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強豪私立高校が次々に敗退している夏の高校野球から考える「大学入試・一般入試の改善策」【因数をひとついじるとアウトプットが大きく変わるのであれば・・・】

ここのところ、高校野球に異変が起きているとのこと。

島根県立の大社高校が、甲子園では常連の報徳学園(兵庫)、創成館(長崎)という私立高校を撃破し3回戦進出を果たしました。

栃木県は、県立進学校の石橋高校が代表校になっています。

こちらも県予選で作新学院、国学院栃木と強豪私立高校を破っての甲子園出場です。

さらには、本大会では大阪桐蔭高校、智弁和歌山高校がすでに姿を消しています。

このように強豪私立高校に対してジャイアントキリングが起きているようですが、その要因が「低反発バット」の影響であるという指摘があります。

これは、マクロ的にみるととても興味深い現象です。

大阪桐蔭高校は、全国規模でのハイレベルの選手集め、60人程度の部員数も含めた恵まれた練習環境など4年前の選手権制覇のときは、一つの完成形なのではと思っていました。

それが、あえて言えば、「低反発バットくらいの要因」でその優位性が崩れるのかというのはある意味驚きでもあります。

これに運の要素が強くなるタイブレーク制度も加味すれば、不確定要素はさらに大きくなる。

私は高校野球の7イニング制には賛成ですが、

勝つことへのプレッシャーもある強豪私立高校の監督さんからすれば、これ以上不確定要因は増えてほしくないというお気持ちも理解できるところです。

これを大学入試に置き換えてみたらどうでしょうか。

低反発バットは、安全性から導入されていますが、ボールが飛ばないという結果がもたらしたものは、「格差の緩和」ともいえなくもない。

今、一般入試に求められている視点は、競争を緩和するという視点ではないかなと思っています。

首都圏では、地方民からすれば、異常としかみないほど中学入試が過熱しているとのことですが、これは、高校野球でいえば、強豪校に生徒たちが押し寄せているようなものと解することも可能でしょう。

それは、野球強豪校に行けば、甲子園に、プロ野球選手に、近くなるというのと同じように、中高一貫校に行けば、難関大・難関学部が近づくということになるということと理屈はほぼ同じということが言えるのかなと思っています。

その背景には、一般入試において、中高一貫校が有利な制度になっているという点はあるのではと思います。

私のような人間の頭では、どの変数をいじれば、その優位性に歯止めがかかり、過当競争の緩和につながるのか、皆目わかりませんが、何かちょっとした工夫ひとつで、それは可能なのかもしれません。

共通テストは、そのような趣旨があったのだろうと思いましたが、数学の超難化という劇薬が効きすぎて、今は委縮傾向になっているような気もします。
一般入試のオルタナティブであるはずの総合型選抜入試もまだ整備の途中という感じは否めません。

時代の変化もありますから、最適解への模索は、今後も継続してもらいたいところです。

今回の高校野球での低反発バットによる効果は、一種のセレンディピティなのだろうと思っています。
一般入試も諦めずに制度の向上への努力を怠らなければ、意外な因数が見つかるかもしれません。

過剰な競争は、過剰適応を起こします。環境への過剰適応は、環境が変わると適応できずに種が滅ぶという生命の歴史があります。

ペーパーテストができる人は、今の時代は、人生に大きなアドバンテージとリスクヘッジをもたらす恵まれたギフテッドだと思いますが、それが絶対的な能力として、オールマイティとなる社会は、それはそれでちょっとまずいことも事実ではないかなと思っています。

多様性というよりも、リスク管理という点で、もう少し一般入試は格差を緩和する要因を見つけられる方が豊かな社会になるのではないかなと思っていますが、果たしてそれは可能なのか。

これは今後も考えていきたいテーマでもありますね。




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