知らないことを論理回路で解きほぐす【共通テスト化学2021年※解説はしていません】
共通テスト対策もそろそろペースが上がってきている頃かと思います。
こちらの記事でも紹介していますが、今年度の共通テスト対策でカギを握るのは、理系の場合は、理科ではと思います。
いろんな問題集や演習教材が出回っていますが、これらが「出題されるかも」という視点で見てもそこまでの効果はないと思います。
それよりも、「知らない知識」の問題を論理力を使ってどのように答えを導くか。この練習が大切ではと思います。
というのも、これが新しい時代の学力観の一つと考えられるからです。
2021年の化学の↓の問題がそれを体現しているのかなと考えています。
(1)として紹介されている錯イオンの反応式を見たことがあるという受験生はほとんどいないでしょう。そんな条件下でいかに答えを導きだすかがポイントとなる問題です。暗記であったり、解法の自動化では対応できない問題です。
多くの受験生を惑わせたのが三番目の設問cです。
これは、読解力を問われるている問題でもあります。
問題のリード文から、(C2O4)2-の量がポイントとなることを理解し、さらに実験Ⅱの文章から、生成した[Fe(C2O4)2]2-の錯イオンと反応残りの[Fe(C2O4)3]3-から試薬によって、(C2O4)2-が遊離したことを読み取る必要があります。
本問の構成は、
・未知の反応式を読み取る力
・問題のリード文から読み取れることを解法に落とし込む力
・それらをまとめ上げる力
が問われています。
今年度の問題にもこのような構成の問題が出題される可能性があります。
頼れるのは、知識ではなく、「化学的な論理力」です。
このような問題は、論理回路を回す練習なしに解くのは難しいでしょう。
まだ解いていない人は、ぜひ解いておくべき大切な問題だと思います。また、一度解いた人も再度トライしてみてください。
そのような視点で類題演習もやっておきましょう。