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スマートラウンドの”信頼性”を維持し、高め続けていく― 執行役員 VP of Reliability 就任インタビュー

こんにちは!
スマートラウンドでエンジニアをしている福本です。

皆さまにスマートラウンドのことを知ってもらうため、これまで何度か実施している社員インタビューですが、今回は特別編です!2024年7月に執行役員VP of Reliability(以下 VPoR)に就任したエンジニアの山原 崇史さんに、役員就任のインタビューをしました。

スマートラウンドに1人目SREとして入社され、社外でのAWS関連の活動もたくさんされている山原さん。スマートラウンドでのこれまでの歩みや、VPoRとしての役割で成し遂げたいことなどを聞いてみました!最後まで読んで頂けるとありがたいです。

ちなみに、山原さんが入社した時に書かれたインタビューの記事も以下にありますので、興味のある方はそちらと合わせてご覧ください👇


話す人

山原 崇史(執行役員 VP of Reliability)
金融系SIerのSEやPjM、銀行でのPMOやIT企画を経て、ベンチャー企業数社でバックエンドエンジニアやSREに従事。2022年にスマートラウンドに1人目SREとして入社した後は、AWSマルチアカウント戦略やIaC化の推進等を通じてsmartroundの信頼性やセキュリティを向上させ、同年にAWS認定ソフトウェアを取得。2024年7月より、同社の執行役員VP of Reliabilityに就任。Japan AWS Top Engineersに2023年と2024年に選出されるなど、社外でのコミュニティ活動も多数行っている。

聞く人

福本 晃之(プロダクトエンジニア)
2023年5月よりスマートラウンド入社。プロダクトエンジニアとして、主にsmartroundのWeb/モバイルアプリの機能開発に従事。書くのと喋るのが好きなので、スマートラウンドの良さを社外にもっと伝えたいと思っている。


1人目SREとして歩んできたスマートラウンド

福本: 本日はよろしくお願いします!前々から社内で匂わせてたんですが、VPoR就任インタビューをいよいよやりたいなと...。

山原さん: 恐縮です...(笑)

福本: 自分のエンジニア個人の考えとしても、スタートアップで技術者の役員がいて経営にしっかり携わっていることは、すごい重要なことだと思うので。

匂わせSlack投稿

山原さん: ありがとうございます。

福本: では、今更ちょっと恥ずかしい気もするのですが、最初に自己紹介をお願いしてもいいでしょうか?「これまで何をやってきたか」を、まず読者の方にお伝えしたいなと。

山原さん: スマートラウンド以前の話をすると、キャリアとして1番長いのは金融系のSIerなんですが、ここ5年ぐらいはベンチャーとかスタートアップと言われるような企業で働いてます。そのほとんどの会社でSREとして仕事をしていました。

福本: 直近はSREのキャリアが長かったんですね。その後、スマートラウンドに入社されるんですよね?

山原さん: そうですね。スマートラウンドはいわゆる1人目SREとして入社しました。自分としても1人目SREをやってみたかったのと、スマートラウンドもそういった役割のメンバーを探していたので、お互いのニーズが一致して入社した感じですね。

福本: ありがとうございます!山原さんがスマートラウンドに入社されたときの転職エントリに詳しく書かれてる話ですよね。

山原さん: スマートラウンドに入社した後の話をすると、SREとして色々なことの整備をしていきました。プロダクトの信頼性を高めたり、開発のスピードを高めることが主な仕事でした。一方で、「コーポレートIT」や「情報システム(以下 情シス)」と言われる役割の人がスマートラウンドにはまだ居なくて。

福本: 確かに、当時は居なかったですよね。

山原さん: CTOの小山さんが片手間でやっていたんですよね。で、小山さんと相談した結果 「CTOがよりCTO業に専念できるように」という背景もあり、 自分がコーポレートITの仕事も兼ねる形となりました。それが直近の1年半の役割ですね。

福本: なるほど。少し深掘りしたいと思ったんですけど、山原さんのコーポレートITとしてのお仕事は、スマートラウンドでの取り組みがキャリアではじめて...ということですよね。

山原さん: そうですね。

福本: SREとコーポレートITは地続きな点もあるとは思いつつ、山原さん的にも「やっていきたい」という気持ちがあったんでしょうか?

