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それでも、後期入試を残して欲しい3つの理由。

国公立大学後期入試の結果が出てきています。
塾にも最後の最後まで頑張った受験生が合格を勝ち取ったという報告が入っています。
一方で、残念ながら合格が叶わなかった受験生も出ています。私立大への進学、浪人の決定などさまざまな形での春を迎えています。

先日の岡山大の後期入試廃止のニュースもあり、後期入試は旗色が悪いご時世ですね。

槍玉に挙げられるのが、後期入試で入学した学生のその後です。不本意入学による弊害が最も出るのが後期入試だというのは、私もその通りだろうなと思っています。

また、入試の手間という観点や、文科省が総合型選抜、学校推薦型選抜の割合を増やせと圧力をかけている現実もあり、後期入試を継続するモチベーションが下がっているという現実もあるだろうなと思います。

ただ、それでも私は後期入試は、残して欲しいと思っています。

理由は3つあります。
(1)私立大学は後期入試が増えていること。
私立大学は、後期入試を増やしています。九州の2大私立大学である、西南学院大学(後期は共通テスト利用入試)と福岡大学(一般選抜も実施)は共に後期入試を実施しています。関東や関西圏でも名前の知られた大学が後期入試を実施している学校が沢山あります。
3月に入試を実施することで、受験料収入を得ようとしているという現実もあるのかもしれませんが、そのような理由を超えて行うメリットがあるのだろうと思っています。
というのも、後期試験を提供することで受験生は最後まで学びを継続します。これは広い意味で、いい学生を獲得できる手段でもあるのだろうと思うからです。
私立大にできることが国公立大学ができない理由はないはずです。

(2)縦ラインではなく、横ラインの受験生もいること。
後期を受験する場合、前期の志望校より下げることが一般的です。偏差値的には、ラインは縦になります。私の周辺では、前期は九州大学工学部、後期は九州工業大学というパターンがあります。確かに縦ラインは多くなりがちですが、前期も後期も九州大学、また九州工業大学という例も結構あるのです。つまり、横ラインの受験生もいるのです。
第一志望に揺るぎがない受験生は、後期でも受かるように準備しているパターンも多いのです。
絶対にこの大学で学びたいという学生の意欲を尊重する意味でも後期入試は必要ではと思います。

(3)後期にいい受験生がいる。
受験の現場の感覚では、後期まで受験をする受験生はいい子が多いです。というのも、最後まで学びを継続する意欲があるからです。周囲の進路が決定している中、学びを継続することは簡単なことではありません。人がグッと減った自習室や図書館でコツコツと勉強できる受験生は、大学にとって好ましい学生像に近いのではと思っています。

後期入試を安易に廃止しないで欲しいなと思います。

家庭の事情で国公立大学しか進学できない。浪人も出来ないという厳しい現実と戦っている受験生もいます。国公立大学には、学びを広く提供するという社会的な使命があるのではと思います。
国公立大学で学ぶ選択肢を確保するという観点も大切にして欲しいと思います。

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