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大学受験から、大手予備校に行くべき受験生と行ってはいけない受験生。
4月になり、大学受験に向けて動いているご家庭も多いかなと思います。
4月は塾を移る人も多い時期ですね。特に多いのが大学受験を意識した動きです。新しい入塾者を迎える時期でもありますが、一方で下の学年までは、塾に好意的だったご家庭が、急に態度が変わり退塾というのは、自分の勤務する塾でも起こっています。
理由はさまざまですが、よくあるのが、地域の塾では、大学受験は無理でしょう? やっぱり大手さんじゃないと・・・というパターンです。
合格実績を、必死に訴えても届かない場合は多々あり、大手信仰の壁の高さを実感するところです。
ただ、保護者からすれば、地域の塾に預けるより、大手の方が安心ということなのかなと思います。
また、高3生になれば、部活の制限が徐々になくなり、学校から都心にある大手予備校へ通いやすくなり、行動エリアが広くなることも影響しているでしょう。
そのような行動をとって、上手く行くかは、大半が生徒さん次第だと思います。
確実に言えることは、成績的にイマイチだが、大手予備校に通えば、何とかしてくれるのではないか?という場合は、ほとんど上手く行きません。
理由はシンプルで、大手予備校が提供しているサービスの基本は、「合格できそうな受験生に確実に合格してもらう」ということだからです。
大手予備校には、膨大なデータが蓄積されています。それは、どのような受験生がどのような大学に合格しているかを把握しているということです。
多大な投資をして、このような情報を得ている大手予備校がよく理解しているのは、成績が急上昇するパターンは、ほとんど起こらないということです。
合格実績という視点で見ると、確率的にほとんど起こらないことをデータとして把握している予備校が、そのような受験生をターゲットにするのはどう考えても不合理です。
もちろん、お金を払ってくれるので、来る者を拒むことはありえませんが、真剣に合格に向けて対応してくれることはないでしょう。
一方で、一定の成績のゾーンに入れば、むしろ大歓迎されることでしょう。そのような受験生は、高確率で合格するというデータの裏付けがとれるので、予備校側とすれば、絶対に確保したい受験生となります。優遇しても来て欲しいのです。
今も昔も成績上位者を優遇する制度は存在しますし、これまで頑張ってきたご褒美として、特待制度が適用されるのであれば、ぜひ通われるべきでしょう。このような受験生が大手予備校に行って成績が急激に落ちたということはほとんどありません。
なので、大学受験を意識して大手予備校に通う事を検討される場合は、お子さんが、彼らが歓迎する受験生なのかを冷静にみてあげることが大切かなと思います。
一般に地域の塾は、受験生一人ひとりを丁寧に見る環境があります。成績ももっと上げる必要性があるのであれば、まずは地域の塾から選ぶ方がベターだと思います。ただし、地域の塾は実力不足を広告でデコレーションしているところもありますから、厳しい目で判断すべきです。