インサイドセールスのキャリアのリアルと可能性
こんにちは!SmartHRで関西エリアのインサイドセールス(IS)をしているri-co(りーこ)です。今回は、SmartHRにおけるISのキャリアの実情と最新動向について調査してきました。
SmartHRのISに興味があるけどキャリアのイメージがつかない。
今後のキャリアを考えるうえでどのような経験を積むことができて、スキルを身に着けられるのか知りたい。
すでにSmartHRの社員でISとして活動しているけれど、キャリアの方向性に悩んでいる。他の人がどう考えているのか知る機会が意外とない。
そうした悩みや疑問を解消する手立てになる内容ですので、ぜひご一読ください!
ISから最も多い異動先はセールス
実際のところ、ISからの異動先はどういった組織なのでしょうか。実績をみていきましょう。
上の図は、IS部門が発足した2017年11月から2024年9月末現在(過去在籍者含む、全従業員を対象)の集計です。
最も多いのがセールス(以後、FSと記載)で6割を占めています。社員の目線からも、FSでIS経験者の顔ぶれを見かけることは多く、体感とあまりズレのない数字ではないでしょうか。
一方で今年に入り、ISからの異動実績がこれまでなかった組織への異動も発生しています。前例がないなか、どのような経緯で異動することになったのか気になるところですね。
そこで今年ISから初めて人事、マーケにそれぞれ異動した神山さん、西田さんに加え、数年前に初めて事業推進(旧IS Ops)に異動した中村さん、そして最も異動実績の多いセールスで活躍している鎌田さんを招き、体験談を語ってもらいます。
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\題して「ISキャリア座談会」!スタートです!/
ISの仕事を通してチャレンジしたいことが見えてきた
──まずお聞きしたいのは「異動を希望した理由」。みなさん、どういった理由だったんですか?
西田:理由は複数あります。まずひとつはキャリアを広げたいと考えたこと。また、ISでの活動のなかでマーケから大きく恩恵を受けた実感がありチャレンジしてみたいと思ったことも挙げられます。
私はIS時代にチーフを担いマーケと連携する機会が多く、密に協力していくことでチームを目標達成に導けました。新しいチャレンジを考えたときに、今度は自分がISのみんなが困っているときの力になりたいと思うようになりました。
鎌田:僕もISで活動するなかでやりたいことが新たに見つかったことが理由にありますね。商談を獲得するまでだけではなく、その後の受注までのプロセスを自分自身が担うことで、お客さまのため・会社のためになりたいと思うようになりました。
前職の頃からISを続け、自分の年齢も上がってきたこともあり「新しい環境にチャレンジするタイミング」だと異動を希望しました。
西田:タイミングについては私も、出産を経験しライフステージが大きく変化したことが影響しています。
SmartHRは働き方の柔軟性が高い会社ではありますが、私は出産後に早めの仕事復帰を希望したこともあり、育児をする中で働き方のコントロールが難しいと感じることが増えていました。チーフという業務の特性上、メンバーとの1on1やオンボーディングのための出社の機会なども多く、このままISのチーフとして安定的に稼働することが難しいかもしれないという不安がありました。
今のマーケの仕事も業務量や責任に大きな差はありませんが、以前より自分で時間をコントロールしやすい状態になりました。新しい挑戦をしたい気持ちと、自分のライフステージにマッチする機会をいただけたと思っています。
入社前から今の業務に興味があり、挑戦したいと考えていた
──神山さんと中村さんはまた違った経緯があると事前に伺っていました。詳しく教えてください。
神山:私は前職が人材エージェントのRA(リクルーティングアドバイザー)だったこともあり、採用にもともと興味がありました。エージェント時代は、企業の採用担当と同じ思いを持って支援するよう個人的に意識していました。一方で、売上のために数ばかりを追求するビジネスモデルにフラストレーションを抱えていたんです。
だから転職活動でも人事や採用担当ポジションを受けていましたが、人事は未経験なので中々マッチする企業がなく、これまでやってきた営業経験を活かすことにしました。とはいえ、SmartHRに入社してからもISとして頑張る傍ら、noteやXで発信して自ら積極的に採用に関わり貢献するようにしていました。
中村:僕も神山さんと同じで、入社前の段階からSalesOpsをやりたいと思っていました。ですが転職活動時はSaaS企業での経験もまったくなかったので、「まずはISを起点にSaaS企業で働く経験をしてみては」という転職エージェントからのアドバイスを参考にしてISを選びました。
入社してからも「日程候補だすよ君*」などISの業務を効率化する仕組みをつくってみたりして今の業務に絡めながら実績を積むようにしていましたね。
顧客情報を蓄積したデータを扱い、改善のプロセスを踏んだ経験が活きる
──異動後の部署で活かせた「ISの経験やスキル、考え方」は何かありますか?