山原さん: 特にアーリーステージのスタートアップって、人が基本いないじゃないですか。「なんでもやらなきゃいけない」というマインドが求められると思っていまして。

福本: 初期フェーズは特にそうですよね。

山原さん: 自分はそれを理解していたので、「SREしかやりません」ではなく、 自分のこれまでの経験をうまく生かして貢献できることなら、「求められることをきちんとやって貢献したい」という気持ちでした。

福本: 自分の庭にこだわらない感じ、いいですね。

山原さん: なので、SREとコーポレートITの職種的な親和性については、自分に関してはあまり関係がなくて。一方で、プロダクトのセキュリティを高める部分と、プロダクト以外のITや業務のセキュリティを高めていく部分には、 共通の観点があると思っていて、それらを同じ人間がやるのは、結果として良い意思決定だったんじゃないかなと思ってます。

山原さんがコーポレートITとして導入したサービス
「Admina」の事例インタビュー

「VP of Reliability」とは?

SREをより「拡張した」ような役割や考え方で

福本: ありがとうございます!これまでのキャリアと、それについての山原さんの考えを聞けて楽しかったです。これからの話に入っていきたいんですけど、まず職種の深掘りをしたいと思ってます。「”VP of Reliability”って...何ですか?」というのを、単刀直入に聞きたいです!

山原さん: 気になりますよね(笑)。VP of ReliabilityのReliabilityは、SRE(Site Reliability Engineering)の Rから来てます。自分は今もSREのつもりなんですが、SREをより拡張したような役割や考え方でやっていきたいという気持ちがあって。

福本: あー、なるほど。SREが経営に加わってるという点は、まさに拡張されてますよね。

山原さん: それでVP of Reliabilityを名乗らせて頂いた感じです。

福本: なんとなくイメージできました。ちなみに少し雑談なんですが、この ”VP of Reliability”という役職名は誰が考えたんでしょうか?

山原さん: CTOの小山さんと1on1したときに出てきたんですよ。どちらが言い出したのか、覚えてないんですけど(笑)。ただ、お互いに「違和感ないよね」という納得感があったので、VPoRを拝命することになりました。

福本: 僕も第三者として”VP of Reliability”と最初に聞いた時、素直に「すごくいいな」って思いました。

社外でもいろんな人にVPoRを説明していたみたいです

山原さん: 直感的に役割が理解できるのは大事ですよね。

福本: 山原さん就任の話を聞いてから、自分もVPoRについて少し調べてみたんですけど。いわゆるIT企業で採用されてる例ってあまり見ないですね。

山原さん: 僕も詳しく調査はしてませんが、例えば海外の半導体メーカーだとVPoRを名乗る人がいるみたいで。製品の”品質”という意味合いで、信頼性に責任を持つ役割のようですね。役職を決めるにあたって、世の中の例とかは気にしてなかったんですけど。

福本: VPoRではなく、CIO(Chief Information Officer: 最高情報責任者)という名前も候補に挙がったと聞きました。こちらの方が一般的な役職名ではありますよね。

山原さん: コーポレートITや情シスとしてのキャリアパスにCIOはあると思うのですが、先ほど話したとおり自分はその領域の経験がまだ深くないので。その中で自分がCIOを名乗るのは「少し違うな」と感じました。

肌で感じてきたスマートラウンドの進化

福本: ありがとうございます!役職名について色々お伺いしたところで、「VPoRになって、実際にどういうことをするのか」に話を移していきたいと思います。
今の課題や今後の取り組みに焦点を当てたいんですけど、その前に、山原さんが入社してこの2年間で「スマートラウンドのここが変わった」と感じている点はありますか?

山原さん: やっぱり人は増えましたよね。昔はワンチームだったものが、徐々に分かれていったりしてますし。

2024年4月時点での開発組織(採用スライドより)

福本: プロダクトエンジニアのチームは、今15人くらいの規模ですね。

山原さん: 開発の規模や速度は大きく・速くなったなと思ってるんですけど、SREがやるべきこともじわじわ増えてきてます。SREのチームは僕を含めて今2人ですけど、 昔1人でやってた時と比べたら、ある程度チーム化されて組織として発展したなと感じています。

福本: メンバーが増えていく中で、コーポレートITは人数の増加の影響が特にダイレクトに来るお仕事だと思うんですけど、課題に感じている部分って何かありますか?

