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デジタル化は、たぶん人をダメにする(7)【便利さを手にしたときに起きる思考の変化】

デジタル化によって、人はダメになっていくのではないか。
私はそのような危機感を持つようになっています。

その危機感は何よりも自分自身の劣化を実感するから切実でもあります。少なくとも、デジタル化によって自身が進化しているとは思えません。

そんな観点から、記事を書いています。前回はこちら。

今回は、デジタル化によって、被害を被る弱者について考えます。

お隣の韓国は、デジタル先進国だと思っています。
そう思う理由のひとつに、福岡にやってくる韓国の若者は、
・観光地以外でもよく見かける。
・公共交通機関を上手に活用している。
という現実があります。

それを可能にしているのは、彼らがスマートフォンを上手に活用して旅行を楽しんでいることが明らかだからです。

そんな、デジタル先進国である韓国で、↓の記事のような現実があるのだとか。

「ガラスの壁」のある技術。使える人と使えない人に分かれる技術は、いつでも暴力となりうる。技術弱者に対する配慮のない韓国社会において、高齢者が一人でタクシーに乗る機会を奪うカカオタクシーアプリは、ある意味では高齢者を虐待する技術だ。

上記記事より

筆者は、韓国のお医者さんですが、高齢者と向き合うお仕事を通じて、韓国のデジタル化による弊害をレポートされておられます。

韓国は日本よりも儒教の考えが浸透している国と言われています。
公共交通機関での優先席での考え方は、かなり徹底している。

そんな韓国であっても、タクシーアプリを使えない高齢者がタクシーに乗れないという現実は、日本人としてよく理解しておくべき現実であると思っています。

というのは、徹底して高齢者を敬う文化のある国であっても、一度人間が便利さを手にしてしまうと、それから零れ落ちる人への想像力が欠けてしまうというのは、人間の性質だろうと思うからです。

「私は、〇〇なので、スマートフォンを上手に使えません。だから、私たちに配慮した仕組みをお願いします」
という主張があれば、

・便利さを邪魔する連中だ。

・そんな連中に「配慮」すればコストが上がる。

・だったら、スマートフォンを使えるようにするべきだ

という思考に傾く傾向にあると思うからです。

人間は便利であるものを手にすると、それを手放したくなくなる。
その心理が思考に影響を与え、考え方を変化させる。

そういうメカニズムがあるのではと感じています。

なので、マイナンバーカードに反対する人に対して、「便利になるのになぜ反対するのか」という思考になる人がいるのは、納得感があるなと感じています。



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