九州大理系数学2024年総括&2025年展望【現役生と浪人生では異なる戦略が必要か?】
2023年のあまりに厳しいセットを踏まえ、易化は規定路線だったとしても、ここまでグレードダウンするのは、想定外でした。
何より驚いたのは、計算量の激減。まともな計算があるのは、[2]と[5](1)くらいでした。
2023年の「まっしろしろすけ」の答案だったとは推測されるとしても、あまりの現実にすっかり弱気になってしまったのでしょうか。
また、共通テスト時代の新しい方向性なのかと思われた「長文問題」は予想通り姿を消しました。これについては、私は方向性を間違えていると思っていたので、来年以降は形を変えて何かやってくる可能性はあるとしても、これまでの問題の恒久化を薄めさせたのはよかったと思います。
入試問題として出せば、勉強するだろうという読みもあったと思いますが、この長文問題は、教材の調達を含め、対策が難しい。
なので、「現実的な選択」として多くの受験生は「捨てます」。
学校でもほとんど扱っていない現実もあり、選抜としての機能をはたしていないと思っていましたので、妥当な流れではと思います。
2024年のセットは、直近10年で最も易しかったのは間違いなく、上昇曲線を続けていた難化路線はここでひとまず小休止となりました。
来年は、少なくとも2024年よりは難しくなることは間違いないところですが、その上限はどの程度なのかは、見極めが難しくなったのかなと感じます。
また、時間的余裕のある浪人生と現役生では戦略が異なるのかなとみています。
浪人生は、積分体積の高度な問題への備え、精緻な論証を伴う整数問題への備えまでやることで現役生との差をしっかりとつけたいところでしょう。
一方、現役生は、標準問題の演習を通じて、取れる問題をそつなく取りきるという姿勢が大事かなと思います。
文系数学のように難易度のグラデーションが割とはっきり出るような出題に収れんしていく可能性を感じています。
その意味では2024年のセットは転換点となったのかもしれません。
こればかりはあと数年の経過を見る必要がありますが、大幅な難化のトレンドは消えた可能性もある。
その意味では、あまりに2024年がこれまでの九大理系数学としては易しすぎたので、いろんな解釈を生む余地が出てしまったかなと感じます。
あまりに激しい難易度の上下動は、学校の先生も受験生も歓迎されないのですが、今の時代はその願望は無視される傾向もあるなとも思っています。
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