見出し画像

小論文で頻出!環境問題のテーマとポイント

小論文で頻出の環境問題のテーマごとのポイントです。それぞれの背景、課題、解決策を簡潔に整理しています。これらのポイントを押さえた上で、自分の意見やアイデアを付け加えると、より説得力のある文章や発表ができます。また、具体例やデータを織り交ぜることで、論述に深みが増します。それぞれについて事実を確認し、自分の意見を述べられるようにしていきましょう。

1. プラスチックごみ問題


背景
年間約800万トンのプラスチックが海洋に流出し、そのうち500万トン以上がプラスチック袋やボトルなどの使い捨てプラスチックです。日本では、2020年のプラスチックごみ排出量は約940万トンで、世界で2番目に多い国となっています。
課題
海洋ごみの90%はプラスチックで、生態系や海洋生物に深刻な影響を及ぼします。マイクロプラスチックは海洋生物の消化器官内で検出され、人間の健康にもリスクをもたらすと考えられています。
解決策
 - プラスチックの使用削減(例: マイバッグやマイボトルの利用)。例えば、フランスでは使い捨てプラスチック食器の使用が禁止されました。
 - 生分解性プラスチックの普及促進(例: PLAやPHAなどの使用)。カリフォルニア州では、生分解性プラスチックの使用が増えています。
 - リサイクル技術の強化と分別回収の徹底(例: スウェーデンではリサイクル率が99%に達している)。

2. 気候変動・地球温暖化


背景
産業革命以降、CO₂排出量が増加し、地球の平均気温が1.2℃上昇しています。これにより、異常気象や海面上昇が頻発しています。世界のCO₂排出量の約30%を占める中国が、主要な排出国となっています。
課題
温室効果ガスの削減が急務ですが、経済発展との両立が難しいです。例えば、インドでは経済成長に伴いCO₂排出量が増加しています。
解決策
 - 再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱)の導入促進(例: ドイツの再生可能エネルギーシェアは40%を超えています)。
 - 脱炭素社会に向けた国際協力(例: パリ協定の目標達成に向けた取り組み)。2021年のCOP26では、2050年までにカーボンニュートラルを目指す国々の合意が得られました。
 - 個人レベルでの省エネ生活(例: LED照明や電気自動車の利用)。例えば、スウェーデンでは個人の省エネ意識が高く、エネルギー消費の削減に貢献しています。

3. 生物多様性の保全


背景
森林伐採や気候変動によって動植物の生息地が減少し、地球上の種の約1/4が絶滅の危機に瀕しています。アマゾン熱帯雨林では、年間約100万ヘクタールが伐採されています。
課題
生物多様性が損なわれると、自然の循環が崩れ、食料供給や水資源の保護に影響を及ぼします。例えば、ミツバチの減少が農業生産に影響を与えています。
解決に向けた動き
 - 保護区の設置や植林活動の推進(例: アマゾン熱帯雨林の保護プロジェクト)。2019年には、アマゾンで1,700万本の木が植えられました。
 - 持続可能な農業や漁業の普及(例: 有機農業やMSC認証の普及)。例えば、ニュージーランドでは、持続可能な農業が広がりつつあります。
 - 教育や啓発活動を通じた意識向上(例: 環境教育プログラムの導入)。日本では、小学校から環境教育が行われています。

4. 食品ロス


背景
日本では年間600万トン以上の食品ロスが発生しており、これは国民一人あたり約48kgに相当します。世界的には約8億人が飢餓状態にあります。
課題
食料の無駄遣いが地球資源の浪費につながります。例えば、アメリカでは年間約1,300億ポンドの食品が廃棄されています。
解決に向けた動き
 - 消費期限の理解を促進し、廃棄を防ぐ(例: 消費期限と賞味期限の違いの教育)。フランスでは、賞味期限の過ぎた食品の販売が義務付けられています。
 - フードバンクやシェアリングの活用(例: セカンドハーベストジャパンなど)。日本では、フードバンクの利用が広がっています。
 - 家庭や企業での適切な食材管理(例: 冷蔵庫整理、余り物活用、献立計画)。イギリスでは、「ラブフードヘイトウェイスト」キャンペーンが行われています。

