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経営の道具箱に『デザイン』が入っているか|ビジネスとデザインの関係性

スマートキャンプ デザインブログ プロダクトデザイナーのdreamです。
年の瀬でアドベントカレンダーの更新が盛んですね。スマキャンのデザインブログは相変わらずの週1更新でお届けしています。

この時期は、普段ブログを書かない人たちが日頃のお気持ちを言語化してくれるので、ウェットな文章が読めて面白いなあと感じます。

その流れに乗って、今回は『ビジネスとデザインの関係』について、デザイナーとして考えていることを徒然に書いてみようと思います。

デザイナーは『ビジネス』への関心が薄い?

「ビジネスとデザインをどのように捉えていますか?」

先日、グループ会社であるマネーフォワードのCDO、セルジオさんから聞かれました。デザイナーがビジネスへの貢献をどのように捉えるか、というのはSNSなどでもよく見かける問いかけです。
最近では「デザイナーもビジネス貢献を意識すべき」という考え方が広がり、スタンダードになっているようにも思えます。

逆を返すと「デザイナーはビジネス意識が足りない」という前提はどこから生まれてきたのでしょうか。一口にデザイナーといっても様々な職種があるので、環境によって意識のムラはあるかもしれませんが、今も昔もデザインとビジネスが無関係だったことはないように思えます。

個人としては、ビジネス的に小さく成功を続けていくことが、企業の存続のためには不可欠であり、ビジネスを含めたあらゆる企業活動を成功に導く手段としてデザインは重要なものだと考えています。

『ビジネス』と『デザイン』の間違った二項対立

企業活動を続ける以上、生存のためにビジネス的な成功を収めることは必須条件です。ビジネスの生命線を危機にさらしてまで、自分のデザインを成立させようとするデザイナーなんているのでしょうか..…。
( いたとしても非常に希少で、そこには別の理由がある気がします)

一方で、なんとなく「ビジネスサイドとデザインサイドは対立しやすい」というイメージも存在します。

このイメージがどこから来るのでしょうか?
仮説として『ビジネス』という単語を『戦略』と解釈するか『戦術』と解釈するかによって変わってくるような気がします。

生存するためのビジネス戦略を、手段となるデザインが阻害しようとすることはありませんが、戦術を選ぶ時にビジネス的なアプローチをとるか、デザイン的なアプローチをとるかという選択の岐路はありえそうです。

例えば、3年後に向けたロードマップを立てるにあたり、以下2つのことを考慮するとします。このとき、どちらから考え始めるでしょうか。

  1. どうやって事業を存続させるか

  2. どんな未来を目指すか

2つの観点はどちらも重要で不可欠なものですが、どちらが考えやすいかで言えば、考える人が辿ってきたキャリアや思考性によって変わってくるでしょう。

不確実性の高い未来に向けて戦術を選ぶ時、そこには意思決定者の思想やこれまでの蓄積が意図せずに反映される気がしています。未来の輪郭を掴むために、使い慣れた手法から組み立てていくのは自然なことです。

しかし、使いやすい戦術ばかりを選んでいると、観点の見逃しが生まれ、見えていなかった盲点から事業のバランスが崩れてしまいます。

この不安定さをデザイナーが感じ取ると「うちの会社、ビジネス的な戦術ばかりだな」と心配になったり、逆にビジネスサイドが感じ取ると「デザイナーには、いまいちビジネス的な判断を理解してもらえない」と感じて落胆する、ということが起こるのかもしれません。

一生懸命に未来を拓こうとしてすれ違ってしまう理由が、『使い慣れた道具を選んだ』だけのことだとしたら、少しやるせない気持ちになりますね。

経営の道具箱に『ビジネス』と『デザイン』を。

戦術としての『ビジネス』と『デザイン』は対立するものではありません。山の登り方を考えるとき、本来は同じ道具箱に入れておくものではないでしょうか。

デザイン経営やデザイン思考という言葉が流行りだしていますが、これらの概念を道具として捉え、使い所を検証してみた経営層はどれくらいいるでしょう。逆に自分のデザインアイディアを、ビジネス的観点から因数分解して説明できるデザイナーもどれくらいいるでしょうか。

新しい観点を身につけようとするとき、どんなこともまずは重要性を認めることから始まります。最近の「経営にデザインを取り入れるべき」という論は、重要視を始めるきっかけとして素晴らしいことです。

そして次には「使ってみる」という段階に進む人が増えてほしいなあと感じます。道具というものは、いきなりうまく扱うことはできません。使いこなせるまで使ってみることが重要です。

日本では、経営にデザイナーが入っている企業がまだまだ少ないと聞きます。それはつまり、多くの企業が経営の道具箱に『デザイン』を持てていないということではないでしょうか。

これからの『ビジネス』と『デザイン』の関係性を考えるにあたり、デザイナーは自分の道具箱に『ビジネス』を取り込み、経営の道具箱に『デザイン』を入れる方法を考えていくことが必要かもしれません。

どんな戦術も使えるに越したことはないですから、チャンスがくれば2022年も新しい知識や技術に触れていきたいですね。

……大変徒然となってしまいましたが、2021年最後の投稿でした!
来年もスマートキャンプデザインブログをよろしくお願いします!
年始の年賀状投稿もお楽しみに!!!

WRITER:Yume Takamatsu ( Product Designer / TW: @dream_yt95 )


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