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入試の現代文②「本質」と「現象」にアプローチする方法

現代文で「本質」と「現象」という言葉が出てくると、急に難しく感じる人も多いと思います。でも、実はこのテーマも身近な例で考えればわかりやすくなります。「本質」は物事の中身や根本的なもの、「現象」は私たちが目にしたり感じたりする表面的なものを指します。この違いをイメージできれば、入試問題での出題にもスムーズに対応できますよ。

1. そもそも「本質」と「現象」って何?

• 本質(ほんしつ)
本質とは、物事の根本にある変わらないもののことです。「これがなければそのものは成り立たない」と言えるような要素ですね。

• 現象(げんしょう)
現象とは、私たちが直接見たり感じたりできる表面的なものです。本質を表に出す形や働きとも言えます。

簡単な例を挙げると、「木」を見たとき、葉っぱが揺れている様子や花が咲くことは現象ですが、「木が生きて成長する仕組み」や「木として存在する根本的な性質」は本質です。


2. 本質と現象の違いをもっと具体的に

もう少しわかりやすくするために、身近な例を使って考えてみましょう。

例 1:人間の性格
友達が怒っている様子を見て、「この人は怒りっぽい性格だな」と思ったとします。この「怒っている様子」は現象です。でも、それがその人の本当の性格かどうかはわかりませんよね?その人が怒ってしまう理由や、普段は優しい一面などを見ないと、本質はつかめません。

このように、現象だけを見て判断すると間違えることがあります。現代文の文章では、「現象に惑わされずに本質を見極めることが大事だ」という主張がよく登場します。

例 2:社会問題
ニュースで「最近、若者の○○離れが進んでいる」といった話題をよく目にします。この「○○離れ」は現象です。でも、若者がその行動をやめている本当の理由(本質)は、経済的な背景や価値観の変化などにあるかもしれません。つまり、現象をきっかけにして、その奥にある本質を考えることが必要なんですね。


3. 入試でよくあるパターン

入試問題では、「現象にとらわれず本質を見抜く重要性」がテーマになることが多いです。具体的には次のような形で出題されます。

• 「見えるものがすべてではない」という主張
→ 目に見える現象に惑わされて、本質を見失ってしまうことへの警鐘。たとえば、「世の中の流行や情報に流されずに本質を考えよう」という内容の文章が出てきます。

• 「現象を通して本質を理解する」アプローチ
→ 逆に、現象を観察することで本質をつかむ方法論もあります。科学や芸術の分野でこの考え方が使われます。


4. 実際に問題を解くときのコツ

現代文で「本質と現象」に関する文章に出会ったときは、次の手順でアプローチしましょう。

1. 「現象は何か、本質は何か」を見極める
文章内で述べられている具体例(現象)を探してみましょう。そして、その奥にある筆者が主張する「本質」を見つけるのがポイントです。

2. 現象と本質の関係を考える
「現象は本質をどのように表しているか」「現象だけを見たとき、どんな誤解が生じるか」などを考えると、筆者の意見がつかみやすくなります。

3. 自分の経験や意見に結びつける
入試では記述問題も多いので、「本質を見極めることがなぜ大切か」を自分の言葉でまとめられるようにしましょう。


5. 簡単な練習問題

問題
以下の文章を読んで問いに答えてみましょう。

「私たちが見ている世界は、現象にすぎない。目の前に現れているものの奥に隠された本質を見つけることで、初めてそのものの本当の意味がわかる。」

問い
1. この文章における「現象」と「本質」をそれぞれ説明しなさい。
2. あなた自身が「現象にとらわれて本質を見失った」と感じた経験を挙げ、それを簡単に述べなさい。


おわりに

現代文で「本質と現象」に関する文章が出てきたら、「現象に惑わされずに本質を見極めることが大切だ」という主張がよくあることを意識して読み進めましょう。そして、「現象→本質」という流れを見つけることがポイントです。

このテーマも、難しく考えずに身近な例でイメージするとわかりやすくなりますよ。「友達が怒っているけど、実は疲れているだけだった」「ニュースの話題を鵜呑みにしたけど、実際は違った」など、自分の経験と結びつけて考えると、より深く理解できるはずです。焦らずじっくり練習していきましょう!

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