5. 廃棄物処理とリサイクル


背景
日本では年間約4,300万トンのゴミが排出されますが、リサイクル率は20%にとどまっています。2020年のデータでは、プラスチックのリサイクル率は84%に達しましたが、その多くは焼却によるエネルギー回収です。
課題
焼却処理が主流で、環境負荷が大きいです。また、不適切な廃棄が汚染を引き起こします。例えば、マレーシアでは日本からの廃プラスチックが問題となっています。
解決に向けた動き
 - ゴミの分別徹底とリサイクル意識の向上(例: リサイクル教育の普及)。ドイツでは、家庭ごみの分別が厳格に行われています。
 - 循環型経済を目指した政策と技術革新(例: EUの循環経済パッケージ)。EUでは、2025年までにすべてのプラスチック包装材をリサイクル可能にする目標があります。
 - 不用品の再利用や修理文化の普及(例: フリーマーケットやリペアカフェの推奨)。オランダでは、リペアカフェの利用が増えています。

6. 水資源の保護


背景
世界の約20億人が安全な飲料水にアクセスできない状況です。日本でも水質汚染が課題です。例えば、利根川水系では、農薬や工業廃水による汚染が報告されています。
課題
水不足や水質悪化が、農業や産業に悪影響を与えます。例えば、インドでは水不足が深刻化し、農業生産に影響を与えています。
解決に向けた動き
 - 節水型技術の開発と利用(例: ドリップ灌漑システムの導入)。イスラエルでは、節水技術が広く普及しています。
 - 水のリサイクルや雨水利用の推進(例: 雨水タンクの設置)。シンガポールでは、雨水の利用が進んでいます。
 - 水資源保護のための環境教育(例: 水の大切さを学ぶ教育プログラム)。オーストラリアでは、学校での水資源教育が充実しています。

7. エネルギー問題


背景
日本はエネルギー自給率が12.1%(2021年)で、化石燃料への依存度が高いです。東日本大震災後、再生可能エネルギーが注目されています。例えば、2020年には太陽光発電の導入量が世界3位となりました。
課題
エネルギー転換にはコストがかかり、安定供給も難しいです。例えば、ドイツではエネルギー転換により電気料金が上昇しています。
解決に向けた動き
 - 再生可能エネルギーの研究開発と普及(例: 太陽光発電や風力発電の技術革新)。日本政府は2030年までに再生可能エネルギーの割合を22-24%に引き上げる目標を掲げています。
 - エネルギー効率の向上(例: 省エネ設備の導入やエネルギーマネジメントシステムの活用)。LED照明の普及により、エネルギー消費が大幅に削減されています。
 - 地域分散型エネルギーシステムの構築(例: 地域コミュニティによる再生可能エネルギープロジェクト)。ドイツでは、地域主導のエネルギープロジェクトが増加しています。

8. 都市問題と環境


背景
都市化に伴い、ヒートアイランド現象や大気汚染が深刻化しています。東京では夏の平均気温が過去100年間で3℃上昇し、熱中症のリスクが増加しています。
課題
人口密集地ではエネルギー消費が増大し、緑地が減少しています。例えば、ニューデリーでは大気汚染が深刻で、健康被害が拡大しています。
解決に向けた動き
 - 都市緑化や屋上緑化の推進(例: パリの「緑の屋根」プロジェクト)。パリでは、屋上緑化が進められています。
 - 公共交通の利用促進や自転車インフラの整備(例: コペンハーゲンの自転車都市計画)。コペンハーゲンでは、自転車専用道路が整備されています。
 - 持続可能な都市設計(例: スマートシティの導入による効率的な資源利用と生活の質向上)。日本の「スマートシティ」プロジェクトでは、エネルギー効率や住環境の改善が図られています。


入試対策も追い込みです。これらの情報を活用して、より良い論述や発表に役立ててください。

いいなと思ったら応援しよう!