神山:採用も根本はISの営業スキルと変わらないと思っています。転職意欲が顕在化していない候補者さまと接触し続け、意欲が変わったタイミングでいかに早くアプローチできるかを考えていく視点は、ISでデータ上の数字を見て改善すべきプロセスにあたりを付け、リードをナーチャリングしながらアプローチしていくことと通じています。
あとはISをやっていたおかげで現場の解像度が高い部分もあるので、その経験はエージェントとのコミュニケーションや候補者さまとのやり取りでとても役に立ちました。入社後のミスマッチに繋がらないよう、資料に書いてあることだけではなく、組織状況や課題を実態に沿って伝えることができています。
西田:データ上の数字を扱ってきた経験が活きていると私も感じています。ISでもFSの受注を目指すなかで、どこのマーケットから攻めていくのか、この地域はこの業種が多いからこういった施策を打とうといった話をデータ上の数字を使い議論することが多くありました。
いまの部署でもこの施策をやってほしいとISやFSから要望があがってきますが、実際どれくらいインパクトあるのかという観点で精査することができています。もちろん一対一のABMマーケティングをしていく必要もありますが、その結果得られる売上げはどの程度かでやるのかやらないかをシビアに判断しています。ISでデータを使って考えてきたからこそ、企画の段階でこういった切り込みができていると思います。
中村:ISはCRM(Salesforce)を日常的に扱いますもんね。そのおかげで、CRMに入っている情報への解像度が高くなる点と、オペレーショナルな部分への感度が高くなる点はOpsをやるうえでも重要で活きていると思います。
例えば、マーケからリード情報が来たときに、各項目にどんな値が入るのかを理解したうえで、貯まったハウスリストのデータを読み解いてアプローチしているじゃないですか。そうすると、自ずとオブジェクト構造や項目の関係性が理解できて、CRM系のスキルもですし、ビジネス組織のデータの流れへの解像度がとても高まります。Salesforceのレポートは間違いなくISがスキルの平均値が一番高いと思いますね。
あとオペレーションへの感度も高い。日々の活動で入力作業をしているから、工数や蓄積した情報の活用方法に自然とアンテナが立つようになります。だから、1件の顧客対応の情報入力に必要なクリック数を減らす余地はないか、項目は画面の見やすい位置にあるのかなど、現場を想像しながらとても細かくオペレーションにこだわることができます。Opsをやるうえでこの感覚を持っていることはとても大事だと思います。
鎌田:ISでの活動を通じて、プロダクトの機能に対する基礎的な知識が身についていた点は良かったと思います。その反面、自分で商談をすることで、より詳細な知識の必要性を痛感する場面もありますし、IS時代にはあまり重要でないヒアリングにも固執していたと気付かされることもありました。
学び直し、学び続けていくことの大変さ
──異動後、大変だったことはありますか?どうやってそれを乗り越えたのかも気になります。
神山:未経験者も多いISとは違い、周囲が人事経験のある即戦力の方ばかりでとても焦りました。人事だけでも60名を超える組織だったので、まずは自己紹介や同じ部署の方の顔と名前を一致させるところからスタートし、それこそ転職と同じくらいの気合が必要でした。
