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来年の共通テストを占う、気になる発言

そろそろ共通テストネタは、終わりにしたいところなのですが、いろいろ出てくるので、触れざるを得ません。

今回は、文部科学省の末松大臣のコメントです。気になるのは、太字の部分です。
「共通テストは各教科・科目の特性に応じて知能・技能のみならず、思考力・判断力・表現力等を重視して評価を行うもの。私としては全体的に授業での学習のプロセスや日常生活の場面を題材にした問題、さまざまな資料や図から複数の情報を読み取って活用する能力を問う問題等、単なる暗記再生型の出題ではなく、共通テストが意図する能力を問う点がより明確になっている

出典はこちら

大臣のコメントは、そのまま文科省の官僚の見解ということでいいと思います。

まず、この根強く存在する、単なる暗記再生型の出題への批判の根拠は、一体どこからくるのでしょうか。

このような言説が登場するたびに、発言主は、暗記=ドラえもんの暗記パンのようなインプットと理解しているのではないかと疑ってしまいます。

そもそも、何の学問であれ、一定の詰め込みは仕方ありません。基礎事項が思考の土台となるものは、まずは覚えることから始まります。暗記から意味がわかってくるのは、ある意味、学びの基本ともいえます。

化学で化学式を「暗記」せずに、反応系統を追うなどは不可能です。高校生カテゴリーにおいて、一定量の詰め込み学習が必要とされるのは、当然のことです。
もちろん、暗記再生「だけ」の試験は問題ですが、これまでのセンター試験は、そうではなかった以上、共通テストに変えなければ、コメントにある、共通テストが意図する能力が、問えなかったとまでは言えないのではと思います。

さらに、さまざまな資料や図から複数の情報を読み取って活用する能力を育む授業は、学校現場でどの程度行われているのでしょうか。ただでさえ、教科内容を教えることで四苦八苦されている学校の先生に、さらに負担せよと言っているのでしょうか。現場目線では、実体の伴わない議論の様にしか見えません。

私もそうですが、来年の共通テスト対策はどうすべきか頭を抱えている関係者は、大量に存在するでしょう。
また、文系科目もそうなるのは、時間の問題と見ている英語、国語、社会の先生も大量にいることでしょう。

2次対策もあり、どのようなスケジュールで学習を組み立てるべきか、本当に困った問題だと感じています。



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