国際カミングアウトデーでの「事件」について、思うこと。
10月11日は、国際カミングアウトデーだったのだそうです。寡聞にしてまったく知りませんでした。皮肉にも花王のシャンプー・メリットのTwitterアカウントの炎上によって知ることになりました。
物議をかもした花王のツイートについては、削除されるかもしれませんので、気になる方はご自身でご検索をお願いいたします。
花王は「思慮に欠けた」のか?
正直、この問題よくわかりません。
花王のツイートが不適切だと指摘または批判されたり、謝罪に発展したのは、やはり、一橋大学での事件が根っこにあるのだろうと思います。
花王の担当者は、メリットシャンプーの良さを知ってほしいという「業務意識」からの行動であり、「カミングアウト問題を軽視」したからとは思えません。確かに「深く知らなかったこと」は批判されうることかもしれませんが、知らないことなど誰しもたくさん抱えています。
また調べればすぐにわかる問題だったかどうかも微妙なところです。また、ダブルチェックなどの複数の確認の目があったとしても、すり抜けた可能性は十分にあるのではと思います。
問題だと指摘する方の意図は理解できるので、花王の対応が問題がなかったとは言えないと思いますが、「思慮」に欠けたというのは、どうなのでしょう。そもそも思慮しないといけない問題という視点がなければ、思慮のしようがないのではとも思います。
インターネットは集合知。知らないことを責めるのではなく・・・
花王の担当の方がどのような環境で働いておられたのかはわかりませんが、一つのツイートに何時間もかけて下調べをしてから発信するような「贅沢な環境」だったとは思えません。
このような炎上案件を目にするたびに、ちゃんとやっていれば防げたという観点から批判が殺到することに何とも複雑な感想を持ってしまいます。もちろん、程度問題があり、ちょっと調べればわかることであったり、問題意識が社会で共有されていることについては、知らないでは済まされません。
しかし、多種多様な方向にかつ完全にアンテナを張り巡らすことは難しい以上、迂闊にも知らなかったことは、個人でも組織でもあり得そうに思います。その時、ソフトランディングする知恵が欲しいかなと思います。何か問題があれば、炎上というのは、あまりに短絡的だと感じてしまいます。
インターネットは集合知の良さがあると思います。その良さがもっと発揮されることで、少しだけ社会が生きやすくなればいいのにと思わざるを得ません。