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九州大、過去10年で最高の現役合格率を読み解く。
今回は8日に発表のあった九州大一般入試前期日程の合格率について考えます。
表題あるように、今回現役合格率が70%を超え、過去10年で最高となったとのことです。
70%超というのは、衝撃的な数字です。
というのも、これまで九大には浪人(できれば1浪)して行くことが普通とされていたからです。
福岡市内には、毎年九大合格者数のベスト3を占める御三家と呼ばれる公立高校があります(福岡高、筑紫丘高、修猷館高)。
家庭教師時代を含めると、すべての学校の生徒さんを指導したことがありますが、この3校の受験生であっても浪人して九大というのが半ば、常識化していました。
3桁の合格者を出す学校ですが、現役での合格は大変というのが現実だったのです。
では、現役合格者が大量に出た背景には何があるのでしょうか。以下のように推察してみました。
(1)浪人生が少なかった
これが一番有力な説かなと感じています。1浪生は、共通テスト初年度の受験生。その前年はセンター試験最終年だったので、1浪生が現役だった年も浪人生が少なかった。この玉突き現象で浪人生が減ったのかなと思います。
センター試験最終年の受験生が浪人を避けたことが2年続けて浪人生が少なくなるという現象を生んだのではと思います。
(2)コロナの影響で学校行事が縮小された
九州の公立高校は、伝統的に体育祭(運動会)や文化祭に力を入れています。概ね9月上旬に開催されるので、夏に十分な勉強ができない受験生を大量に生みます。上記の御三家の「4年で九大」という伝統もこの学校行事の影響が大きいです。
ところが、コロナの影響で、どの学校も活動が制限されたことで、結果として勉強をする時間が取れたという結果になりました。皮肉な結果かもしれません。
(3)数学が難しく、理科が取り組みやすくかった
理系の場合ですが、2022年のセットは、数学が難化し、理科は取り組みやすいセットになりました。
理科は、物理、化学ともに標準問題しか出ず、やや難レベルがなかったことで、現役が浪人に迫ることが出来た要因になったのではと思います。
現浪差は理科に顕著にでるので、これは大きい要因になったかなと思います。
数学の難化の影響で、浪人生が十分にスコア出来ずに、現役の猛追に飲み込まれたパターンもあったのではと思います。
まだいろんな要因があるかもしれませんが、この(1)~(3)が複雑に絡み合って過去10年で最高の現役合格率になったのかなと感じています。
現役でも行ける難関大としての九大をイメージしつつ来年の入試に備えたいとおもいます。