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川越城 本丸御殿、大人気の街でひとり静か

お城歩きをする間に気づいた本丸御殿好き。天守もかっこいいし構造がおもしろくて好きだけど、御殿は生活を想像できるからかも。お城の跡でかつて存在した本丸御殿のフロアプランを見ると不必要なくらいに見入ってしまう。畳の大きな広間や板張りの廊下がずっと続く光景を見たいし、できるなら住みたい。どこのお城にもあったのに、今ではどこもたいてい広場。

現存する本丸御殿は2カ所。高知は天守と共に残るけど遠くて、行くのに気合いがいる。もうひとつはまさかの川越。近くはないけど行ける距離で、しかも今は渋谷から電車一本で行けるようになっていた。それでも行かなかったのは川越は小江戸といって激混みの街になっているから。

細い道に人があふれる一方で、離れた場所にある市役所付近はのんびりとした雰囲気だった。そこに立派な石の地図。目の前の景色を見ながら、お堀がほぼ埋め立てられていることを知る。普通のサイズのお堀とやたらと幅が太いお堀があるのはなぜだろう?用途が違ったのかな。

休憩してるおじいちゃんがいたりするのどかな雰囲気なんだけど、限界まで後ろに下がって撮った。築城は太田道真と道灌。立派な玄関だな。古い木材と唐破風屋根が見事。広さもたっぷりあり、当時はどのように使われていたのか、平民の私には想像することすら難しい。感じたことは「古いけど、今でも普通に住める」。ただし、お手入れは大変そう。

受付でいただいた冊子に、廊下の木材が場所によって違うと書かれていた。人が来る場所はケヤキ、プライベート空間はツガと松。建材屋さんのサイトを調べたら、一般的な建築木材が1m30-50万円なのに対し、ケヤキは190万円。素人目にもケヤキの方が高級そうに見えて、素敵に年月を重ねているように見えた。無駄使いはしない感じがいい。

おもしろいのは廊下も畳も置き方が目線に対して横向きなこと。現代社会は目線に沿っている気がするのは私だけ?

家老の詰所も残っていて、途中で縁側が見えた。完璧な姿をしていて、私も家にほしい。部屋の方に渡ってから縁側を見たら、庭が素敵に目に入った。憧れる。

一番奥の部屋では家老タチがお仕事をしている人形があるのだけど、怖かった。さらに、部屋の隣、家屋の一番奥の位置にはトイレがあった。珍しくないですかね?

大きな杉戸を通って三十六畳の広間へ。ここは城主が来るのを待つ部屋で、対面するのはもっと広くて立派な大書院という建物だったらしい。これでも十分立派なのに。

室内の杉戸も立派。だけど、こういう場所は普通襖なような。

甲良家本江戸城図などによると、一般的に座敷の建具は「襖」であり、廊下に面した部分は「障子」が建てられていたようです。杉戸は廊下の間仕切りとして使われていたと考えられ、現在本丸御殿内にある杉戸も同様に御殿内の廊下に使われていたと推測することができます

窓口でいただける冊子より

建物の近くにあった昭和58年製の案内板よると、天守は元からないらしい。現存する本丸御殿もほんの少し。今の地図と比べると、お城の多くの敷地は野球場や学校、市の施設になっていた。

派手さがないところがいい。もっとたくさんの建物が残っていたら、どんな感じだったのかな。

歴代の藩主。最大17万石。

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