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証券会社のNYの拠点ってどんなところ?NY拠点で働くのはどんな人?気になる働き方にも注目!

こんにちは。
SMBC日興証券note編集部です。

日本全国に支店がある当社ですが、海外にも拠点があることはご存知でしょうか?

実は、同じ企業グループで働く私たち編集部社員も、あまり詳しく知らない海外拠点での働き方。

今回の企画は、現地の社員に「リモートで直接聞いてみよう!」という
海外拠点インタビューシリーズです。

第1弾は、世界経済の中心地「ニューヨーク編」をお送りします!

今回インタビューしたSMBC日興セキュリティーズ・アメリカ会社の2人
SMBC日興セキュリティーズ・アメリカ会社の外観

企業の資金調達に欠かせないプロフェッショナル

―お二人とも、お仕事終わりにご協力ありがとうございます!
それでは、まず尾台さんから。現在、どのような業務をされているんですか?

尾台: ECM(エクイティ・キャピタル・マーケット)という部署で、IPO(新規公開株式)及びPO(公募、売出し)の価格決定や投資家マーケティング業務を担当しています。
証券会社にしかない業務なので、なかなか説明が難しいです(笑)。

【ちょっと用語解説】
IPO(新規公開株式)…「Initial Public Offering」の略で、一般的に株式等を新規公開すること。
PO(公募、売出し) …「Public Offering」の略で、一般的に株式等の公募や売出しのこと。「売出し」とは、多数の投資家に対し、主に株式等を公開する企業の大株主等が保有する、すでに発行された株式等を放出すること。

※詳細は用語をクリック

イメージしやすくするために比較的、馴染みのあるIPO(新規公開株式)業務に絞って話をしたいと思います。
ニューヨークでの具体的な業務は、新規公開株を北米のプロ投資家向けに販売する人へのサポートや、新規上場する企業と投資家のミーティングの設定、適正な価格を見出すための投資家とのディスカッション(いくらだったら投資家が買うかという価格を見つけてくること)などです。

例えば、ある投資家は100円だったら買うけど150円だったら買わない、といった情報をもとに、その根拠は何なのか、なぜそのような判断になるのか等を議論し、その内容を当社の東京拠点に提供しています。

―株式を新規公開する企業と投資家の間に立って、上場のサポートをしているんですね。

尾台: 当社には、ここニューヨークのほか、ロンドン、東京など複数の拠点があるので、それぞれの拠点にいる担当者間でミーティングをして、案件の執行に必要な情報や改善点等を共有・議論し合って進めています。

グローバルな連携が大切!

―ニューヨークでは、どのような働き方をしているのかも気になります。
1日の大まかなスケジュールを教えていただけますか?

尾台:通勤は、電車で約30分です。移動時間にはブルームバーグなどでマーケット情報を収集したり、社内メールをチェックし、毎朝8時頃までに出社します。午前中は、東京チームとオンラインミーティングをすることが多いですね。ニューヨークからは、私を含めて2名で参加しています。

ミーティングでは、北米の投資家がいくらだったら買うと言っているのに対して、企業側はいくらで売りたいと言っているのか、投資家側はどのような懸念をもっているのかなど、案件を執行するために必要な議論を行っています。

―なるほど。そこで得た情報は、ニューヨーク拠点の中でも共有されるんですか?

尾台:はい。午前のミーティングで得た情報を集約して、他の現地メンバーや販売チームにも共有しています。

―さらに、投資家の方々と直接のやりとりもされるんですよね。

尾台:そうですね。特に最近(取材当時)は日本株が上昇しているので、昨年までまったく日本株に投資していなかった投資家からも、日本株について教えてほしいというリクエストが増えていますね。

プロ投資家とIPO企業のミーティングをアレンジし、企業が投資家に対して直接プレゼンテーションをする機会を作ることもあります。投資家と企業価値や成長性等を議論して、「適正水準」を検討します。

投資家から吸い上げた情報は東京チームに共有し、東京チーム側でIPO企業へのプレゼンなどに活用されています。

―時差もある中で、他拠点と常に連携されているのがすごい…!
尾台さん個人で完結する業務もあるんですか?

尾台:ミーティングやプレゼン、問い合わせ対応がない時間帯は、主に情報収集に充てていますね。プロの投資家に対してIPO企業についてしっかり説明できるように、会社のプレゼンテーション資料を読み込んだり、価格のロジックを頭の中に落とし込んだりしています。

「マーケットメイク」業務とは?

―続いては、柿島さん。どのような業務をされているんですか?

