事業成長に貢献するHRBPとは。「共創パートナー」を目指す組織人事のイマ
こんにちは!SmartHR 組織人事部の六本木と申します。
2024年7月、SmartHRは人事組織を再編し、新たにHRBP(Human Resource Business Partner)本部が組成されました。
SmartHRのHRBP本部は、大きく2つの部「採用部」と「組織人事部」に分かれています。この記事では、「組織人事部」ってどんな役割なの?というギモンにお答えしたいと思います!
まずはざっくりと、HRBP本部が目指す姿を紹介します。
最終的に目指すのは「共創パートナー」で、課題設定をHRBPが行う点が特徴的です。会社全体のことを俯瞰して、一歩引いた視点で「そもそも」を口にできる立場で課題設定を行うことに、存在意義があると捉えています。
もちろん、場合によっては「コンシェルジュ」や「壁打ち相手」的な振る舞いが求められるシチュエーションもあるため、「共創パートナー」だけを目指すというよりは、役割の中心に据えるイメージを持っています。
HRBPは、今現場で起きている、またはこれから起こる課題に対して、現場でマネジメントしているみなさんと一緒に考えたり、時には働きかけたりしながら解決する責任をもっています。その手段として実行する施策について、採用まわりは採用部にて、それ以外のものは組織人事部で担う役割分担を行っています。
概念的なお話だけでお伝えするのは難しいので、ここからは、実際にチームで働いているメンバーに赤裸々に語ってもらった様子もお届けします!
SmartHRの現在地や、組織人事の置かれている状況、目指す姿、それぞれのキャリアなどについてのリアルを感じ取っていただければ幸いです。
「育成」に関する課題が各組織にある
roppongi:今SmartHRには組織人事が9名いて、社内の各組織を分担していますね。簡単に担当組織のことを教えてもらっていいですか?
jessica:わたしは主に「グロースマーケット事業本部」を担当しています。主に500名以下のお客さまを対象とした、インサイドセールス、セールス、カスタマーサクセスの機能が集まっている事業本部です。
roppongi:jessica さんは前職でもHRBPをやっていたと思いますが、どんな違いがありますか?
jessica:全然違うと感じますね。会社や組織が変わると、向き合う課題もかなり変わってくると感じます。全社的にも言えることではありますが、最近は育成文化の根付き具合には特に伸びしろを感じます。
roppongi:課題はどうやって見つけたり言語化したりしていますか?
jessica:現場組織のマネージャーの方から相談をいただくことも多いですね。パフォーマンスが出ていない方がいて、どうしたらいいですかね?という相談をもらったり、組織の中で育成施策をやりたいので手伝ってほしい、などの要望をいただくこともあります。あとは、毎月行っている組織サーベイの結果などを一緒に見ながら課題を見つけることもあります。
roppongi:人事は、現場での育成力を上げることも期待されているってことですね。onotaku さんはどうですか?
onotaku:わたしは主にエンジニア組織を担当しています。フルリモートなので、コミュニケーションの工夫をするカルチャーがあると感じます。
roppongi:onotaku さんは前職でも、ゲーム事業のHRBPをされてましたよね。エンジニアの多い組織だったのかなと思いますが、どんな違いがありますか?
onotaku:開発しているものの違いは特徴に出やすいと思います。ゲームはミニマムで出すことができないのでリリースまでの期間が長くなりがちですが、SmartHRではミニマムでローンチしてお客さまからのFBをもらって改善していくことが多く、ユーザー目線がより強い感じがしますね。SmartHRのユーザー=人事ということもあり、人事領域自体への関心・期待値が高いように感じます。
roppongi:たしかにそれは感じることも多いかも。今向き合っているメインの組織課題はどんなものですか?