ですが未経験だからこそ、何でも聞くことができましたし、先入観なく新しいことにトライできたと思います。それをサポートしてくれた周囲の環境もとてもありがたかったです。
ただ年々アンラーニングが難しくなってきているのを感じます。30代半ばになり、20代のときに未経験でもがむしゃらに営業をやっていたときとは違うなと感じています。気を付けるよう意識していますが、学ぶスキルや成長のスピード感が落ちている実感があり、そこへの焦りがありました。同じ1年でも20代のときといま同じようにできているかというと、子育てとの両立という差分もありますが、鈍化しているように思います。
1期目に採用目標を達成し、やった!楽しい!という気持ちになりましたが、2期目を迎えたいま、採用担当としてダニングクルーガー効果の曲線でいう「馬鹿の山」に自分はいたんだなと、自分の未熟さに気づきました。「絶望の谷」から「啓蒙の坂」を登り切るにはスピードアップが必要だと感じています。また今期から採用担当としてだけではなくHRBPとしてどう価値貢献するかが採用部全体のテーマになり、一気に難易度が上がりました。
西田:私も新たに勉強していて、特に「大企業あるある」には苦労しています。大手企業は対マスというよりは“この企業に対して”どうマーケティング施策を打つかという話が多いです。
企業への深い理解に加え、その企業ならではのリードタイムがある場合どういう部署を巻き込むべきなのかも知る必要があります。例えば人事部門と情報システム部門なら、ISだとどちらかといえば人事部門にアプローチしがちだと思いますが、実は大手企業内ではSaaSの導入という観点では情報システム部門の方が力を持っていることがあるんです。
勉強のやり方としてはISやFSからのヒアリングが主です。ほかにはSalesforceや商談録画をみて、最終的に誰が商談に出席しているかを確認しています。自分が企画したイベントで実際にお客さまと話すことも多いので、そこでキャッチアップするようにもしていますね。
中村:確かに学び続けることは大変かなと思います。Opsに限らず勉強は必要ですが、常に最新技術やナレッジについて勉強をし続ける必要があるのはひとつのハードルだと思いますし、自ら学ぶ習慣がない人はやはり伸びません。僕は今の仕事が天職だと感じていて学ぶことがまったく苦ではありませんが、そうでない人は意識的にインプットをしないといけないと思います。
それはプロジェクトの進め方についても言えるかもしれません。Opsの仕事は必ず複数部署が関係するので、IS内で行っているプロジェクトとは進め方がまったく異なると思いました。自分がオーナーを持つプロジェクトでは、さまざまな部署から特性が全く異なるメンバーが集まるなかでToBeづくりからタスクの優先順位づけ、全体の進行管理に至るまですべて牽引する必要があります。そういったプロジェクトマネジメントは大変ですね。
鎌田:学び直しは今期、意識してやりました。実は昨期、これまでサラリーマンをやってきて初めて未達という経験をしたんです。目標予算を含め、SmartHRで求められるレベルは正直かなり高いものの、そこに応えられなかったことにとても落ち込みました。
ですが初回商談のやり方、競合より優位になる商談の進め方(要件の整理、SmartHRの土俵への持っていき方)を徹底的に見直すようにして、この下期からは受注率を一気に上げることができました。
それぞれの場所から目指していく
──今後、何を目指し、どんなことを体現していきたいですか?
