2022年九大理系数学[3]その2
2022年九大理系数学[3]を解説しています。
前回はこちら。
今回は、(2)を解説します。
問題はこちら
まず、168=2^3×3×7なので、n^2ー1が2^3=8の倍数であり、3の倍数であり、7の倍数であることを示すことをが基本の流れになりそうです。
まず、3の倍数であることは、
(1)でnが奇数であることが分かっているので、
とできそうですね。
次に8の倍数であることは、
整数問題は積の形で考えるというセオリ通り、n^2ー1=(nー1)(n+1)と因数分解できます。
(1)でnは奇数とわかっているので、nー1,n+1は共に偶数であることがわかります。連続する2つの偶数は、少なくともどちらかが4の倍数です。なので、(nー1)(n+1)は8の倍数と言えそうです。
問題は7の倍数です。
3の倍数であること同様にmodで考えていくのですが、
のうち、l^2=2、4がn^2ー1≡0としてよいかという点が悩みどころです。受験生としては、そのまま突っ込んで減点を食らうのは、怖いと思うところでしょう。
ここは、出題の先生が(1)で配慮してくれています。
(n^2+1)/2 と、(n^2ー1)/2がお互いに素
であることを活用してもよいよというメッセージを読み解きましょう。
つまり、n^2+1が7の倍数でないことを示してもよいのです。
なので、
という流れで示せそうです。
という流れです。
示すポイントを分割し、それぞれを丁寧に考察することが求められた問題でした。さらに7の倍数の示し方にはひねりがあり、良く練られた問題だったなと感じます。
(追記)
見直しをして、気づいたのですが、(ⅰ)の3の倍数についても、(n^2+1)/2 と、(n^2ー1)/2がお互いに素の整数の性質を使っても証明できそうですね。(n^2+1)/2 が3の倍数にならないことを示すこともできます。
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