50代からの登録養成課程 今ならわかる「静かな退職」の大義
私は50歳を目前に、キャリア自律をして会社以外でも社会貢献をしていける道筋をつけるべく、資格取得に挑戦をしたいと思い始め、これまでのキャリアを踏まえ、中小企業診断士を目指すことを決意しました。独学で第一次試験に合格した後にリカレント教育の環境で学ぶことを希望し、登録養成課程に現在は通っています。
最近、「静かな退職」という言葉をよく耳にするようになりました。アメリカで2年ぐらい前から話題になった『Quiet Quitting』が発端らしいのですが、モーレツ社員の対義語になるのですかね。仕事第一とかではなく、退職者のようなマインドを持つ会社員のことのようです。
今回は自分自身が年齢的に、この「静かな退職」の予備軍であるとも思えたので「静かな退職」について思うことを書き留めます。
昔からずっと身近にいたであろう「静かな退職」
新しいワードのようですが、考え方自体は昔から大企業などには普通にいた人のマインドかな、、、、というのが第一印象でした。
最低賃金が高い大企業ですと、モーレツ社員のような熱意があるわけでもなく、かといって昇進や昇格、職場環境などから会社への不満を強く持つわけでもなく、最低賃金も高く、世間的なステイタスもよく、また福利厚生や会社の中での様々な研修制度や社員向け勉強会も整っており、それを通じて新しい知識を得ることで「なんとなく成長」をしてこれた人たちで前述のような熱意や不満もない、静かな人たちを言うようです。
私が30年近く前に入社をしたときの配属先ですでにそのような方々もいらっしゃいました。ただ、その時は私の周りに「若手」がいなかったからわかりませんが、最近はこの「静かな退職」のマインドを若手社員が持っているそうです。
転職市場が活況となるのと同じくして、会社への帰属意識が低くなっていることで、職業選択が自由・容易になっており、転職してキャリアアップや年収アップが普通に実現できることから、会社にしがみつくスタンスの人が減ったのではと思います。
個人的には自分でストレスを排除するための1つのスタンスであり、何か悪いことをしているのではないので、1つの個性としてそれでいいのかなと思います。ライフスタイルや仕事観の変化によって若手の会社への帰属意識の低下の象徴的なワードとなっていますが、なにも若手だけではなく、昔から日本の大企業でお勤めの中高年の多くがこのマインドを持っていたと思います。
日本の中高年の世代は「超氷河期」「非正規雇用」「バブル後の失われた30年」などの時代背景が大きいです。何とかして就職した企業に最初は愛社精神を持って、モーレツに働く文化でした。しかし、働いても働いても業績は上がらず、給与も上がらず、年功序列から成果主義に給与体系が変わりました。その成果主義が公正であれば良いのですが、人が定性的に評価するので完全公正はあり得ないです。評価する人も未熟な中、社員全員の納得は得れないし、評価された本人の納得感も無いし、説明も不明瞭な中で、面接やプロセスで評価をした感じにして決められたと感じることが何年も続いた際には、やはり会社への忠誠心やチャレンジ精神が失われ「静かな退職」が増えたのだろうと感じました。
私自身は「静かな退職者」はどの会社にも存在して然るべきだと思います。特に50代以上はライフステージもこれまでの社会変容も含めそうなるのが当然な環境であったと思います。
でも、そんな時代だからこそ、いくつになっても自己啓発につとめて、将来の自分の成長を目指して仕事に勉学に邁進したいと思いました。
なお、「静かな退職」についての解説やQ&Aはクアルトリクス社の以下のWebサイトがとてもわかりやすかったです。
最後までご覧くださりありがとうございました。