鎌田:新規プロダクトをどんどん売ってMRR最大化に貢献したいです。そのためにカスタマーセールスがやっているような新規プロダクトを売っていける力をFSでもつけていく必要があると感じています。
既存顧客の方が比較的売りやすい部分はありますが、新規顧客に対してもできるようにならないと今は競合が強いので競合他社との差別化という点や、自分自身より大きく目標を達成するために欠かせないことだと考えています。
積極的に勉強会に参加し、自分のデモ画面をアップデートするようにしています。
中村:今後は、特に大規模言語モデルのビジネス組織での業務活用にミッションを持っていくので、ここを推進することにフルコミットしたいです。
「SmartHR」と同じように、AI活用もデータを集積してやっと活用できる状態になります。かつオペレーションがしっかり設計されていないとAIのメリットが出ないものです。ただ、弊社のビジネス組織はオペレーションもしっかり作ってきましたしデータも貯まっています。
あとは各オペレーションにいかにAIを組み込むかだと思うので、「早く・遠くに・共に行く」を実現するためのひとつの起爆剤として、ガッツリ頑張っていきたいです。
例えばISで言うと、コールの事前準備で、アプローチ相手のウェブアクティビティやマーケコンテンツ履歴から興味範囲を類推して、興味がありそうなプロダクトとそのトークスクリプト例、事例をサジェストする。ないしは壁打ち相手としてbotと事前準備を作っていくようなことをしていきたいと考えています。
西田:ISからマーケへの異動は初の事例なので、子育てをしながら新しいことに挑戦している自分の姿が少しでも他の方のチャレンジのきっかけになるといいなと思っています。今の環境で最大限、成果への貢献をして社内の良きロールモデルになることを目指したいです。
神山:まずはHRBPとして、採用に限らず、入社された方の活躍など部門に貢献できることを増やしていきたいです。中長期的にはワーママとしての原体験から、どういった組織であれば育児中・介護中などの社員も力を発揮しやすいのかを突き詰めていければと思っています。SmartHRがその代表的な会社であってほしいですし、そこに自分が貢献していきたいです。
プライベートの観点ではボランティアにも興味があるので、子どもたちの支援やケアをしていきたいですし、働くママたちを癒せるようなマッサージの資格を取得するなど、やりたいことはたくさんあります。
これからSmartHRに来てくださる方へのメッセージ
──最後に、SmartHRのISに興味がある人たちへメッセージをお願いします!
中村:会社によってISの役割は違うと思いますし、ISのキャリアも多種多様だと思います。ISをSalesの育成組織と定義して取り組む会社もあれば、スペシャリストとしてIS職を追求する会社もあります。
僕の目線からするとSmartHRのISはとても柔軟だと思っています。この規模の会社やIS組織になってもこの柔軟性を維持できているのは素晴らしいことです。ISを極めているメンバーも実際いますし、僕のようにISをキャリアの一歩目として経験して、キャリアチェンジすることで活躍するメンバーもいます。「こういうキャリアパスになります」と定義されたものはないので、自分で選択して進んでいけることは大きなメリットだと思います。
IT業界もSaaSもISも未経験である僕みたいなメンバーでも、しっかりビジネス組織を経験してキャリアを広げることができたので、怖がらずにまずはチャレンジする場としてSmartHRを選んでくれたらとても嬉しいです。
鎌田:ISからFSに異動して、The Modelの組織の重要性を痛感しています。僕はESB規模を担当するFSで、アポ獲得から商談まですべて自分で対応しています。
自分の案件の追客に時間を取られ、新規案件の獲得に時間を割けないことも多いです。ISというポジションの重要性は、SmartHRという会社が求められるレベルが高くなるにつれて(予算も高くなるので)これからますます上がっていくと思います。そうした組織で結果を出すことができれば、他の部署に異動する可能性も広がりますし、やりたいことが変わってもSmartHR内で叶えられると思います。
西田:ISで培った経験はすごく貴重だと思っています。ISはマーケとセールスの架け橋であるべきだからこそ、見ている市場について、実際の顧客についてなど幅広い層への視野や洞察力、社内での連携や知識も必要になります。そこからどんなキャリアにしていきたいかは十人十色で、様々な人がいるからこそ多様な選択肢も生まれています。ぜひSmartHRのISで、ここでしか経験できないキャリアを積んでみてください!
神山:SmartHRはこれからまだまだ高い山を登るために、やるべきこと、やりたいことがたくさんあります!会社がどんどん変化し成長していく様子を間近で感じながら、自分自身の成長実感も感じられる面白いフェーズだと思います。
皆さんは長い仕事人生をふと立ち止まって考えた時に、どんな未来を想像しますか?キャリアの視点だけではなく、広い視点で未来を考えると、自然と自分の価値観ややりたいことが浮き彫りになると思います。
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