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「自分自身に『今は成長痛』と言い聞かせながら進んでいます」新規事業 プラットフォーム事業部マーケターの挑戦
SmartHRの新規事業を推進する組織の一つに「プラットフォーム事業部」があり、SmartHRを導入しているユーザーの利便性をさらに向上させるためのアプリストア「SmartHR Plus」を運営しています。SmartHR Plusは、2023年12月に正式版がリリースされました。現在、プラットフォーム事業部は、事業の成長をさらに加速させようという段階にあります。
今回はプラットフォーム事業部でマーケティング機能を担う「ストアマーケティングユニット」を担当している清水 勝也さん(@katz)と東 知奈実さん(@chinamy)に事業の魅力や挑戦についてお話を伺いました。
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多種多様なユーザーニーズを叶えるためにプラットフォームビジネスを始めた
─ SmartHRがプラットフォームビジネスを始めた理由・背景をお聞かせください。
清水:SmartHRは、従業員数が数名から数万名にまで従業員規模を問わず、小売・飲食・IT・製造・観光・病院といった様々な業界の幅広い企業に導入されています。ご利用いただくなかで嬉しい言葉をいただくこともあれば、SmartHRの今後に期待してくださり、改善要望をいただくことも多々あります。しかしながら、SaaSの仕組みでは多様化するニーズに対応するプロダクトを新規で開発し続けることが難しく、できたとしてもかなりの時間を要してしまいます。また限られた社内リソースを自社プロダクトの改善やロードマップに則った新規プロダクトの開発に集中させたいという実態もあります。
そこで、自社プロダクト以外の領域は、外部のアプリケーションパートナーの力をお借りしたいと考えるようになり、SmartHRユーザーと外部のアプリケーションパートナーをマッチングさせるプラットフォームビジネスを始めました。
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各社のニーズにあったアプリを揃えて、SmartHRをもっと便利に
─ プラットフォーム事業部は具体的にどんなことをやってますか?
東:プラットフォーム事業部は「SmartHR Plus」というBtoBアプリストアを運営しています。SmartHR Plusは、すでにSmartHRを導入している企業に向けて、バックオフィスの様々な課題を解決するアプリを、パートナー企業と共に提供するプラットフォームです。プラットフォーム事業のアイデアは2018年頃からあり、2023年12月に正式にリリースされました。
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─ アプリストア「SmartHR Plus」にはどんなアプリが掲載されているんですか?
東:SmartHRのメインユーザーである人事労務担当者を対象とした勤怠管理・給与計算・メンタルヘルスケア・健康管理などのアプリを特に充実させています。加えて、人事データと連携できる名刺管理やSaaS管理など、総務や情報システム担当者が利用するアプリも揃えています。SmartHRをさらに便利に使うための専用アプリもあり、ファイルの一括操作・社員番号の自動採番・CSVからのデータ取り込みアプリなどがそれに該当します。SmartHRに蓄積されたデータを軸にこれらのアプリを連携することで、バックオフィス業務を一元化し、より効率的で便利になる世界観を目指しています。
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清水:スマートフォンのアプリストアを思い浮かべていただくと、イメージしやすいかと思います。皆さんもiPhoneを購入した際、初めからインストールされているアプリだけではなく、App Storeにアクセスして、自分のライフスタイルに合わせた目覚まし時計アプリや家計簿アプリ、カレンダーアプリなどを追加で購入・インストールし、生活を便利にしていますよね。同じようにSmartHRを利用しているユーザーが、自社の業務に合わせてさらにSmartHRを便利に使えるよう、私たちはアプリストアを運営しています。
事業成長に向き合う高い視座とリーダーシップを持って企画推進を行う
─ ストアマーケティングユニットのミッションは何でしょうか?
清水:プラットフォーム上でのSmartHRユーザーと掲載アプリのマッチング数の最大化です。
そのために、新しく掲載されたアプリをユーザーに知らせる通知を行ったり、販売促進のキャンペーンを企画してプラットフォームへの訪問を促進したりします。また、プラットフォームに訪れたユーザーが気軽に問い合わせを行いたくなるような仕組みを考えています。
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─ アプリストアのマーケターの特徴はどのような点でしょうか? プラットフォーム事業部のマーケターだからこそ経験できることは?
東:私たちストアマーケティングユニットのマーケターは1人が担当する範囲の幅広いことに特徴があります。
SmartHR Plusに掲載されてるアプリの数だけ販売戦略の立案から施策実行・分析まで一連のマーケティング活動が必要なので、自ずと担当範囲が広がるんです。
そのため、ひとつのマーケティング手法にこだわらず、幅広い手法に挑戦して、得意領域や伸ばしたい領域を見つけることができると思います。さらに、連携するアプリの数だけ、コミュニケーション戦略や施策実行のオーナーを担うことができるので、マーケターとしての成長機会は多いと思いますね。
清水:マーケティング・プロモーション領域だけでなく、プロダクトコミュニケーション領域として機能改善・企画推進ができることも特徴です。
データ分析をしながら、アプリの問い合わせ・インストールを増やすためのUI改善や機能企画・改善提案ができます。
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さらに今後は、パートナーに向けた取り組みも拡張していきます。例えば、SmartHR Plusに参画いただくパートナーを増やすための活動や、アプリを掲載したパートナーが販促しやすくするための仕組みづくり、パートナー同士のコミュニティ活動、パートナーの表彰制度なども考えられます。
東:マーケティング・プロモーション領域、プロダクトコミュニケーション領域に加え、パートナー領域のマーケティング活動も…!めちゃめちゃ幅広いですよね…!
