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マルコフニコフ則と第3級アルコール【化学研究ノート214】
九州の高校生は、理科の教材として研究ノートというのを持っています。高校の先生方が執筆され、問題のセレクションについては、高度な内容も扱う「攻めている」問題集です。
ただ、解説がわかりにくいと生徒が質問に駆け込んでくる問題集でもあります(^^;
今回は、化学の質問でした。
問題はこちら。
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マルコフニコフ則の問題ですね。問題のリード文にあるように、付加反応でC=C2重結合のπ結合が切れたことによって生じる結合の手に、水素原子は、水素原子が多い炭素に付加するという性質です。
構造式を書きながら解いていくといいでしょう。
(1)
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となります。
(2)は、元の形を復元する問題ですね。主反応、副反応の構造から元のC=Cを復元するとよいでしょう。
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C1の方がH原子の数が多いことを意識しつつ、C1とC2の間に二重結合があったと判断できそうです。
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となります。
(3)は、Cが第3級アルコールであることがポイントです。直鎖構造のみのアルコールには第3級アルコールはありません。
なので、初めから側鎖のある構造から考えることが思考の省略となります。
C5H10は、不飽和度が1であることを確認し、C=Cは1つとなることを踏まえ、ーOHがついている炭素原子には、H原子が存在しない形になる。
よって、炭素が4つの直鎖構造+側鎖にメチル基が1つのアルコールがCでしょう。
さらにDは、ケトンを生じるので第2級アルコールになる。
以上を踏まえて構造を予想していくと
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となります。