山原さん: 人が増えれば採用のスピードも当然増していくんですけど、コーポレートITって、アカウントの発行や権限の付与といった対応がどうしても必要になるんですよ。

福本: スマートラウンドはトライアル入社もやっているので、選考の段階でもアカウントを発行したりする機会が多いですよね。

山原さん: そういった背景もあって、コーポレートITの作業に取られる時間が増えたり、それによって僕がSREに割ける時間が減ってしまう部分に課題は感じています。

福本: 確かに、山原さんがAWSガリガリ触ってるのを見る機会は減っている気がしますね。

山原さんがAWSガリガリ触っていたときの記事

山原さん: 直近ではコーポレートITの方の採用にも動きました。ありがたいことに入社頂ける運びになったので、そちらはある程度解決できそうかなと思っています。

VPoRが臨むスマートラウンドのこれから

「経営の目線をもっと持たないといけない」

福本: ありがとうございます!過去と現在の話が終わったところで、これからの話をしていこうと思います。山原さんがVPoRとして「こういうことをやっていきたい」という意思表明のようなものを聞きたいんですけど、何か考えていることはありますか?

山原さん: 挙げだすと本当にキリがないんですけど(笑)。今回VPoRの職責として、SREとコーポレートITの機能を持ったインフラ部の部長だけでなく、同時にコーポレート部の部長も兼任させてもらうことになりまして。

福本: あ、確かにそうでしたね。

山原さん: ある種ITとは関係のない部門も管掌することになったんですよね。なので、自分がやるべきことに集中した上で、経営の目線をもっと持たないといけないと感じています。

福本: 責任を負う部門は増えてますもんね。

コーポレート部門への理解度を上げる努力を惜しまない姿

山原さん: そのためにも、SREの領域は今のチームのメンバーにできるだけ任せていこうと考えています。僕が直接関与しなくても、プロダクトの信頼性がどんどん高められるようにしなくちゃいけないので。そのための中長期的なロードマップを今まさに組んでいるところです。コーポレートITも同じくですね。

福本: ありがとうございます。SRE/コーポレートIT以外の管掌部門に関する考えも気になるので聞いてみたいと思いました。コーポレート部門なので、バックオフィスやHR、法務とかが含まれると思うんですけど。

山原さん: そうですね。

福本: 今まではサニーさん(※CEOの砂川) が管轄していたものを、山原さんが見ていくことになる感じですよね?

山原さん: そうです。ただ、今のコーポレート部のメンバーとはこれまでも密接に関わっていた部分があるので、全部がイチから始まるわけではないんですよね。例えば、セキュリティやプライバシーポリシーの策定などで法務の方と連携してきたので。

福本: あ、確かに。

山原さん: そういった過去のお仕事を通じて、お互いに信頼関係をちゃんと構築できてきたと思うんです。なので、サニーさんがもっと経営に専念できるように、コーポレート部をマネジメントする人が必要となったときに、これまで関わりの深かった自分が担当するのが良い...という話になり、自分に任せていただいたという背景があります。

福本: めちゃくちゃいい話ですね!一見すると、「SREだった人が、なぜコーポレート部も見ているんだろう」と感じる方も居ると思うので。

山原さん: そうですよね。ここは色んな背景があって、今の形が良いとなったので。

高い信頼性のある組織を作る

福本: 関連するところで自分の気持ちも話してみたいんですけど、僕がスマートラウンドに入社してすごい思うのは、 いわゆる権限委譲がめちゃくちゃ進んでるなと。

山原さん: わかります。

福本: 例えば、自分も普段開発をしていてサニーさんと絡まないんですよね、良い意味で。開発に関することは小山さんに全部任されていて、その小山さんも開発のいろんなことをテックリードやチームリーダーに任せてるじゃないですか。