onotaku:エンジニア組織以外にも言えることですが、これまで中途採用100%で組織を大きくしてきていて、育成はやりきれていない部分ですね。目指す将来像はあるものの、急角度の成長を追っていることもあり、まだ期待水準に届いていないのかなという感覚があります。
roppongi:全社的に「育成」がホットなキーワードになっていますよね。
会社の仕組みはまだまだ整っていない
roppongi:会社全体の課題という意味で、入社前に期待していたことと、実際に働いてみて感じたギャップはありますか?
jessica:本当にまだまだ未完成なんだなというのは感じましたね。社員数が700名くらいのタイミングで入社したんですが、感覚でいうと300名くらいのサイズ感の状態だなと。組織拡大のスピードが早かった影響で、いろんな仕組みがまだ整ってないなと感じました。育成、異動の仕組みもまだまだ弱いですしね。
onotaku:わたしはギャップはあまり感じなかったですね。強いて言えば、この規模の会社にしては離職率が低く、離職に対しての「ゆらぎ」が大きいとは感じましたね。「あの人辞めちゃうの!?」みたいな。
jessica:もっと健全な新陳代謝をしてもいいのかも、というのは確かに声が挙がることがありますね。
現場のマネージャーのみなさんとの密な関係
roppongi:onotaku さんはすぐに現場のみなさんと関係構築されていたなと感じているのですが、工夫していたことはありますか?
onotaku:担当組織のチーフ以上と1on1を設定して、顔と名前を覚えてもらうようにコミュニケーションしたのはあるかもです。
roppongi:以前ちょっと1on1のログを見せてもらったりしたんですけど、初回の30分はほぼアイスブレイクや自己紹介、相互理解に使っている印象で、こんなに丁寧にやるのか〜でも確かに大事だよな〜と思ったのを覚えています。
jessica:たしかに、最初からグイグイ組織課題を聞き出されると、現場の方はびっくりしちゃいますもんね。
roppongi:jessica さんも入社直後から現場のマネージャーのみなさんの心をガチッと掴んでいたのを覚えていますが、どんなことに気をつけてましたか?
jessica:まず接点を多く持ちたいと思って、週1でミーティングを設定させてもらっていましたね。ホントは月1ってことになっていたのですがカレンダーの設定を間違えてて、まあでもいいじゃないですか!って週1のままにして(笑)。でも前のめりで来てくれて嬉しい、と言ってもらえました。あとはミーティングで必ずネクストアクションをひとつ持ち帰って、それを確実に進めていくことで、信頼関係を積み重ねました。
現場とともに組織の未来を想像することが、自身の成長につながる
roppongi:入社後、成長したなと感じる点はどんなところですか?
onotaku:少し先の未来を想像して組織と向き合うことが、ちょっとずつできるようになってきたと思います。今、担当組織の2〜3年後を現場のマネージャーの方と一緒に描いています。今までに経験があったことではなく手探りの部分もありますが、現場のみなさんと課題の共通認識も持てて、手応えがあります。
roppongi:確かに最近ロードマップ職人になってる感じがありますよね。コツはどんなところにあるんですか?
onotaku:人事が決めるのではなく、現場のみなさんに決めてもらうことを大事にしています。ロードマップが「与えられたもの」になってしまうと、そのあとの運用が難しくなると思うので。人事は、足りない情報を提供する、思考整理のサポートをするなどの動きをとるようにしています。
jessica:わたしは会社のサポートもありコーチングを学び始めて、そのスキルがマネージャーのみなさんとの会話で役立っているなと感じます。戦略的に相手と会話する力、相手の気持ちを引き出す力がついてきている感じがしますね。
施策に迷ったら、組織人事の中で相談
roppongi:日々いろいろな課題に向き合っていると思いますが、どんな施策を打とうか迷ったときって、どうしてますか?
