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はたらく人の能力開発

これから先、日本ではずっと労働力不足は不足すると予測されています。

少子高齢化社会の進行と人口減少によって、いわゆる15−64歳の生産年齢人口が減少しています。生産年齢人口とはいっても15-20歳ぐらいの若い人たちの多くは学生で仕事はしていません。また、専業主婦や定年退職して働いていな人もカウントされていますので、就業の意思のある人たちを示す労働力人口で表すのが適当でしょう。しかし、日本での労働力人口は生産年齢人口の8割に達していて労働力余力も高くはありません。

そこで、現在、人がやっている仕事をAIやロボットに置き換えようと、いろいろな技術開発が行われています。人件費よりもコストが下がれば、最新技術に仕事を奪われるのではないかと戦々恐々としている人たちも多いかもしれません。

しかし、”人の手”による仕事だからこそ価値が高まる仕事もあります。これからはそのような仕事を身につけるのが良いでしょう。技術に関する知識だけでなく経験によってスキルが高まるような仕事です。人ならではの個性的で創造的な仕事であればAIとの共存は可能かもしれません。

さて、労働力余力は生産年齢人口にカウントされない65歳以上の高齢者にあります。最近の報道では高齢者の多くは「働けるうちは働きたい」という就労意欲を示しています。最近では定年延長などの就労機会も増えています。

しかし、加齢とともに肉体的、認知的な衰えを感じ、誰でも健康不安を感じるものです。体力が低下するだけでなく、集中力やモチベーションなどメンタル面での衰えもあるでしょう。心身の衰えは自分では気付きにくく、自発的に改善するのもたいへんです。

最新の技術で生産性を向上しようとする場合、人に変わるロボットや人が介していた仕事をシステム化して自動化するところに目がいきがちですが、現場に”人の手”を残しつつ、生産性を向上させることはできないでしょうか?

つまり、働く人の衰えた身体や心の機能を最新の技術で補完して、なおかつ機能が低下しないようにトレーニングすれば、持続可能な就労への道が開けるのではないでしょうか?

わたしたちが開発した「スマートスーツ」も、作業による身体への負担を軽減しつつ、働くことによる適度な身体への負荷が体力の維持・増進につながると考えています。これが軽労化の考え方です。

軽労化の考え方をさらに前に進めると、人の視覚や聴覚では得ることができない情報をセンサが収集して作業者に示して判断を促したり、状況に応じて判断できる選択肢を示すなどが認知性の改善です。

また身体機能の拡張とは、スマートスーツのように身体にかかる負担と疲労を軽減するだけでなく、アームロボットなどと協調して作業することで、生産性を高めるといったことになります。

いずれにしても、人の身体がもっとも重要な資本としてとらえますから、体力づくりなどを欠くことができないのは大前提になります。






経験や知識を有する高齢者を活用し、高齢者でもできる仕事を作ること。あるいは高齢者の能力開発をして、できる仕事を増やすことが重要です。