構造的に必衰する医学予備校
今日は医学予備校について。
年を追うごとに困難さを増す医学部入試。私立でも偏差値60を割る大学はありません。
・大量の受験生が存在する。
・合格するまで何年も浪人する人がいる。
・保護者が比較的金銭的にゆとりがある。
となれば、ビジネスとして「美味しい」と見える経営者は多いでしょう。
そのため医学予備校へ参入する企業が増えています。
スタートアップで医学予備校を立ち上げるところもあれば、既存の医学予備校が校舎を増やしたり、大手予備校が医学予備校を買収する例も増えています。
高額な学費(300万円くらい~1000万円超)を何年も払ってくれる消費者が存在する以上、参入しない手はないということなのかなと思います。
しかし、このような業界の動きに対して私は冷ややかな視線を送っています。
というのも、構造的に医学予備校は発展性がないからです。医学予備校の最大の商品は、一人の受験生に一人の先生をつけて指導するなどのサービスではなく、受験生を合格させることです。
しかし、この数は、すでに枠として決まっています。全国の医学部の合格者数はほぼ一定だからです。たとえ、どんなに企業が努力しても、枠を増やせない構造になっていれば、参入者が増えれば増えるほど消耗戦となるのは必然です。
医学予備校は多数の合格者を出せるところだけが生き残り、そうでないところは退場を余儀なくさせられるでしょう。そんな不安定な環境で安心して仕事をすることは難しいのではと思っています。
私は、できることなら医学予備校とは縁のない講師でありたいなと思って仕事をしています。