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【SmartHRに就職を決めるまでに考えていたこと】就活×自己理解

ダイバースOpsインハウスユニットのkurosawaと申します。

↓kurosawaの障害について詳しく知りたい方はコチラ

この記事では障害者雇用で働く前に何をしたのか、シリーズで3回に分けて連載します。
第1回目となる今回は「自己理解」を軸にお伝えしていきます。



この記事を読んでほしい人

  • 就活って何から始めればいいの?

  • 自己理解って具体的に何するの?

  • 一般就労と障害者雇用って何が違うの?

kurosawaの実体験を元に、こんなことしたよ!を書いていきます。
参考になれば幸いです。

障害者雇用における就活の3ステップ

  1. 自己理解 ⬅️今回はココ

  2. 障害理解

  3. 企業研究

                                                 フリー素材ぱくたそ

そもそもなにすればいいの?

私は、就活を始めるといっても一体何をすればいいのか全くわからない人だったので、もし就労移行支援事業所に通っていなければ

      「ええい、とにかく応募だ!」→不採用orz

の連続になっていたと思います。
事業所では「職業準備性ピラミッド」というもので就職までに必要な要素を学びました。
下の図のように下の段から順に準備していかないと就職してもうまくいかないよ、という考え方を図式化したものです。

就労移行支援ルミノーゾ町田職業準備性ピラミッド~就職までの道のり~

私の場合、最初は20年ほど前にうつ病と診断され、つい最近、双極性感情障害Ⅱ型の診断を受けています。就労移行支援事業所に通わなければ、今でも自分はうつ病だと信じて疑わなかったと思います。うつ症状が落ち着くと働ける状態になりますが、その後に頑張りすぎ、反動でまたうつ症状になり、仕事に行けなくなる⋯そんな繰り返しでした。

頑張りすぎては休むを繰り返し、ついに働けなくなる期間から抜け出せなくなってから、しばらくは日常生活もままならない状態でした。当然仕事にも行けず離職し、3ヶ月ほど休養してようやく就労の気持ちが芽生え、就労移行支援事業所に通いました。
就労移行支援事業所に通所することが「職業準備性ピラミッド」の一番下の段階、健康管理、日常生活管理の段階でした。

対人スキル・基本的労働習慣には(ほとんど)問題がなかったので、職務への適性を知る必要があり、そのためには自分が何に向いているか、何ができて何がしたいかを掘り下げていく作業=自己理解を深めることが就活の第一歩でした。

自己理解とは?

自己理解にいたるまでに感じた出口の見えないトンネルの中にいるような感覚

自分の特徴を理解するために、これまでの経験や考え方を振り返って整理すること。自己分析をしておくことで「自分の仕事選びの軸」と「自分自身のこと」を明確にすることができます。

【自己分析のやり方】手軽にできる9つの方法や目的・志望動機の作り方まで

就労移行支援事業所のワークシートに沿って、自分の考えを掘り下げました

将来の希望

  • 収入はいくら欲しい

  • こんなことがやりたい

  • 人生プラン的に◯歳で結婚・子育てがしたい

  • どこに住みたい

  • こんな趣味を楽しみたい等

ここから、短期〜中期の目標に落とし込みました

5年後〜20年後のビジョン

  • 上記、将来の希望実現のために5年後、10年後までに何をすべきか

  • 必要な資金や資格や人脈・コネクションづくり

  • 20年後、退職後にはどうなっていたいのか

また、自分の好き・苦手・得意・不得意の把握を行いました

自分の好き苦手、得意不得意の把握

好き嫌いの把握は自分に色を塗っていくような感覚
  • 50項目くらいある*リスト(物事を責任を持ってやり遂げることができる【◯ △ ✕】 みたいな文がズラッとならんだもの)にチェックを付けて、自己評価・他者評価の合致した部分を得意とする、というワークシート

*厚生労働省が出しているシートもありますが、こちらで紹介されている「Big Five Personality Test(ビッグファイブ性格診断)」に近いものでした

ビジネスパーソンにおすすめ|自己理解のためのワークシート
  • 過去の自分の記憶から「楽しい」「夢中になった」「時間を忘れてできた」「最もお金を費やした」という物事を思い起こして整理し「得意」「好き」の棚卸し

