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【ITプロジェクトマネージャー♯10】ユーザ会社とシステム会社のPMの違い

今回は、ユーザ会社(発注側)とシステム会社(受注側)のプロジェクトマネージャー(PM)の違いについて話をします。
我々は、どちらの立場でも依頼をいただきます。
直近は、ユーザの立場が多いですね。

それぞれの立場によって役割や視点があり、
互いの立場を理解しながらプロジェクトを推進することが重要です。
以下の3つのポイントでそれぞれの特徴を解説します。

1. 視点と優先事項の違い

①ユーザ会社のPM
 自社の業務効率化やビジネス成果に直接貢献することを最優先としています。
 プロジェクトがどれだけ自社の業務プロセスに適合し、
 実際に利益や効率向上につながるかに関心を持っています。
 そのため業務フローとの整合性や実用性を重視します。

②システム会社のPM
 システムの開発スケジュールや品質、技術的な要件に責任を持ちます。
 納期や品質を守りながら、
 ユーザの要望を実現可能な技術仕様に落とし込むことが求められます。
 システム全体のパフォーマンスや拡張性を考慮する視点が強くなります。

2. コミュニケーションの内容と対象の違い

①ユーザ会社のPM
 自社内の業務担当者や経営層と密接に連携し、
 システムの導入が業務にどのように貢献するかを説明します。
 また、システム会社のPMと調整を行いながら、
 現場のニーズや要望を伝え、両者の間で合意を形成する役割を果たします。

②システム会社のPM
 エンジニアや開発チームとの連携が中心で、
 具体的なシステム要件や技術的な課題の解決に重点を置きます。
 また、ユーザ会社のPMからの要求を受け、
 技術的な実現可能性や制約を説明し、
 共通認識を持たせることも重要な役割です。

3. リスク管理と課題対応の違い

①ユーザ会社のPM
 プロジェクトが業務に与える影響を重視し、
 導入後の現場混乱や業務変更のリスクを最小限に抑えることに注力します。
 そのため、ユーザー教育や、変更管理を通じて現場の受け入れを
 促進し、スムーズな運用移行を目指します。

②システム会社のPM
 技術的リスクやシステム障害の防止に主眼を置きます。
 システムの安定稼働や品質確保、技術的な問題解決に対応しながら、
 開発・運用フェーズでのトラブルを未然に防ぐ体制づくりが重要です。

ユーザ会社とシステム会社のPMは、相反する目的を持っています。
時には、協力し、
時には、相手の弱い部分を突きながら、
互いの目的を最大化するために協力する必要があります。
どちらかに寄ってしまうと長く良い関係は築けません。

そんな交渉が行えるマネージャーを目指しましょう。

最後までありがとうございました。
笑顔の日がたくさん訪れるよう、共に頑張りましょう。