多国籍アパートで暮らせば
ETV特集「多国籍アパートで暮らせば」というドキュメンタリーを観た。
NHK岐阜の入局7年目になる、多分29歳位、黒いリュックサックを背負った、白いシャツのとても似合う可愛い女性。
きっと、性格も可愛い感じ‼️
相原葉子ディレクターが「多国籍アパート」に住む人々を撮る為、半年間、そのアパートに「一緒に住んだ記録」である。
「取材対象」が話してくれる様になる為には、なるべく長期間、カメラを回さなければならない。
「アパート」の空室に相原葉子ディレクターが引っ越して来る所から始まる。
彼女は「胸」にテレビカメラ「Go Pro」を付けて、なおかつ自ら「ビデオカメラ」を回し、時には「定点カメラ」を置いて、24時間、ビデオを回し続ける。
築41年のアパートに住む「日系ブラジル人たち」は低賃金に苦しみ、怒り、そして「孤立」している。
「アイちゃん(相原葉子ディレクターの愛称)」と「私たち(日系ブラジル人)」の歩く「道」は違うと、相原葉子ディレクターは強い口調で告げられて、大きなショックを受ける。
枯れそうになっていた「野草」を「緑」にしようとするおじさん。
しかし、彼は「年金」を勘違いして全部使ってしまい、残金はたったの18円。
「スマホ」で撮った映像も多々ある。
「映像」にも「映っていたら良い」という許容力の大きい感覚が素晴らしい。
「テロップの文章」が良い。簡潔だけど、素直に「意味」が伝わって来る。
日系ブラジル人のおじさんがアパートで大音量で聴いていた「音楽」。
それを巧く「番組」の中で使っている。
「相手を思いやる心」を持つディレクターで無いと、こんな「映像」と「音声」は絶対録れない。
それがNHK岐阜の相原葉子さんというディレクターである。
木漏れ日の中、佇む古い古いアパート。
半年が経ち、「アパートの住人」と「アイちゃん」との「お別れの日」が来る。
みんな「また!」と「アイちゃん」に言う。
誰一人、「さよなら」とは言わないのだ。
「日本に住む外国籍の人々」を撮る事で、「今の日本社会」が見えてくる。
今までの誰もしなかった「全く押し付けがましく無いアプローチ」で「外国籍の人たち」を映し出した「素敵な、どこか物悲しい、そしてクスッと笑えるドキュメンタリー」だった。
ディレクターの相原葉子さんと無性に会いたくなった。
彼女と「新宿ゴールデン街」て何時間もかけて、いろんな話をしたい。
偶然出会った「愛おしい番組」だった。
偶然・・・録画予約しておいて良かった。