利益があるなら法人化する方がいいです。
本格的に暑くなってきました。
皆さん熱中症対策をしっかりしてこれからを乗り切りましょう。
色々会計のこと書いてきましたけど
結局、フリーランスがいいのか、法人化する方がいいのかは
数字だけでない部分もあるので一概に
「法人化の方が得だー。」
「フリーランスのが得だー。」とは言えませんが
税金だけで判断するには利益が330万を超えてきた当たりが判断基準となります。
ではシミュレーションしてみましょう。
設定は「WEB制作を行うAさん」としましょう。
日本にはたくさんの税金があり、複雑です。
実際に事業をしているとかかる税金が複数ありますが、とりあえず所得税だけで考えます。
(※青色申告の届出をし、承認をされている前提とします。
青色申告でない場合もっと高くなります)
↑は所得税の税率表です。
年間売上が800万、年間経費が300万で利益が500万あったとします。
個人事業主の場合、この500万が給料みたいなものでありここから課税されます。
いくら引かれるかは表に当てはまると
売上800万-経費300万-青色申告控除55万=445万 445万×20%=89万-42万7500=46万2500円…①
厳密にはここに所得の約10%の住民税と、業種によっては5%の事業税がかかります。
とりあえず住民税だけ考慮するとして
445万-基礎控除43万(住民税の基礎控除)=40万2千…②
あなたは500万の利益を作っても①と②を合わせて86万4500円の税金が発生し、手元に残るのは413万5500円となり、さらにそこから年金や社会保険と考えたら、とんでもない金額ですね(´;ω;`)
Aさんが株式会社SEISAKUーという会社の代表の場合
↑が法人税(法人税は所得税の会社versionで税率も違います。)
Aさんは一人社長のため資本金100万の小さな会社だとします。
個人と同じように売上が800万で経費が300万、利益が500万とした場合
500万×15%=75万・・・
ちょいまって、「法人のが既に高いじゃないか!😨」
って思いましたよね?確かにそうですw
これだけ見たらそうなりますね。
ですが、社長だって給料をもらわないと生活出来ませんよね?
そこで月30万を役員報酬として計上します。
するとこの役員報酬は経費になります。
なので800万-300万-役員報酬1年分(30万×12=360万)=140万
140万×15%=21万…③
個人の時は46万2500円でしたから25万2500円節税になりました。
あれ?Aさんの所得税は?となりますよね?
もちろんAさんの役員報酬360万に所得税はかかります。
でもこれは個人事業主の事業所得としてではなくAさんの会社である「株式会社SEISAKU」からの給料になります。
つまりAさんは自分で事業を営んでいるが「給与所得者」なのです
年収360万の給与の人の所得税は
↑の表に当てはまると(330万×30%=99万-8万=91万の控除を受けれます
ですので330万-99万=231万)が課税所得になるので一番上の表に戻って当てはまると(231万×10%=23万1千円-9万7500=13万3500円…④
が給与の所得税です。
法人税21万③と給与④の13万3500を足すと34万3500円
個人事業主だと所得税だけで46万2500円でしたから
既に12万近く節税になってますね。
他にも細かな諸税はあるので一概には言えないですが、利益があるほど法人化した方が節税になると断定できます。
また、個人事業主だと社会保険料や生命保険等の各種保険料は経費にできません。
出た利益から控除となります。
が、法人であれば給与所得者なので社会保険料は半額は会社負担として経費に、生命保険等も年間4万まで給与所得控除できます。
また、法人だと事業開始年度に役員報酬を決めます。その後売上が増加しても減少しても1会計期間の間は固定の給料を払いますが
個人事業主の場合は確定申告での金額がそのまま所得となります。
税金を払いたくないからといって、経費を多くしたり売上を減らしたりしていると、「この人はどうやって生活しているのだろう?」
と税務署の人は思うわけです。
税務署は色んなデータからその業種において妥当性のある経費率を持っています。
飲食や卸売なんてのが利益率が低く100万円の売上に対して80万の経費でも当たり前という感じですが
WEBデザイナーの方が売上100万円に対して経費80万だと
そんなにかかる経費ある?と疑問に思われるわけですね。
もちろん実態があれば全く問題はないです。
話は反れましたが絶対に架空計上はいけません。
フリーランスされてる方が起業すべきか迷った時、一つの参考材料にしていただければ光栄です。