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数学の戦略上の分岐点。九大理系数学の難化をどう読むか【数学ⅠAⅡBの勉強法の難しさ】

そろそろ部活を引退したという高3生が出てきています。学校の課外授業も動き始めている学校も増え、いよいよ受験生らしい日常がみえてきました。

そんな受験生、とりわけ理系の受験生とって、悩ましい問題が数学の問題です。
九州大学を志望する受験生と向き合うことが多いこともあり、九大理系数学の対策を考える上で、ひとつ悩ましいのが、数学ⅠAⅡBの問題です。

センター試験晩期から共通テストに切り替わる頃から、九大理系数学は難化の一途をたどっています。さらに、新傾向ともいうべき問題も入ってきており、変化を感じます。

青チャートをやっておけばいいという戦略が通じなくなっていることは大きな変化です。それは、いわゆるパターンをインプットして、出題された問題を事前に準備されたパターンに当てはめてアウトプットするという戦略が徐々に通用しなくなっていることを意味します。

そのあたりは、配布されるプリントにも学校の先生の危機感を感じ取ることができます。かつては、難関大の問題をズラッと並べたプリントが多かったのですが、今はバラエティーに富んだ問題を入れています。広く浅くという意識が垣間見えます。

また、その変化をモロに受けていると感じるのが数学ⅠAⅡBです。九大理系数学の出題は5題で、ざっくり言って、半分が数学Ⅲからの出題です。数学Ⅲは、複素数平面や微分積分という問題が鎮座している分、方向性が出しやすいですが、数学ⅠAⅡBは扱いが難しいと感じます。

それは、自学でどのような勉強をすればいいかが見えてこないという問題に帰結します。

で書いたように、確率の扱いの低下は、九大理系数学での重要度の低下に起因するのだろうと観ています。だからといって、勉強しなくてよいというわけではない。

確率のように、数学ⅠAⅡBの単元は、「やるべきであるが、ある程度、無駄になることを想定する」勉強とならざるを得ない。コスパ的な発想であまり見たくないものの、ここはこの指標を入れないと、対応を間違えてしまうリスクは高いのは間違いないでしょう。

勤務塾は、単元横断型の講座をしない塾ですが、映像などでそのようなラインナップをしている塾を見ると、違和感があります。方向性が違うなと思うからでしょう。

長期的に見ると、総合型選抜入試が活発化する中で、一般入試、とりわけ国公立大学の入試問題は、新しい指標を模索して動いているのでしょう。ただ、だからといって、受験生の日常に変化を起こせるほどの「環境」は簡単に整えることは難しい。

ではどうするか。それを考えるのも私たちの仕事だと感じています。

塾の存在をあれこれ批判する方のお気持ちはわかりますが、このような端境期に一番汗を流しているのもこの業界であることもご理解いただけるとありがたいかなとは思います。

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