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安心してください。初任で教材研究はできません。
初任者指導の先生から,何度も言われた言葉。
「授業が始まると同時に指導書を開くなんて100年早い。」
5分休みに指導書を読むなり,給食を食べながら指導書を見るなり,自分で教材研究をする時間を確保しなさい,とのこと。
「そんなの無理だ」
初任の頃も、今も、そう思う。
これから教員になる方や、初任で悩んでいる方、初任が近くにいるベテランの教員の皆様にも是非読んでいただきたい。
1.初任者はやることが多い
初任者は,ベテラン並みにやることが多いのではないかと思う。
以下、私の学校でのこと。
初任研で初任者指導の先生にご指導をいただくための指導案(略案)を週に1回書かなければならない。
初任研の一環として、副校長などからお話を聞く時間(2時間)が週に1回、また教育事務所などで行われる学校外での研修(1日)が月に1回ある。
その度に、補充計画といって、担任がいない時にやってもらう教科書の範囲やドリルのページなどを全て書いて管理職の先生(副校長、主幹、教務、研究主任、お願いする先生、学年長などの印鑑スタンプラリー必須)に確認していただなければならない。しかも三日前まで、という期限付き。期限がすぎると叱られることもある。(私は以前他の業務を優先していたら、人にお願いするものは早めに話すべきだ、と叱られた…)
2.息をつく暇くらいはないとやっていけない
そんなにも業務がある上に、5分休憩も休憩時間も教科書・指導書を見なさいと言われても、私だって疲れている。
うまくいかない授業。荒れている子供達。
ほっとする時間くらい1日のうちに何度かないとやっていけない。
1日の中で、どこで力を抜いていいのか分からないのもある。常に緊張状態で子供と向き合っている。5分休憩や給食時間くらい、自分の時間と思ってゆっくりしたいものだ。
フルマラソンを全力で最後まで走りきるのは、誰でも不可能である。
3.教材研究の仕方が分からない
何度教材研究のやり方を教えてもらっても、本を読んでも、実際に経験値を積まないと教材研究は難しい。
初任の頃、私は1時間の授業を考えるのに、2時間も3時間もかかっていた。ああしたほうがいいんじゃないか、こうしたほうがいいんじゃないか、子供達がここでどんな疑問を持つだろうか、時間はどれくらいかかるだろうか。考えて考えてやっと1時間分の授業のイメージが掴めるようになる。
もちろんすぐに感覚を掴んで独創できる人もいるだろう。しかし、自分にあった教材研究の仕方を見つけ、自分のものにするまでには時間がかかるのは確かだ。
私は、iPadで板書計画を立てる→iPadで子供のノート計画を立てる→紙ノートに子供のノート計画を立てる で今に落ち着いた。
1時間の授業を考えるのに、30分もあれば授業の中身を鮮明にイメージして必要なプリントなどまで準備できるようになった。
苦なく教材研究ができるようになるまで、1年9ヶ月かかった。ここに至るまで、かなり教材研究はしんどかった。今では教材研究がむしろワクワクする時間でもある。
4.初任者は教材研究ができなくていい
初任で教材研究に時間も労力もかけるのはかなり至難の業だ。
だから、初任者は教材研究ができなくでもいい。
大丈夫。
いつかは「この単元はちゃんと準備してみよう」と思える日が来る。
いつかは頭にポンポンとイメージが湧き出る日が来る。
いつかは教材研究が楽しいと思える日が来る。
いつかは子供達が「そういうこと!?」「なるほど〜!」「もっとやりたい!」と口々にする授業ができるようになる。
5.初任の1年は貯金の1年
授業の準備もままならない。うまくもいかない。
でもそれは無駄な時間を過ごしているのでもなく、失敗しているのでもない。
確実に、貯金となって自分の引き出しに溜まっていく。
でも、学ぶことだけは少しずつ続けてほしい。いくら空回りしても、今の自分には直接関係がなくても、本を読んだり、他の先生の授業を見たり、先生方からのアドバイスは素直に受け止めて改善していこう。
見聞貯金が溜まって、いつかそれが自分の武器になる。
経験値貯金が溜まって、適切なタイミングで適切な武器が使えるようになる。
授業がなんだかワクワクしてくる。
その時を、今はじっと、静かに、待とう。