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変な数学の遊び方 -関数アート編-

西です。
最近とても嬉しいことがありました。
今まで僕は基本的に一人で数学をやっていて、その面白さを共有できる人はまわりにほとんどいませんでした。
特に自分で面白い法則を発見したときなどは、誰かに聞いてもらってこの驚きを共有したいとずっと思ってきましたが、ほとんどの友達はそもそもあまり数学に興味をもってくれません。泣
ところが最近陽菜さんと出会って、数学が苦手だったという話を聞きつつも数学の話をしてみると、凄く興味をもって聞いてくれたんです!!
これがもう最近の刺激的な出来事の中でも最高級に嬉しいことでした。
一緒にビジネスをやっていく仲間と数学の話までできるなんて、本当に理想の環境すぎて実感が湧かなくなります笑
前置きが長くなりましたが、今回はこれに関連して、数学を使ったちょっと変な遊びを紹介しようと思います。


関数アートって?

今回紹介するのは、「関数アート」または「グラフアート」というものになります。
その名の通り、「関数のグラフ」を使って「アート」をつくる、というものなんですが、どういうことか分かりにくいと思うのでゆっくり説明します。

関数のグラフって?

中学校の数学で「1次関数」や「2次関数」というのを習ったのを覚えているでしょうか?

1次関数
2次関数

こんなやつです。
1次関数は直線で、2次関数は放物線と呼ばれるものになります。
他にも中学や高校で習うものとしては

こんな放物線のグラフや

中心位置からずれた2次関数

こんな円のグラフや

半径5の円の方程式

こんなにゃんこのグラフがありましたね。

にゃんこ関数

最後のは嘘です。笑
最後のグラフのようなものが、「関数アート」と言われているやつです。
要は関数アートというのは、1次関数や2次関数など今まで習ったグラフたちを組み合わせて絵を描く遊びになります。

簡単な書き方

今まで数学が苦手だった人からすると、グラフを使って絵を描くなんて無理な操作だと思うかもしれませんが、僕は学校で解かされた問題の数々に比べたら圧倒的に簡単なものだと思います。
知っておくべき知識は

  • 基本的な関数の式

  • グラフの平行移動のやり方

  • 変域について

だけです。
今回は試しに、めちゃくちゃ雑な人の顔を書いてみましょう。
Desmosというアプリでできます!

1.顔の大枠を作る(基本の関数)

x²+y²=5²という式は、
「原点(グラフの中央)中心の、半径5の円」を表します。
これが顔の大枠になります。

半径5の円のグラフを追加

2.「目」を描く(平行移動)

今度は半径1の円のグラフを追加します。
式はx²+y²=1²です。
円を描くときは左辺の「x²+y²」は固定で、
右辺の「〇²」の〇の中身が半径になります。

半径1の円のグラフを追加

ここで、小さい方の円を右に動かして目のようにしてみましょう。
ここで「グラフの平行移動」というのを使います。
先ほど追加した半径1の円のグラフの、「x」という部分を「(x-2)」に書き換えてみましょう。
どうなるでしょうか?

小さい円を「平行移動」

小さい方の円(以後青円と呼びます)が右に動きました。
もしかしたら、あれ?と思った方もいるかもしれません。
xだったところをx-2として引いたので、直感的には青円は左側に行きそうな気もします。
しかしその直感はあながち間違いでもありません。
左にいったのは「青円のグラフ」ではなく「青円から見た座標全体」です。
xをx-2に変えて起こったことは、「xという横方向の成分」が「2マス分後ろにいった」ということ、すなわち青円から見た全てのグラフが左方向へ2ずれたことになります。
言い換えれば、これは青円だけが右方向に2ずれたとも解釈できます。

ややこしかったかもしれませんが、方法論だけで簡単にいうと

  • 式中のxを(x-〇)と書き換えれば、そのグラフは右に〇マスずれる

  • 式中のxを(x+〇)と書き換えれば、そのグラフは左に〇マスずれる

  • 式中のyを(y-〇)と書き換えれば、そのグラフは上に〇マスずれる

  • 式中のyを(y+〇)と書き換えれば、そのグラフは下に〇マスずれる

これも全く覚えるものではなく、少しやるだけですぐ慣れて分かるようになると思います。

説明長くなりましたが、続き。
同様にして、今度は別の半径1の円(緑円)を追加し、
x²+y²=1²という式のxの部分を(x+2)に変えて平行移動してみましょう。

緑円も平行移動して「目」を作る

これで目の部分は完成です。

3.「口」を作る(変域)

変域(グラフの、表示する部分の範囲指定)を使って、口を作っていきます。
まず今まで通り円を追加します。
今度の円の半径は3にしてみましょう。
式はx²+y²=3²です。慣れてきたでしょうか?
下のグラフでいう黒の円になります。

半径3の円を追加

ここで、この黒い円の下部だけ表示して「口」のような形を作ります。
やり方は、式の横に
{-3≦y≦-2}
を追加するだけです。
(中カッコは下画像左下のABCと書いてあるところを押したら見つかります)
これにより、黒円のうち表示されるのは
y(縦軸)が-3から-2の範囲だけとなります。

変域を指定し、グラフを「切り取る」

これで顔の完成です!
基本的にはこんな感じで絵を描いていきます。
ちなみに不等式を使って「領域」というものを作ると…

領域で「色塗り」

このように塗りつぶせたりするので、さらに絵画のバリエーションが広がります!

いかがでしたでしょうか?
この他にも多くの関数やその扱い方があるので、気になった人はぜひ数学を勉強してみてください。
グラフを回転させる方法や、複数の式をひとつにまとめる方法など自己流に色々探求してみても面白い、奥が深いおすすめの遊びです!

学校で描いた杏仁豆腐関数

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