  • 過去にあった嫌なこと、不快に感じたこと、体調悪化の引き金になった状況などから「苦手」「不得意」の棚卸し

客観的指標による検査も行いました。

適性検査・性格診断

私の場合はこの検査で*HSP気質であることが分かり、過去の経験が線で繋がり、対策(自己対処と配慮事項)を考えるのに大いに役立ちました。

*HSP(Highly Sensitive Person)⋯生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」という意味

マドレクリニック「HSP(Highly Sensitive Person)」

障害者雇用で働くために必要な自己理解のために、受傷経緯の振り返りを行いました。

受傷経緯の深堀り

  • 病気になった原因・対策

  • 今後同じような状況になったら、同じことが起こったらどうするかの対策を考える

  • 初診時(20年前)、再発時(5年前)に分けて状況やストレス要因の整理

(この自己理解の上にさらに障害理解が必要になりますが、それは次回の記事でお伝えします)

以上のように自己理解を深めました。
冒頭にも書きましたが、今回の自己理解は職務適性を知るため、自分軸で言えば職場選びの基準を知るために行うものです。
自分が何に向いていて、どうすれば社会で活躍できる場に就けるか、という視点で自分を俯瞰して見る練習になりました。

一般就労と障害者雇用

一般就労は文字通り、一般的な雇用、就活です。

障害者雇用は大まかに言うと

  • 障がい者手帳を持っている人を対象とした雇用形態

  • 障害に対する配慮を受けながら働ける

  • 場合によっては特例子会社への就職ができる

といったような、雇用形態です。

障害者だから一般求人に応募してはいけない、ということはありません。
その場合

  • オープン就労 障害があることを勤務先に開示して働くこと

  • クローズ就労 障害があることを勤務先に開示せずに働くこと

といった選択をすることになります。あるいは、必要に応じて開示する範囲を仕事で関わる社員にのみ限定する場合もあるでしょう。
一般就労の最大のメリットは働き口が多く、応募の選択肢が多いことです。一方、例えば障害に起因する体調不良の際に会社に相談しにくい等、障害に対する配慮を得にくいといったデメリットがあります。

私は病気が再発するまで、一般雇用でしか働いたことがありませんでした。実際、寛解状態にあったときはクローズで働いていたものの、うつ状態がひどくなり不調に陥ったときに相談できず、周囲からは「最近調子悪いね」「少し休めば良くなるよ」といった、真に理解されているとは言えない声掛けをされていた経験があります(自業自得ですが)。

つまり、自分にとって最も必要だったのは、「障害とうまく付き合いながら働くために必要な自己理解・障害理解」だったのです。

自己理解がきちんとできており、病状悪化時にも自己対処できるなら、一般就労でも全く問題ないと思いますが、周囲の理解を得ながら障害に合わせた働き方がしたいのであれば、障害者雇用の道も考えてみてもよいと、私は思います。


反省点〜もっと早く気づきたかった障害〜

私はSmartHR以外にも、20社近く面接を受けました。エントリーはその4倍はしました。
面接や書類選考に落ちた理由をエージェントを通じて企業に訊くと、総じて「体調への不安」とのことでした。
就活準備を始めた当初(2月ころ)はうつ病の診断で、面接に進めるようになった7月ころに双極症Ⅱ型に診断が変わったことが企業側の不安要素だったようでした。

病名が変わったのは症状が重くなったわけでも、新たに発現したわけでもなく、過去(5~7年前)の自分の行動に双極症の病状に似たものがあったことを思い出したため、医師に相談した結果、服薬と病名が変わったという経緯でした。

この点を面接で何度も説明したのですが、おそらく伝わっていなかったのだと思います。

就活当初、あるいは就活前に自己理解を深めることで、障害特性と自己の経験の紐づけができて、早めに医師に相談できていたら、あるいはもっと早くに就職できたかもしれないと反省しています。

この反省も含め、この記事にたどりついて読んだ方が正確な自己理解をするヒントになれば幸いです。

次回は「障害理解」をテーマに、自己対処法や配慮事項の整理の仕方をお伝えします。