【#共通テスト2025(5)】数学B「統計的な推測」の難易度はいかに【事実上、文系必須となった影響は?】
来年度の共通テストについて考えるシリーズ、今回は5回目です。
前回はこちら
今回は、数学Bの「統計的な推測」についてです。
これについては、これまでも数学Bで出題されていましたが、ほぼ誰も選択せず、ネグレクト状態の単元でした。
ところが、今回数学ⅡBが数学ⅡBCとなり、数学B&Cは、「数列」「統計的な推測」「2次曲線・複素数平面」からの3題選択となり、文系受験生は、理系しか学ばない「2次曲線・複素数平面」を選べませんので、「統計的な推測」は事実上の必須となります。
これをどう読み解くのかは、一つの焦点です。
最大のポイントは、この「統計的な推測」の難易度です。
「高校現場の事を理解している」大学の先生が出題するのであれば、難易度はそれなりになるというのが常識的な見方でしょう。
というのも、これまで高校の現場では、「統計的な推測」は、実質スキップされていることが大半で、そもそも数学の先生であっても、高校時代学んでいない方の方がマジョリティ。
また、数学科出身の先生であれば、統計は大学での専門として勉強していないでしょうから、この単元は完全にエアポケットになっているからです。
なので、きちんと学習できる環境がないのに、激ムズの問題は出せないと考えるのが常識的な見方でしょう。
また、「統計的な推測」が「複素数平面」と違うのは、過去問が豊富にある点が異なっています。とりあえずは、これまでの過去問からは大きくは逸脱しないとみていいのではと思っています。
ただ、注意点としては、「統計的な推測」は、理解のハードルが高い点が大きなネックとなる点です。問題によっては、正規分布表を活用しなければならない。
さらに、演習不足から慣れていない受験生の方が圧倒的に多い。その意味でも、他の単元よりは、早めにかつ重点的に共通テストに向けて勉強することが求められると思います。
あと、前回でも書きましたが、理系の受験生も準備をしておく方が無難だと思います。試作問題を見る限り、「複素数平面」が難しい問題となる想定もあり得ます。
複素数平面の単元的な性質を考えると、「統計的な推測」に保険をかけておく意味はあると思います。