清水:そうそう広い!さらにストアマーケティングを起点とした機能企画や、アライアンスユニットと協力しながらキャンペーン立案・企画推進も主導しています。そのため、ストアマーケティングユニットで働くメンバーは常に強いリーダーシップを求められるし、事業成長に向き合う高い視座での日々のマーケティング施策の立案・推進をやっていく必要がある。
でも、まだまだ完璧にできてないことの方が多いから僕も「今は成長痛」って自分に言い聞かせながら仕事に向かっていることもありますね…!
でもこうして、他部門の多くの人と協力しながら事業成長に向けてリーダーシップを発揮して積極的に新しいチャレンジをすることは、非常に価値がある経験だと思うし、プラットフォーム事業部のストアマーケティングだからこそ経験できることかなと思ってます。
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SmartHR Plusが目指すのは、ユーザーとパートナーの自律駆動な世界
─ これからどのようなプラットフォームをつくっていきたいですか?
東:私たちが目指しているのは、日本発のBtoB分野でNo.1のプラットフォームを作ることです。No.1をどう定義するかは難しい問題ですが、私たちプラットフォーム事業部では、「ユーザーとパートナーが自律的に活動する世界」を目標に掲げています。
想像してみてください。多くのユーザーが集まり、互いに意見交換ができ、要望を伝え合い、その要望がパートナーへ共有されるコミュニティが形成されます。そんな場があれば、自然とパートナー企業も集まってくると思います。また、パートナー企業間でも、どの企業がどのようにユーザーの期待に応えているかが明らかになり、競争が生まれます。競争はサービスの質を向上させ、より良いサービスやパートナーが選ばれるようになります。アプリストアがある程度成熟すると、このような自律駆動の状態になります。つまり、SmartHRが積極的に介入しなくても、プラットフォーム上でユーザーとパートナーのマッチングが自然と成立するようになるのです。
─ そのためにストアマーケティングユニットが今後行っていくことは?
清水:直近で注力していることは、主に三つあります。①SmartHR Plusに掲載されているアプリ独自の価値を分かりやすく伝えること、②ユーザーが求めるタイミングで適切な情報を提供すること、③必要な情報を容易に見つけられるようにし、問い合わせやインストールをスムーズに行えるようにすることです。
①については、BtoB向けのアプリストアはまだ馴染みが薄いため、どのような機能があるのか、掲載されているアプリの特徴は何かをユーザーにしっかりと理解してもらう必要があります。そのためには、訴求内容を多角的に展開すること、さらには導入事例や動画コンテンツなどを用いて、SmartHRユーザーに対して、SmartHR Plusのアプリを利用することでSmartHRの利便性がさらに向上することを効果的に伝えたいと考えています。
東:②ってまさにMAツールを活かすところ!
清水:そうそう!プラットフォームの一番の特徴って、商品やサービスを提供する側と利用する側のデータを手に入れられることだよね。ユーザーがプラットフォームを使えば使うほど、僕たちは多くのデータを集めることができて、そのデータをビジネスに役立てられる。これは本当に大きなメリットだよね。
例えば、従業員数や業界・職種・SmartHRの契約プラン、さらにはSmartHRでどんなプロダクトをどう使っているかの利用データなど、ユーザーの属性・行動履歴を分析すれば、僕たちはもっとユーザーの興味や抱えている課題に合った情報を提供できるようになる。
だから、僕たちはユーザー情報や契約データ、行動履歴を収集して、それをマーケティング施策などに活用できるようなシステムを構築していく必要がある。
この1、2年で掲載アプリが50個、100個とどんどん増えていきます。そんな状況でも、ユーザーが自分の会社に自社に合うアプリを探せたり、複数のアプリを簡単に検討・問い合わせできる仕組みを作っていく必要がありますね!
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こんな人と一緒に働きたい!
─ 上記の展望を目指していくために、最後にこれから一緒に働く仲間へメッセージをお願いします。
東:同じことに取り組む日は本当に1日もないです。考えること・手を動かすことが毎日違う刺激の多い仕事です。新規事業で整っていない部分が多いですが、日々試行錯誤しながら、その刺激を楽しめる方とぜひ一緒に働けたら嬉しいです。
清水:そもそもプラットフォームビジネス自体が、主要事業に一定以上のユーザー数がいないと成り立たないビジネスです。そんな事業機会のレア度の高い環境で、幅広い選択肢をもとに事業成長に直結するマーケティングに挑戦できる機会はそんなにないと思います。手段にとらわれず、積極的に「これをやってもいいですか?」と発案し、実行に移せる方と一緒に働きたいです。
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取材協力:リスナーズ株式会社
撮影:吉田周平