1982年の卒業旅行⑬アムステルダム
1982年卒業旅行 13.
アムステルダム・・・オランダ
1982.3.9.
6:30モーニングコール。
7:15朝食。
8:00出発。
アウトバーンを通ってケルンへ。ケルンにて昼食。10人位と、駅構内の食堂で。
豚肉ステーキとビール。食堂の便所閉鎖で、公衆便所へ行く。
ドイツの若者が自分の入った後の有料トイレを譲ってくれる。彼が出た後、扉が閉まってしまうとお金がかかるので、扉が閉まらない様に押さえていてくれたのだ。先日もザルツブルクでコバがおばさんにトイレを譲ってもらった。よくある事らしい。
中に入って用を足そうとするが、譲ってもらった個室は中から鍵がかからない事が判明。30ペニヒケチって、トイレの扉を中から引っ張りながら、用を足す。
西ドイツ・オランダの国境にて両替。(20ドル→47.65ギルダー)
オランダのギルダー紙幣は一色刷り。先生が両替所の横の旅行案内所の女性に
「コーラないか?」と訊いている。ある訳がない。僕も女性に「アムステルダムの無料の地図はないか?」と訊いてみる。無かった。
バスの中で、古き良き時代の歌をパッパラバーズ、アラレ、アカネらと歌う。僕の印象が変わったとの事。
アウトバーンの終点みたいなところにあるモーテルが今夜のホテル。
モーテルと言っても日本のモーテルとは違う。車で乗りつける運転手用の安ホテルといった感じ。各部屋のドアが表に面している。シャワーしかない。町中まで遠い。地図に載っていない。近ツリのいつものパターンだ。
18:00、ホテル出る。サノ・植出・コバ・鈴木・高橋・渡辺。橋を渡って、市電乗り場へ。コバと話しながら歩いた。
市電はNo.25。終点から乗る。女連中、特にコバ、「飾り窓」行きたがる。市電にて中央駅へ。
駅構内は汚く、目つきの悪い人間がウロウロしていて、ハーレムの様だ。切符、自動販売機で買う。市電の切符か国鉄の切符か分からん。
植出が地図を見ながら、みんなを飾り窓へ。
川沿いにぼんやり光る赤い灯。ショーウィンドウの中に下着姿の女たち。
カーテンの閉まっているところは「作業中」だ。
ここにアボさんが、ここに山ちゃんが、と言いながら通る。
ストリップ小屋有り。呼び込みの男が日本語で「女性器」の名前を叫んでいる。
日本人がどれだけたくさん来るのか、容易に想像がつく。同行している女性たち、黙っている。特にコバ。コバと僕、飾り窓地区を出たところで、車に引かれそうになった。
夕食はイタリア料理店(No.25の通る市電通りに面している)にて、スパゲティとオムレツ。
夕食後、コバに頼まれて、エロ本買いに行く。すげえ本がある。「獣姦」「放尿」・・・。白人ってすげえなぁ。コバにはビニールに入った三冊セットを買う。1000円位。
コバ、友だちの彼氏にあげるとか。実はイタリアで、既にもう一冊ご購入済。
コバらと待ち合わせたコーヒーショップで合流し、アボさん、山ちゃん、岡本らと市電No.25(黄色の三両編成)にてホテルへ。途中で二宮が消えたとか消えないとか・・・。
ホテル着22:30。トランプwithサノ・コバ・植出・僕、後にアネゴ・小野・生田。
26:00過ぎ終わる。シャワー、洗濯後、就寝26:50。
※この日か次の日か忘れたがサノは二宮さんとバーで飲み、アネゴは角野さんと酒を飲む。サノ、アネゴの部屋の鍵を手に入れ、アネゴの部屋で待ち伏せ。
アネゴ、鍵無いと僕らの部屋に来る。この日、アネゴはどこかおかしかった。
コバとアネゴは僕から見ると「水と油」。血液型もB型とA型。アネゴの気持ち、コバ分からず、アネゴ、コバの気持ち分かる。コバって気持ちが行動に出るんだよなぁ~植出くん!(僕、ジェラシーの鬼と化す)
この辺の夜、よく植出を責める。サドの傾向あり。
1982.3.10.
