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【ITプロジェクトマネージャー#6】現場への導入

今回は、システムの現場への導入についてです。

システム開発を何とか完了!
プロジェクトチームは、達成感に溢れ、人も徐々に減っていきます。

しかし、最後がタイヘンなんです。
現場でシステムが効果的に機能しなければプロジェクトの成功とは言えません。
ここでは、現場への導入が難しい理由を三つの視点から解説します。

1. 現場の抵抗感

最も一般的な障壁は、現場の従業員が新システムに対して抱く抵抗感です。
新システムは、現場の仕事の仕方を大きく変える可能性があります。
長年の慣習や作業手順を変えることに対する抵抗が強くなります。

私も現場へのシステム説明会が地獄絵図になったことが何度もあります。

特に、システムが複雑であったり、理解しづらいものであったりすると、
従業員は新しい技術を学ぶことに不安を感じ、抵抗することが多いです。

組織内で「現場主義」が強いと、外部からの新しいアイデアやシステムが受け入れられにくくなり、システムの導入が形式的なものに終わってしまうことがあります。

この問題を解決するためには、
導入前から従業員と積極的にコミュニケーションをとり、
システムの利点や目的を理解してもらうことが重要です。

必ずプロジェクト計画に盛り込み、進めるようにして下さい。
システム構築が完了してからでは遅すぎます。
地獄の説明会にならないように開始時点で戦略を練り対応してください。

現場への抵抗感が減るのであれば、
使えるリソースは何でも使うようにして下さい。
(現場の上司、声が大きい方、尊敬されている方 等々)
政治的な視点で動くことも必要です。

2. 業務プロセスとの適合性

現場導入で業務プロセスに適合しないシステムは、
導入後に大きな問題を引き起こします。

システムは現場の標準的なプロセスを前提に設計されていますが、
実際の現場はそれぞれ異なる独自のプロセスを持っています。
このギャップが大きければ大きいほど、システムの定着は困難になります。

例えば、システムが現場の業務フローに対して過剰な変更を要求する場合、従業員はシステムを使いこなせず、最終的には現場のワークフローを壊してしまうことがあります。
その結果、業務の効率が低下し、システムそのものが疎まれることも少なくありません。

この問題を防ぐためには、
システム設計の初期段階から現場のプロセスを正確に把握し、
システムがどの程度柔軟に対応できるかを検討する必要があります。

業務を把握している「人」に適切にアプローチすることが大切です。
困ったことに業務を把握して無いにも関わらず、語ってくる方がいます。
惑わされないよう要注意です。

さらに、導入前のテストやパイロットプロジェクトを通じて、業務フローとの適合性を確認することが重要です。

3. サポート体制とトレーニング不足

システムの導入が現場でうまくいかないもう一つの大きな理由は、
十分なサポート体制やトレーニングの欠如です。

システムの導入が完了した時点でプロジェクトが終わりではなく、
現場の従業員が日常的にシステムを使いこなせるようになるまでサポートが必要です。
しかし、多くのプロジェクトでは、このフェーズが軽視されることがあります。

導入直後に不具合が発生した場合、
迅速に対応できるサポート体制がなければ、現場の信頼を失い、
システムが使われなくなる可能性があります。
また、従業員がシステムの操作に不慣れなままであると、
効率が下がるだけでなく、システムの誤用やデータの不整合が発生するリスクも高まります。
そのため、トレーニングはシステム導入の一環として計画的に実施されるべきです。
適切なトレーニングと継続的なサポートが提供されることで、従業員が新しいシステムに対して自信を持ち、積極的に活用する環境が整います。


これらの課題を克服するためには、
単にシステムを導入するだけでなく、導入前から現場の意見を取り入れ、
適切なトレーニングやサポートを提供することが求められます。
現場と開発チームが協力して、システムの適合性と利便性を最大化する取り組みが重要です。


最後までありがとうございました。
笑顔の日がたくさん訪れるよう、共に頑張りましょう。