「予測できない未来で、プロダクトがどうあるべきかを考える」第3回「well-workingの現在地」
はじめに
“well-working 労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる”
このコーポレートミッションの実現に向き合うSmartHRの社員のすがたと現在地を、インタビューを通じてお伝えする連載「well-workingの現在地」。
第3回目は、プロダクト基盤開発部のmeganemuraさんです。
技術統括本部
基盤開発本部
プロダクト基盤開発部 マネージャー
meganemura さん
自己紹介と現在の業務内容
自分は2017年に入社し、入社当初はいちメンバーとして基本機能の開発を担当していました。SmartHRの中では古株の社員になると思います。
ちなみにmeganemuraというのはSlackネームで、由来は長いのでここでは端折りますが、その由来を回答してくれるSlack botがあるので入社いただけた際に気になる方は聞いてみてもらえればと思います(笑)
プロダクト基盤チームは2023年の1月にできたチームです。(参考記事:マルチプロダクト戦略実現に向けて、プロダクト基盤チームを立ち上げました)
プロダクトサイドには多数チームがあり、それぞれ特定の機能を担当していますが、プロダクト基盤チームは横断的に利用される機能や、複数プロダクトをどんどん出していく上で必要になってくるものを整えています。
SmartHRのマルチプロダクト展開にあたって、共通している部分を専門的に担い、その中での課題解決と、付加価値をつけることに取り組んでいます。
お客さまの課題解決やニーズに直接的に関わるわけではないのですが、それを下支えする仕組みづくりをする仕事です。
最近であれば「配置シミュレーション」でエンゲージメントサーベイや資格情報を閲覧できるようにしたり、「新しいホーム画面」の裏側にあたる部分が成果として出ているものです。
担当業務を通じて貢献したい「well−working」
働く人が、それぞれの業務上・働く上での will (やりたいこと)により近い選択ができるようになって欲しいなと考えています。それができる状態って、その人の能力の部分ももちろんありますが、環境による部分もたくさんありますよね。たとえば介護をしないといけなくて、そのために居住地が限られるとか、育児なども。
環境で職業や働く時間、条件が限られてしまうこともあると思っていて、一人ひとりが働く上でやりたいことをちゃんとできる状況にしたいと思っています。
特にこれからの世代、たとえば自分の子供が小学生なので、その世代の人たちがその人らしく働けるようにしていきたいです。
その人らしく働けることとは、一人ひとりのいい部分、長所を最大限に仕事に活かしていくことだと思っています。苦手な人にとっては短所になることや業務も、仕組みで解決できることがあり、それにより長所をより活かせるのではないかと思います。
その仕組みがSmartHRが提供できる価値であり、価値を広げるマルチプロダクト化のためのプロダクトの基盤整備が自分の業務です。
SmartHRを通じ世の中の働く環境が整えやすくなっていくことが「well−working」につながっていると思いますし、そこに基盤の整備という観点から貢献できればと思っています。
業務を通じ、「well-working」を実現するための課題と達成するための難しさ
SmartHRが目指すマルチプロダクト展開のためには、労務・タレントマネジメントといった領域ごとにバラバラなデータや業務フローの中心に「SmartHR」がある状態にしていく必要があります。
そこで、プロダクト基盤チームの立場からは、2つの課題に向き合っています。
一つ目は、「労務領域で成長したシステムの基盤を、他の領域でも利用しやすいものへ成長させること」。
二つ目は、「複数プロダクトのデータや業務の流れを統合する上で、今まで通りに各プロダクトが自律して成長しやすい状態を保てるようにすること」です。
今後、労務領域、タレントマネジメント領域だけでなく、さらに広くプロダクトを提供していくことを考えると、よりたくさんの領域でシステムの基盤が使えないといけない。
労務領域に最適化し作られたものをお客さまに利用してもらっている現在の状態から、「利用してもらっているまま」共通に使えるものへ変えていくことの難しさに向き合っています。動いている車のエンジンを変えるような。機能を変えるだけでなく、コアになる部分を変えていかないといけないんです。