jessica:現場のみなさんと話して、課題が具体化できたなと思ったら、組織人事どうしで相談することが多いです。自分のユニットの中だったり、となりのユニットだったり、人事のほかの部署の方だったり。実は今、セールスのマネージャーをやっていた方が、異動で組織人事のマネージャーになっているので、現場への解像度も高く、相談することが多いですね。逆に直属のマネージャーであるroppongi さんには相談しないかも(笑)
roppongi:そうそう、あんまり相談されない(笑)。でもそれは意図的で、マネージャーとチーフの間だけで相談して話が進んじゃうと、周りから見えにくくなっちゃうので、あえてそうしてもらっていますね。あと各現場に対する解像度も、わたしより日々直接現場組織に向き合っている他のみなさんのほうが高いと思いますし、そのほうが本質的な議論をしやすいかなと。onotaku さんはどうですか?
onotaku:わたしも組織人事内での相談が多いですね。相談した結果を現場にぶつけてみて、リアクションをみて、ブラッシュアップして…というサイクルに、現場のマネージャーのみなさんも付き合ってくれています。一緒にやっていこうという雰囲気を感じますね。
roppongi:ぜひぶっちゃけトークをしてほしいのですが、今の組織人事チームってどんな特徴があると思いますか?
jessica:みんながお互いを信頼し合っているなと感じます。個人の力で解決するより、チームで解決しようとしていることがいいところだと思いますね。組織人事チームも最近急拡大していますが、それぞれがチームで協力しようという意識が高く、知識の共有を行うなど、お互いに成長しようという空気があると感じます。
roppongi:反対に、今の組織人事チームにまだ足りていないなと感じるのはどんなところですか?
jessica:いろいろありますが、一番は事業に対する目線がまだまだ足りていないことだと思います。組織だけでなく事業をこういうふうに成長させたいというビジョンをもっと持てると良いなと思います。
onotaku:現場目線と人事目線のバランスも大事ですよね。どうしても個別最適に陥りやすいポジションだと思うので、さらにHRBPどうしの協働レベルを上げて、現場や組織に対して最適なバランスで貢献したいですね。
チームとしてもっと強くなって、事業に貢献したい
roppongi:向こう2〜3年を想像して、HRBPとしてチャレンジしたいことはありますか?
onotaku:人や組織に対しての興味関心が昔から強かったので今の仕事をやり続けているし、これからもやっていきたいと思っています。HRBPとして事業の成果に貢献できる実感を持ちたいし、SmartHRであれば実感できる期待を持っています。さらに、プロダクトが人事ドメインというのも、人事組織にいるメンバーとして貢献のチャンスがあると感じています。人事からプロダクトを良くしていけたら良いですよね。
roppongi:もっと担当組織をこうしたい、というビジョンはありますか?
jessica:HRBPが目標に掲げている「共創パートナー」になれたら、より事業に貢献できると感じています。現場の各組織はまだ「強い個の集合」ですが、チームとして成果を出せる組織に変えていきたいですね。あとは、わたしたちのコーポレートミッション(well-working)を日常業務の中で意識できる組織を作っていきたいです。日々の業務ではどうしても短期的な成果に目が向きがちで、それももちろん大事です。でもみんなミッションに共感して入社していると思うので、そこに立ち返ることで、もっと一人ひとりが中長期目線を持てるようになって、結果的に組織基盤がとても強くなるんじゃないかなと思います。
onotaku:コーポレートミッションの意識にもつながりますが、少し目線を上げると未来をどうしていきたいか考えられたり、そこから逆算してお互いに共通認識を持てますよね。それによってより強く「ゆらがない」組織になっていけるといいですよね。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
会社もわれわれ組織人事も、今はまだ発展途上ということが伝わったのではないでしょうか。
数年後に会社の歩みを振り返って、「あのとき組織人事チームが寄り添ってくれてよかった」「あのときあんな提案をしてくれて助かったね」と、現場のみなさんに言っていただけるような、強いチームをつくっていきたいと考えています。
そんな組織人事チームの、次のメンバーになってくれる方を募集中です!
気になった方はぜひ以下より情報をご確認いただけると嬉しいです!