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1級建築士試験奮闘記 #17 さぁ、5度目の正直だ。【エスキス編】

こんにちはchachaです!
ご覧いただきありがとうございます!

前回に引き続き、令和5年度の設計製図本試験についてお話していきます。
今回は条件整理からエスキスに入っていきます。

ボリュームは少ないが色々と考えさせられる読み取りを経て、どのような心境で条件整理とエスキスを行っていったかをお話しできればと思います。

よろしくお願いいたします。

前回までのお話はこちらをご覧ください。

条件整理…残り6時間5分

読み取りを終えて、ここまででざっと
25分が経過していました。

大体30分は読み取りに使う計算なので、順調なペースでした。

まずは条件を図示化して簡単な機能図と高さ関係を洗い出します。
ここから当時の心境も載せていきます。

条件整理からチビコマまで

今回は何といっても
北側斜線
がかかるから、ヘリ空き寸法に注意だ。

一般開架スペースはとりあえず一層で計画するとして、階高5m。

残りは4mとして最高高さは16.7m
仮に北側までその高さで建てたとしたらヘリ空きは
6mね。

道路斜線は
6m道路はヘリ空き5m
12m道路はヘリ空き2m

駐車場は切り開きが1か所のみの条件なので、大通り側の西面にまとめて
建築可能範囲はX方向40m ,Y方向24mなので40×24=960㎡
建ペイ率より建築面積の上限は1,344㎡

必要外形は
要求室の必要面積に廊下係数1.5をかけて、3で割ると約880㎡
大分余裕がある計算だな。

恐らく管理関係の部屋が最小限なのと、交流スペースなどの共用スペースを見込んでいないので、余裕がある分には問題ない。

とりあえず、960㎡で進めて厳しければ広げよう。
駐車場を6m道路側にまとめて、北側をセットバックさせてば
もっと広げられるという認識
だけ頭に入れておこう。

続いて階の割り振りへ
荷解き配本スペースと企画展示の関係性が書かれていたため、1階。
セミナールームも関連があるので1階。閉架書庫も要点記述で構造について問われていたからまぁ、1階のほうが書きやすいかな。

それ以外は児童開架と一般開架を2・3階で振り分けてざっくり計算
各階600~650㎡になったので、廊下係数的には1.4~1.6
1.6は取りすぎだけど余ったスペースは今回の計画ならどうとでもなるので、そのままスパン出しへ

スパン割り~チビコマ

基本はX方向6スパン、Y方向4スパンで考えると
X方向 6~7m (7m6スパンだと2mオーバー)
Y方向 6m
Y方向の建築可能範囲は24mなので6m×4スパン=24mが収まりが良さそう。
X方向の建築可能範囲は40mなので7m×6スパン=42mと2mオーバーか。
ただ、これくらいなら可能範囲をいじって広げるか、変則スパンにすればいけるかな。

とりあえず、X方向6スパン、Y方向4スパンで大きな室を当てはめてチビコマエスキスへ。
何となく行けそうだな。ここまでで試験開始から約40分ほど

もしものためにもう1案考えよう。
50㎡以上の塊を作ったほうがグリッドに乗るのできれいだな
X方向は変わらず6~7m×6スパン=40mとし
Y方向を8m×3スパン=24mとしてみる。

あんまり短辺3スパンはやらなのだが、きれいにハマる。。。
(ちなみに、令和元年の「美術館の分館」を受験した際、学校の解答例に3スパンがあり頭に残ってたので、特に偏見はありませんでした。)

とりあえず、一旦トイレに行って落ち着こう。
試験管の指示を仰いでトイレに。

その際に周囲の状況をチラ見できるのですが、まだ条件整理している人も多く
よしよし、順調だなと感じトイレに向かいました。

一旦一呼吸を置いたこともあり、ボリュームの小さい建物に3スパンは攻めすぎのような、、とも思いましたが、どう考えてもこっちの方がスッキリするので、3スパンで行くことに。
このまま中間チェックをして、ここで試験開始から約1時間ほどでした。

チビコマもこれぐらい簡易です

エスキス…残り5時間30分

中間チェックを終え、いよいよエスキスへ。
ちなみに私のエスキスは他の人に比べてです。笑

柱を落とし込んでコアを配置したら、大きな室を〇囲みながら配置し行くのですが、そのあとも整形にしないで〇のまま殆どの室を配置します。
(面積がグリッドに乗らない室は整形にしますが)