また、今までのプロダクト開発は、プロダクト単体で閉じていました。それぞれのプロダクトの中で自律性を保つ、というか、独自で進化すればよかったんです。
今後は他のプロダクトの影響を受けることを前提に開発しないといけない。それが大変な部分だと思います。プロダクトが増えることにより、依存関係が増えていく・絡み合っていくことに近いかな。
「well-working」な社会にするために意識していること
人が働くとき、その人らしく働けるかどうかというのは、働く人本人の特性や、文化・企業・家庭といったその人の周りの環境によって制限されるものだと思います。
先程も言いましたが、本人の特性・環境によって非合理に選択肢が狭まることをなくすことが、その人らしく働くために大切だと思っています。
また、SmartHRで働くことは特に企業という、働く環境の変化を進めることになると思っています。
これから、労働人口が減っていくこともあって、より長く働いてもらうとか、多様な人に働いてもらうことが重要になってくるのかなと思っていて。
SmartHRで働いて、「SmartHR」というプロダクトを世の中に広めることで、いろいろな要因で働けない人が働けるようになります。環境の違い・言語の違いとか、障害の有無とか、いろんな人の違いみたいなところを受け入れて働いてもらえるような、環境の変化を進めるイメージです。
その変化を起点に、家庭や個人と相互に影響を与え合って、よりよい社会へとつなげられるといいなと思っています。
「well-working」な社会にしていくための仕事の成果目標
大きな目標は担当業務を通じて貢献したい「well−working」と同じになると思っていますが、身近な話でいうと、チームメンバーの成果が出せることも意識しています。
自分が入社したときから、SaaS開発・運営はマラソンと聞いてきました。well-workingについても似ていると思っているんですが、走り続ける状態を保たないといけないと思っています。一発ドカンと当てて勝ち逃げ、みたいなものではなく。
使い続けてもらうプロダクトにするためにも機能は常によくしていかなければならないし、メンバーは働き続けていかなければならない。SaaSならではの持久力が必要だと思っています。
業務を通じて、「well-working」な社会にしていく過程のおもしろさややりがい
目の前の課題が解決できていることを実感したときもそうですが、これからのSmartHRについて考えているときにやりがいとおもしろさを感じます。
SmartHRの変化を支えるプロダクト基盤チームの特性上、これからのSmartHRについて考える場面がよくあります。プロダクト間の連携や共通化など、マルチプロダクトを展開する弊社だからこそ提供できる価値に思いを馳せるとワクワクします。
未知のもの、未来が予測できないものに対してどうあるべきかを考えていくことが、難しくもありおもしろいですね。
今後挑戦していきたいこと
マルチプロダクト戦略に向けた基盤の成長に加え、基盤のための組織開発に取り組みたいと考えています。
組織としては、技術的にも今までのプロダクト開発と異なるスキルが必要になってくる見込みです。
また、開発で取れる選択肢を広げるために技術検証やスキルアップを促進したり、経験者の採用を通してチームの能力を高め、よりよい解決方法が取れるようにしていきたいです。
プロダクト基盤においては、年末調整機能のように、自分たちが開発した機能をお客さまが使い、価値が直接的に返ってくる、というものではありません。プロダクトのその先の価値を意識してモチベーションを高く保つことは大事だと思っていますね。
将来の変化に応じてプロダクト基盤を改善していくためにも、各プロダクトに共通の基盤を利用してもらう必要があります。ものによってはプロダクトが個別に作っていた部分を共通の基盤に置き換える大変さもあると思っています。
基盤の成果は短期的に見えづらいため、中長期の課題や成果へのつながりを言語化して広め、組織全体で基盤を成長させる流れを生み出していきたいですね。
(インタビューは2023年12月に実施しました)
前回の「well-workingの現在地」はこちら
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