短編小説 宇宙人と女子高生の代理戦争
静止した車。色をなくした空。目から光を失った通りすがりの人たち。
「ごめんね、里香。でも本当のことなの。あたしは宇宙人で、あなたたち人間のことはおもちゃだとしか思っていないの」
いま・ここには、私と、目の前のカナの二人だけなんだと直感的に分かった。唐突すぎる告白に悲鳴も出なかった。それまでどんな会話をしていたかさえ忘れた。おかげで、我ながら不自然なくらい自然に言葉を返した。
「そうなんだ。じゃあやっぱり、カナがいつもお弁当箱2つ持って来てたのって、彼氏のじゃなくて」
「いや、