恐らくこれが時短につながっているのかもしれません。※恩師からはあまりお勧めしないと言われてます。。笑

X方向の6mスパンをどの位置にするかで悩みましたが、コアや大空間に影響しない位置を探り決定。

大きな室は基本、端っこにかつ、入口はホールに向くような配置とし、その他の室も関係性を考慮して配置し、余った空間を交流スペースや管理室として整えていきました。

あまり深読みしなかったせいか、考えすぎることも無く、心境を書く部分がすくないのですが、次から当時思っていたことを書いていきます。

実際のエスキスです。
これぐらいラフです。笑

一般開架スペースは北側に向ければ、良好な景観を取り込んだ快適な読書空間とか要点で書けるな

とにかく、各階のホールは最低でも1グリッド以上を整形に残して見栄えをよくしよう。

管理部門は最低限にする。そのために廊下は直線に

スペースが余ったらとにかく交流スペースにしよう

異種用途区画は忘れがちだから、エスキスの段階で落とし込もう

本棚はここでエスキス段階である程度書いておこう


などを考えていました。
そんなこんなでエスキスも完了し最終チェックへ。

エスキス完了した時点で試験開始から約1時間45分ほどでした。
大体15分ほど最終チェックを行い、試験開始から約2時間が経過した時点で要点記述へ取り掛かります。

要点記述へ

私は要点記述を解答用紙に記載する前に、エスキスに軽くキーワードと構成を書くようにしています。

これは、書きながら構成を考えることが私にはできないのと、書き直しをしている時間がもったいないし消し跡で汚くなるのを防ぐためでもあります。

キーワードと構成はこのぐらいラフです

(1)は一般開架スペースについてか
①蔵書数の確保は書架間の通路を1.4m確保し効率よく並べる事で必要数確保したでいいか
(今思うとこの考え甘いですよね。。普通に書架の寸法が必要だと思いますので、減点されていると思います。)
②は敷地・周辺条件に配慮なので、北側の公園側に向け、良好な読書空間にしたとするか。。

(2)は施設の機能構成、配置・動線計画か
開架スペースはフロアゾーニングとして、各階に交流スペースを設けたでいいか
管理は南東側にまとめ、各開架スペースに近接させることで管理動線を効率よく確保したかな

(3)は空調方式なので、単一。。。
あれ???

単一ダクトで居室高さ3.7mの空調ってできる??

もしかして足りない?これだと減点されるか?やばい自信がない。。

床吹き出しなら安全だよね。。。
やるか床吹き出し。

やったことない、、けど、しょうがない。
やるしかない。

床吹き出しにするなら躯体と床の間に吹き出し空間を作ることになるよね。
200mmで良いかな。。
3階の床スラブを200m下げたら、2・1階はどうすればいいんだ?
4mのままで良いのか?
安全を見て4.5mとしておくか。。

とこんな感じで一瞬パニックになりましたが、エスキスに戻って再度斜線計算をし直して修正

そして(4)の屋上設備
これは書いてみないと分からないな。
とりあえず、はと小屋はEPSの近くとして配線を短くとかメンテナンスがしやすいように外周から2m離して計画とかを書くか

(5)は省エネルギー化と再生可能エネルギーについてだから、いつもの水平ルーバーと鉛直ルーバー、熱源を空気とする空冷ヒートポンプで
(6)は二酸化炭素の排出量削減だから、低炭素コンクリートとリサイクル材の使用
(7)は閉架書庫の構造だから、小梁を密に入れたとかかな。。

と、空調で一瞬パニックになりましたが5分ほどでキーワードと構成をまとめて、要点記述の書き込みを始めます。
大体要点記述は見立て通り1時間ほどで完了し
試験開始から約3時間が経過している状況でした。

と、今回は条件の洗い出し、エスキスから要点記述を終えたところまでお話させていただきました。
要点記述を終えて、試験開始から約3時間なのでかなり順調なペースでした。

次回は作図からその後についてお話していきたいと思います。
もしよろしければ次回もご覧いただけると嬉しいです。

ありがとうございました。



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