岡山大、後期入試廃止の意味
今回は、この記事から。
ポイントは、↓かと思われます。
後期の募集枠は、調査書や面接を中心に合否を決める総合型選抜(旧AO入試)、学校推薦型選抜(旧推薦入試)に振り替える計画で、多様な学生の確保につなげるとしている。
これまで、前期後期も同じ大学を受ける受験生でない限り、後期は滑り止めという認識の受験生が大半でした。第一志望でないことが消化不良となり、大学での学びの意欲を持てなくなったり、中退して再受験したいという学生を生んでいた背景があるのではと推察します。
そのため、後期試験の廃止は理解できる一面があります。
ただ、その定員を前期に振り分けるのではなく、旧AO入試や旧推薦入試を拡充させようというのが個人的に引っかかる点かなと思います。
そもそも、多様な学生の確保という点に、特段反対する理由はありません。
ただ、
私立大との競合や進学先を早く決めようとする受験生の傾向を踏まえて判断した。定員数は例年6月末ごろに公表する入学者選抜要項で示すといい、同大は「本学を第一志望とし、社会的課題の解決や持続可能な社会の実現を目指す意欲のある学生を獲得したい」としている。
掲げている理由に釈然としないところがあります。第一志望というのは、ともかく、
早く進学先を決めたい受験生が、問題解決を目指す意欲があるという文脈には首を傾げざるを得ません。
現場の感覚では、そのような受験生っているのかな?という感覚だからです。
さらに言い換えると、一般入試で入ってくる学生にはそのような資質が欠けていると言わんばかりで、それはどうなんだろうという強い違和感があります。
ただ、大学現場では、このままでいいのかという切迫感があるのだろうと思います。大学の先生たち自身が一般入試組であることも踏まえると、AOや推薦に過度な期待をかけているというよりも、そのような方式を拡充することで、でこれまでとは違った形で学生を確保する方がいいという判断なのでしょう。
つまり、このような学生を受け入れて、しばらく様子を見たいというのが本音なのかなとも感じます。
私は、学ぶ意欲のある学生は、一般入試の方が沢山いるという認識なので、学ぶ意欲のインフレ化には違和感しかありません。入試方式の検討を精査した方がいいのではと思います。
というのも、京都大学理学部の特色入試について、文句を言っている人を見たことがないからです。この入試では、えげつない数学の問題を課しますが、こんな問題をチャレンジしようという学生は、当然学ぶ意欲があるだろうと一も二もなく考えるからでしょう。
面接やワークショップなどを活用しつつも、ちゃんと学力試験を課せば、多くの人が納得するのではと思っています。
ようは、見方によっては、推薦やAO型入試が入試の抜け道のようになっていることが、多くの人の公平でないという認識を生むのではと思っています。
また、学力試験を課さないことが、一般入試組と非一般入試組を分断することにもなっていると思います。