山原さん: 細かい開発のフローとかは完全に任せてますよね。

福本: そんな感じで権限の委譲がすごい進んでるなって思ったときに、そのベースにやっぱり”信頼関係”があるというか。それに通じる話を今山原さんがしてくれたと思いました。ちゃんと背中を預けられるから、任せられるという。

山原さん: ですね。スマートラウンドって、みんな部署を跨いで本当に良い仕事をする方が多いなと思っていて。それは人間同士の信頼というか、お互いの部の事情を汲んで、出来る範囲で頑張って動いてたりする部分が積み重なって出来ているものだと思うんですよね。

福本: ”信頼”って月並みな言葉ですけど、大事ですよね。

山原さん: 最初の方に話した”Reliability”の話に戻るんですけど、それって組織として「信頼性高いな」って自分は思うんですよね。そうすると、例えばチームで仕事をするときのレイテンシがめちゃくちゃ少なかったりして、組織の状況として理想的だなと考えています。

福本: いやーーー、わかる。

山原さん: もちろん優先度をつけて無駄な業務は減らしていく前提ですけど、今はお互いに信頼し合って仕事できているので。自分としては、そういう文化を引き続き維持したりとか、新しい人たちにこう馴染んでいただけるような役割も務めていきたいと思っています。

福本: 会社が大きくなってくると、スピード感やその元になる信頼性を維持するのって難しくなるってよく言われますし、大事なチャレンジですね。そういう広い意味での「信頼性」まで見られてるの、すごいと思いました!

SREの考え方を組織・会社全体へ

福本: インタビューの時間も終わりに近づいてきたので、最後に「これからのスマートラウンドに必要と感じていること」をお聞きしたいなと。何か考えていることはありますか?

山原さん: Howの話から少し逸れるんですが、SREの文脈で「SREはロール(役割)ではない」ということをよく言われます。”SRE”と名乗る人がいなくても、その開発チームがSite Reliability Engineeringができていることが大事であるっていう。

福本: SRE本(※『SRE サイトリライアビリティエンジニアリング―Googleの信頼性を支えるエンジニアリングチーム』のこと)で最初の方に、そんなようなことが書かれていた記憶があります。

What exactly is Site Reliability Engineering, as it has come to be defined at Google? My explanation is simple: SRE is what happens when you ask a software engineer to design an operations team.

『SRE Book Introduction』より抜粋

山原さん: これは自分の解釈ですが、Site Reliability Engineeringでは文化を重視してるわけですよね。なので、会社組織全体でもそういう文化、カルチャーがやはり大事だと考えています。

福本: ここでもカルチャーの話が!

山原さん: 例えばコーポレート部の中にはHRの機能があって、僕の理解だとHRの仕事に”組織開発”があると思ってます。 業務を円滑にするためにメンバー同士がお互いの能力を発揮して、交流を測ったりすると思うのですが、そこでも文化の醸成が大事になりますよね。

福本: 確かにそうですね。

山原さん: そう考えると、文化という部分ではSREと共通項があって。なので、SRE的なアプローチや考え方を他の部門や会社全体でもうまく活用できるのではないか、と考えています。

福本:  技術的なアプローチを色んなところに応用して、会社全体をいい状態にしようというのは、テクノロジーカンパニーとしてはすごい理想的ですよね。

山原さん: そうですね。実行するのは本当に難しいんですけど...。

福本: 振り返ってみると、山原さんが1人目SREの時代からやってることが、線になって繋がっている感じがありますね。
山原さんと話していて、これからのスマートラウンドの信頼性がますます高まって、もっと良い状況になりそうだと改めて感じました!今日はたくさんお話をしていただき、ありがとうございました!

山原さん: こちらこそ、ありがとうございました!


さいごに

最後まで読んで頂いた方、ありがとうございました!

VPoRという仕事についての山原さんの考え、スマートラウンドの「これまで」「作っていきたいこれからの未来」について、たくさんお話して頂きました。話を聞いていて、私個人としてもスマートラウンドがもっと良くなっていく姿をイメージできて、とてもワクワクしています。

さて、この記事を読んでスマートラウンドにご興味を持った方、もしくは山原さん・福本とお話してみたい方がいらっしゃれば、ぜひ以下の採用ページをご覧ください!

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