富士山登山
今、「登山」と「キャンプ」が静かなブームだそうだが、僕も妻もどちらにも手を出しそうにも無い。2人とも虫がダメ。さらに僕は、かつてアトピー性皮膚炎だったので、汗をかくのが苦手。汗をかいても、シャワーを浴びたり、風呂に入ったりする事が出来れば、話は別だが。
大学時代に友だちに誘われて、麓の富士吉田駅から、富士山に登った事がある。初めは緩やかな傾斜で、登山している感じがしなかったけど、八合目の山小屋辺りではかなりの急勾配。午後10時に山小屋に到着。一泊した。
登って来たままの服装で、シャワーを浴びる事も出来ず、配られた毛布に包まって、出発までの数時間、仮眠を取った。耐えられない環境。
午前4時、山小屋を出発。山頂に立ってみると、雲の中。ほとんど、何も見えないし、雨が下から上に向かって降っていた。雲より高い所にいたのだから、それも当然か。
山頂の茶屋で、ソーセージを一切れ入れた500円のカップヌードルを食べた。靴下までびっしよ濡れの僕にとって、そのカップヌードルがいかに美味しかったか。
キャンプというか、飯盒炊爨には、しばしば父が連れて行ってくれた。場所は六甲山。メニューはカレーライス。飯盒でごはんを炊いて、鍋でお湯を沸かしてレトルトカレーを作る。自然の中で食べるカレーライスはことのほか美味しかった。
それでも、キャンプに足が向かないのは、3つの理由がある。1つはトイレの事。もちろん、最近の車で行けるキャンプ場には清潔な水洗トイレがある所も多いと聞いてはいるが。
2つ目は、「虫」の問題。テントに少しでも虫が入ると、気になって眠れなくなってしまうのである。
3つ目は、テントの床の問題。僕は、床がガタガタだと眠れない。最近のキャンプ場には、備え付けのテントにベッドを入れたものがあるらしいが・・・
しかしながら、枕が変わると、寝付けられない僕。自分の家にいる時がいちばん幸せ。
登山は、新田次郎の山岳小説を読んで、頭の中で、山に行った気分になっている。僕は、この「エア登山」が気に入っている。