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九州大理系数学2023年解説[3]ベクトル 【絶望の(3)。逃げるが勝ちということか?】

今年の九大の入試問題の解説をアップしています。
今回は理系数学[3]のベクトルです。
扱う素材は、文系[3]と同じです。九大ではよくあるパターンですね。

ただ、理系は強度強めですね(-_-;)

問題はこちら。

どの順番で解いたとしても、[3]にたどり着いた受験生は、結構な精神的な疲労と完答なしのプレッシャーだったのではと思います。例年であれば、ベクトルは典型問題が多いので、ここはオアシスだと思ったら、あにはからんや、オアシスは幻のように消え去りました。

厳しすぎるぞ、今年の九大理系数学!

(1)は、D=adーbc=0は、平行条件ですね。
条件Ⅰは、平行では成り立たないと言ってますね。
・・・となれば、証明の方向性は背理法ということでしょう。
D=0と仮定して矛盾を突きます。

(2)は文系と共通問題です。こちらをご参照ください。

問題は(3)ですね。
文系の(3)よりは、(2)の存在意義が見えにくかったですね。結果論ですが、見えなかった受験生は早々に諦めたと思うので、その方がよかったのか・・・。なまじ気づいた受験生の方がきつかったのではと感じています。

文系と同様に、条件式を使って、rとsを分離します。

・・・となれば、(2)のことを考えると成分で議論するのでしょうから、qベクトルを成分として表していきます。

となり、rとsは整数だと言っているので、D=±1がまずは見えます。問題はこれ以外の答えがあるのかを考えたかどうか。まじめな受験生は、「もしかして・・・」をあれこれ考えたのかなと思うと、心が痛みます。ここでのロスタイムは結構ダメージがあったのかなと思います。なんかあるのかもという疑心暗鬼になるのが受験生心理でしょうし・・・。

結果論ですが、「知らんがな(´・ω・`)」と逃げるが勝ちだったのかなと。

・・・と何とか頑張った受験生もいたことでしょう。ただ、これって必要性だっけ?と思った受験生がどれくらいいたのかなあ。そもそも、そんなことを考える余裕はあったのか。

完答率はどれだけだったのでしょう。頑張った受験生ほど疲労度が大きかったかも。この時点で[4]を残していたら、かなりきつかったかもですね。

どこのタイミングであっても、(3)は、逃げるが勝ちだったようですね。


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