8:00頃、渋谷の電話で起きる。8:40朝食。
9:10出発。
市電No.25にて、植出と2人でダム広場の近くへ。1つ手前の停留所で降りてしまう。
ひどい雨と風。傘が折れそうになる。水曜日なので市庁舎が見学できるのだが、13:00からなので、半ばあきらめる。郵便局へ行き、絵はがき買う。
2人位に道を訊き、アンネ・フランクの家へ。
道を訊いたおじさんによると、「今はよく雨が降るが、もうすぐ晴れの日々が来る」との事。
運河沿いにあるアンネ・フランクの家は「観光化された感」が強い。
教科書で読んだ、有名な隠れ家の入口の本棚あり。
コバ、鈴木、高橋と会う。花市場、良かったとの事。歩いて、花市場へ。
チューリップの球根買う。10個7.5ギルダーを5セット。
改装中のマクドナルドで昼食。ビッグマック、ハンバーガーロイヤル、コーヒーで8.8ギルダー。
国立博物館、ゴッホ美術館と回るが、僕には絵は分からぬ。分かったのは「夜警」ぐらいか? 足が疲れる。
ゴッホが江戸時代の日本画をコレクションにしていたのには驚いた。
市電No.2にて、アムステルダム中央駅へ。先生に駅で会い、風車のある所へ行く方法を訊く。
しかし、乗った電車は行こうと思っていた駅には止まらず、車掌に訊いて、国電黄色の終点デン・ヘルダーまでの切符を買う。2人で1枚。(ホテルへ帰ってから半分に切った)
デン・ヘルダーの町はニュータウンのショッピング街という雰囲気。WIMPYの前を通り、北海を見に行く。
「海岸はどう行ったらいいですか?」と訊くが通じない。後で考えてみると、北海には「砂でできた海岸」は無いのだ。
北海は青くはなく、茶白い海。
大きくて高い堤防に上ってみれば、海面よりデン・ヘルダーの町の方が圧倒的に低い。オランダが国土を広げる為に干拓をしてきた事がよく分かる。
堤防の上をジョギングしている人がいる。寒くて強い風が吹いていた。風上に向かって走る人はしんどいだろうな。
町へ戻り、WIMPYでアップルパイとコーヒーのセット。
その後、駅の手前で自動販売機で1ギルダーを入れて、コロッケを買おうとするが、何故か出て来ない。横にいたオランダ人が1.5ギルダーという事を教えてくれた。
16:41発の電車に乗り、途中下車して、風車を見に行く。風車は5つあるがすべて運河の向こう側。風車はロープで止めてあり、今は使っていない様だ。
17:39発ハーレム行き電車に乗り、途中で乗り換えて、アムステルダム中央駅。
駅で両替後、地下鉄で「はね橋」を見に行く。地下鉄はただ乗り。
「はね橋」へ行く道を訊くと、ひげのおにいさんが親切に教えてくれた。
「はね橋」を見た後、地下鉄に再び乗り、アムステルダムの繁華街へ。
飾り窓を通って、SEXSHOPにて、買い物。植出はエッチなトランプ2組。僕はエッチな1ドル札を購入。
19:12コバ、高橋、鈴木と待ち合わせしたハンバーガー屋へ。少し遅れる。
「私たち、食事代ちょっきりしか持ってないの。ノド乾いたなぁ~」
暗に約束の時間に遅れたので、ジュースおごれとの事。
植出、なかなかおごろうとせず、僕はやきもき。
いかんなぁ。
ツーリストメニュー食べる。魚フライ、グリーンピース、アップルパイ、ビール。
コバ、おごってもらったお礼を植出に言う。僕は金の支払い。なんちゅう、そんな役目。
夕食後、ホテルに帰ってワインでも飲まないか、という事になり、ワインを探してアムステルダム中央駅まで行く。
ワイン見つからず。1年間、世界を旅しているというボサボサ頭でひげ面の日本人に会う。
ベルリンにタダで行く方法や日本人観について話す。これから、イギリス・アメリカと旅する。そして、ハワイの海岸から海を見たいのだそうだ。
女の子、植出、嫌がっているみたい。
市電No.25にてホテルへ。今日1日、雨や風で寒かった。
21:15ホテル着。ビールを自販機で買って、鈴木・高橋が持って来たたくわんで飲んでからトランプ。
コバのぶりっ子トランプには、ハムの油は付くし、たくわんの臭いは付くし、いい想い出となる事だろう。
きゅうりのキューちゃん食べる。ど貧民する。調子悪し。
23:40コバ、高橋、鈴木帰る。
サノ、植出、僕でうだうだ女の話。僕とサノが
「コバは植出に惚れているよ」というと、
「もうそんなこと、言わんとってくれ。ほんまに惚れそうになってるのに」
植出は単なる友だちでいたいらしい。
僕は、惚れそうになるんやったら、惚れたらええやんと思ったが・・・。
26:00過ぎ、就寝。