産学連携をはじめよう!SMBC DESIGN チームが、学生と一緒にコ・デザインを学ぶ
今年度の前半にSMBC DESIGN チームは、専修大学ネットワーク情報学科の上平崇仁先生が演習チーフを務める「基礎演習D」に、ゲストとして3回にわたり参加しました。
同学科2年生のうち、ITビジネス、フィジカルコンピューティング、メディアコミュニケーション、コンテンツデザインの各プログラムから約160名が6クラスに分かれて受講。ものごとの観察、多様な視点、試行錯誤といったデザインの思考力を養い、後半にはそれらを応用した課題を通して、社会の中で活かしていく実践的な方法論を学びます。
わたしたちは、後半の応用課題「お金は天下のまわりもの」で、パネルディスカッションや中間講評、最終発表に加わりました。各クラスの先生方や学生のみなさんとの対話の機会を得られたことで、課題が問いかける「お金や価値の循環」の新たな可能性や、産学連携を用いた生活者起点による共創のヒント、さまざまな気づきに出会えました。
なぜSMBC DESIGN チームが、産学連携に取り組むのか
世界が直面する社会課題は拡大・深刻化しています。わたしたちは、SMBCのサービスも、経済的価値に加え、社会的価値を創造することで、お客さまの信頼を獲得し、自らの成長に繋がると考えています。
SMBCの源流のひとつに、江戸の時代から町民の潜在的ニーズを先取りし、新たな商法を編み出すことによる豊かな生活創造があります。
さらに、源流のもう一つに「自利利他公私一如」があります。私たちだけではなく国や社会、公益との調和を求めるという考えです。
「貧困・格差」や「少子高齢化」など社会全体で考えていかなければ解決の糸口が見いだせない社会課題。産学連携に取り組むことで、生活者起点での新たな発想を誘発する機会発見を重ね、外部の専門家や学生の方々と共創し、その結果を社会に還元したい。
みんなで取り組み続けることで、
以下の2つを目指します。
SMBCの新しいビジネスの種を創る
デザイナーはもちろん、行員一人ひとりが、大学教員や学生とともに生活者起点や学際的な環境を通して、社会課題に取り組み、スキルアップを図り、新たなビジネスの種を共創する。
金融経済教育のあるべき姿を描き、リードする
若年層の資産形成意識の在り方を当事者である学生とともに創造し、新たな金融経済教育をリードする。
まずは大学の授業を体験してみよう!
以前、筆者である満島が、非常勤講師としてお世話になった上平先生に、SMBC DESIGN チームとしてコ・デザインの授業にトライアル的に参加することで、今後の産学連携の取り組みを検討したい旨を相談しました。先生は、情報デザインやコ・デザインなどの分野で著名な方ですが、そのような実験的な取り組みを快く引き受けていただきました。
まずは、応用課題がスタートする第6回の授業に金澤、金子、満島の3名のSMBC側デザイナーと専修大学の先生方とのミニ座談会をオンラインで開催。上平先生が事前に作成した学生の「お金に関する意識調査」をもとに親睦を図ることに。上平先生の設問は、日頃から学生と接している立場というだけあり、「今までにゲームや推しに課金した合計額は合わせていくらぐらい?」をはじめ、想いもよらない内容も多く、新たな気づきを得られました。
つぎに、各グループの企画をクラス内で発表する「中間講評」にSMBCからは10名で参加することに。各クラスの先生やティーチング・アシスタント、スチューデント・アシスタントさんと共に銀行のデザイナー視点で講評を行い、学生と対話の機会を持ちました。
最後の「最終発表」では、大学内の大広間「蒼翼の間」で学生たちがプレゼンの場を設営。全グループが一堂に会し、イベント会場のような盛り上がりです。先生方や学生に交じって、私たち5名も各展示を回り、発表に耳を傾けました。
これまでの授業の総仕上げとなる密度の濃い内容の数々に、真剣に立ち会います。学生の視点による「お金や価値の循環」の新たな可能性。社会人の私たちでは発想しえない尖ったサービスや、学生自身の細やかなニーズをうまく取り入れたアプリに、出会うことが出来ました。
SMBC DESIGNとして、これからどう進めるのか
現時点では以下を検討しています。
参加して深める
今年度は、大学や企業の先進例のリサーチを中心に行い、探索テーマを検討、連携予算についても準備を進める。さまざまな研究会や大会にも参加し、人との出会いを大切にします。
小さくはじめる
次年度では、決定した探索テーマをもとに、年間を通した施策を開始。試したい施策をいくつか小さくはじめ、検討を重ねる。想いをひろげるテーマかどうかの省察を行います。
想いをひろげる
拡大テーマを決定し、数年間を通した施策を開始する。必要に応じて、見直しをはかり、サイクルを回します。
生活者とともに安心とワクワクのある銀行をつくりたい
世の中の変化は加速し、銀行のサービスもどんどん進化を続けていきますが、生活者の視点を活かし、さまざまな社会課題にも寄り添った、みんなが安心して利用できるワクワクのある銀行を目指していけたらと思います。
最後に、上平先生をはじめ、「基礎演習D」でお世話になった先生や学生のみなさん、短い時間ですが、参加をさせていただき、本当に有難うございました!
※ 本記事、及び写真掲載は、専修大学ネットワーク情報学部ネットワーク情報学科 上平崇仁教授のご協力、許諾をいただきました。