柿島: 米ドル建て社債のマーケットメイク業務をしています。

―「マーケットメイク」について詳しく教えてください。

柿島:上場株式は証券取引所で売買されていますが、債券は基本的に顧客と証券会社間で相対取引を通じて売買されます。
例えば、生命保険会社や銀行がある社債を50億円売りたいとなったときに、実際に売買するトレーダーが「この値段で当社が買い取ります」という値段を出しているのですが、その値段を提示する業務をマーケットメイクと言います。

買い手には「この値段で売ります」、売り手には「この値段で買います」と提示することで、お客さまがいつでも社債を売買できるように流動性を供給しているイメージです。

NYのマーケットと連動したワークスタイル

―柿島さんの1日のスケジュールについても教えてください!

柿島:通勤は、バスか徒歩で約30分。毎朝7時頃に出社します。
ニューヨーク市場のオープン時間に備えて、アジア時間を担当する東京チームのメンバーとミーティングをし、投資家の動向や注目銘柄などの情報を引き継ぐことから1日がスタートします。
その後は、トレーダーやセールスメンバーと打ち合わせをし、東京チームとのミーティングで集めた情報をニューヨークのメンバーに共有しています。

―マーケットの時間を基準にすると、必然的に業務の開始時間も早くなるんですね。

柿島:そうですね。ただ、業務が早朝からスタートすることもあり、夕方5時くらいにはオフィスに誰もいないことも多いです(笑)。
もちろん繁忙期は別ですけどね。

日中はお客さまからの問い合わせやオーダーの対応が多いですね。
マーケットが終了する夕方5時までは各所から休みなく連絡が来るので、基本的には1日中デスクに張り付いています。

複数のモニターでマーケット情報を随時チェックしながら業務を進める

―個別対応となると、なかなかタイミングが読めないですよね。
ちなみにお昼はどうしているんですか?

柿島:ランチはデスクで食べることがほとんどです。株式や債券を売買するトレーダーや、投資家向けに販売するセールスという職種は、日中にお店でゆっくり過ごすということはまず無いですね(笑)。

この日はチームメンバーとランチでピザを注文

「NYで働いてみたい!」が実現した道のり

―海外拠点の働き方は、社内でも知る機会が少ないので新鮮でした!
お二人はどのようにしてニューヨークに赴任することになったんですか?

尾台:新卒で入社してから2年半、支店で営業を担当していました。その後、社内公募をきっかけに東京本社のECMに異動したんです。
就活で証券会社を志していた頃、いつか新聞の一面に載るような仕事に携わってみたいと思っていたこともあって。ECMなら専門性もより高められると考えたことが大きな理由です。

そうして東京でECMの経験を積む中で、当時の上司に指名していただいたこともあって、ロンドンに異動できるチャンスが巡ってきました。これが最初の海外赴任で、1年間の勤務を経て東京に戻りました。

その後、世界の投資銀行の中心であるニューヨークで自分のスキルを活かしてみたい、という希望を会社や上司に相談した結果、タイミングが合って2度目のチャンスをいただきました。

―入社当時から、現在の業務への関心や海外志向が強かったんですね!
柿島さんはどうでしたか?

柿島:私も学生時代からトレーダーという職種に関心がありました。
大変そうだけど、自分の裁量が大きくて刺激的だなって。インターンで実際のトレーディングフロアを見て、職場の雰囲気や働き方に触れられたことも決め手の一つでした。良い意味で忙しいところが性分に合っていたんですね。新卒で入社して以来、ずっとトレーディング業務に携わっています。

海外勤務に向けては、会社に希望を伝えていました。入社してから同じ部署で5年間経験を積んできたので、ニューヨークという大都市で、これまでのスキルを活かしながら働いてみたいという想いが強くなっていました。

尾台さんと同じく、こうしてチャンスをいただけたことが嬉しくて、本当にありがたいなと思います。

―日々の業務に取り組むことはもちろん、自分のキャリアについて考えること、日頃から周りに伝えておくことが大切なんですね。

尾台:そうですね。ロンドンに赴任した時も、特に英語が得意なわけでもなかったので、もちろん多少の不安はありました。それでも挑戦してみたいという思いがあったので、意志表示することはやはり大切ですね。

柿島:適性もスキルも大事ですが、ニューヨークに勤務できる社員が必要とされていたタイミングを逃さなかったことも大きかったなと感じていて。
だからこそ、尾台さんもおっしゃる通り、周囲にしっかり意志を伝え続けることは大切だと思います。

後編では、充実した時間の使い方や海外拠点ならではの苦労話も交えながら、さらに深くプライベートにも迫ります!
さらに、海外勤務志望の方にも役立つヒントなど、盛りだくさんの内容になっています。お楽しみに!


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