていると、「サザンオールスターズ」の曲もある種の「昭和歌謡」なのかな、という思いが湧き上がって来た。

脚本家・山田太一さん
ドラマ「ふぞろいの林檎たち」
ドラマ「ふぞろいの林檎たち」
ドラマ「ふぞろいの林檎たち」



1983年放送された山田太一・作「ふぞろいの林檎たち」。ドラマに全編「サザン」の音楽が付いている。ドラマという「風景」に「サザン」が巧く付いたのだと思った。

1978年に出現した「ウォークマン」と「サザンオールスターズ」。この2つは、偶然一緒の時に出て来たと思えないのは僕だけだろうか?

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