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入試の現代文③「自由と責任」にアプローチする方法
現代文で「自由と責任」というテーマは、特に倫理や哲学に関する文章でよく登場します。「自由」と聞くと、「何をしてもいいこと」と考えがちですが、現代文で問われるのは、「本当に自由であるためには責任が伴う」という視点です。この関係性をしっかり理解できると、入試問題の読み解きがずっとラクになりますよ。
1. そもそも「自由」と「責任」って何?
【自由(じゆう)】
自由とは、「自分の意思で行動できること」を指します。でも、自由には二つの側面があります。
1. 消極的自由:「他人から干渉されないこと」
たとえば、「何を食べるかを自分で決める自由」のように、他者から邪魔されずに自分で選べる状態を指します。
2. 積極的自由:「自分自身を律して行動すること」
これは、「自分で考え、責任を持って行動する自由」のことです。単なるわがままではなく、意志を持って行動する自由です。
【責任(せきにん)】
責任とは、「自分の行動に対して結果を受け止める義務」のことです。自由に行動できるからこそ、その結果に対して責任を取る必要があります。
2. 自由と責任の違いをもっと具体的に
ここで、「自由と責任の関係」をわかりやすくするために、いくつか具体例を見てみましょう。
例 1:部活動のキャプテン
部活動でキャプテンになったとしましょう。「自分のやりたいように部を引っ張る自由」が与えられますよね。でも、それと同時に「部の成績を上げる」「メンバーをまとめる」といった責任も負うことになります。この場合、自由と責任はセットです。自由に意見を言えるからこそ、みんなの信頼を得るために責任ある行動を取る必要があるのです。
例 2:社会の中の個人
社会には、言論の自由や行動の自由がありますが、その自由を乱用して他人に迷惑をかけてしまえば、責任を問われますよね。「表現の自由」を主張するなら、その言葉が他人に与える影響についても責任を持つ必要があります。このように、自由には必ず責任が伴うという点が入試問題での重要なポイントになります。
3. 入試でよくあるパターン
入試では、自由と責任に関する文章が次のような形で出題されることが多いです。
• 「自由を得るためには責任を負うことが必要だ」という主張
→ 他人からの干渉を受けずに行動する自由は、一見楽に見えますが、それを本当の意味で手にするには、自分の行動に責任を持つ覚悟が必要だ、という論旨です。
• 「無責任な自由は本当の自由ではない」という主張
→ ただ好き勝手に行動するのは自由ではなく、責任を持った行動こそが本当の自由である、といった論点です。
4. 実際に問題を解くときのコツ
自由と責任がテーマの文章に出会ったときは、次の手順を意識してみましょう。
1. 「自由」と「責任」の定義を把握する
文章中で筆者がどう自由と責任を定義しているかをつかむことが第一歩です。「自由とは何か」「責任とは何か」を明確にすることで、筆者の主張を理解しやすくなります。
2. 自由と責任の関係を見極める
文章中で自由と責任がどう結びつけられているかを考えます。「自由を得るためには責任が必要だ」といった形で論理が展開されていれば、そのポイントを押さえましょう。
3. 自分の考えを整理する
記述問題では、自由と責任の関係を自分なりに考えることも求められます。「なぜ自由には責任が必要なのか」を自分の言葉で説明できるようにしましょう。
5. 自由と責任がわかる簡単な練習
問題
以下の文章を読んで問いに答えてみましょう。
「自由とは、自らの意思で行動できる状態を指す。しかし、その自由が本当の意味で成立するためには、結果を受け止める責任が必要だ。無責任な自由は単なるわがままであり、それは他者との共存を阻害するものにすぎない。」
問い
1. この文章における「自由」と「責任」の定義をそれぞれ説明しなさい。
2. あなた自身が「自由と責任」を意識して行動した経験を一つ挙げ、それを簡単に述べなさい。
6. まとめ
現代文で「自由と責任」に関する文章が出てきたときは、「自由とは何か」「責任とは何か」をしっかり意識しながら読み進めましょう。そして、「自由を得るためには責任が必要」という論点を見逃さないことが大切です。
このテーマも、身近な例を考えながら理解するとわかりやすくなります。「学校生活での自由と責任」「家族の中での自由と責任」「社会での自由と責任」といった具体的な場面に置き換えて考えると、入試問題でも対応しやすくなりますよ。練習を重ねて、少しずつ自信をつけていきましょう!