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思い込みは禁物。【図形と方程式:青山学院大】
今回も受験生からの質問です。青山学院大の問題でした。問題はこちら。
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(1)は特に問題ないとのことでした。
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問題は(2)とのこと。kの範囲の最小値が合わないとのことでした。
最大値はy=ーx+kとして、(xー2)^2+y^2=4の円と接するところだとわかります。
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問題はkの最小の方です。
つい、y=ーx+kが上図のO点とA点の両方を通ると考えてしまいがちですが、即断は危険です。
O点を通る場合とA点を通る場合をそれぞれ検討していきましょう。
・O点のみを通る場合は、k=0は明らかですね。
・A点を通る場合、A点を求める必要があります。2円の方程式は、
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ですが、これから片方の文字を消去するのは、やり方を知らないとすぐに思いつかないかもしれません。
今回は片方の点が原点であるという性質を利用してもいいかなと思いました。
なので、今回はO点とA点を通る直線の式 y=lx・・・③を導入して解いていきます。
つまり、①式と③式の交点は、点Oと点Aであり、かつ②式と③式の交点であるという性質を利用するのです。
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これで点Aがわかります。
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あとは、y+x=kに代入してkの最小値をもとめ、kの範囲を出します。
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2円の交点は、x^2+y^2の項を消去して、x、yの1次式を導出して、どちらかの円の方程式に返すのがよく知られたやり方ですが、問題の特性を利用するのもありなのではと思います。
本問は思い込みが思考を曇らせる可能性がある問題でした。可能性を一つ一つ検証する姿勢は大切ですね。