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労働者に既得「権益」などはない。【そごう・西武売却とストライキとその報道について思うこと】

話が泥沼化しているなと感じていた百貨店・そごう、西武の売却が決まりました。
旗艦店となる西武・池袋本店の一部がヨドバシカメラの店舗になる構想があるとかで、従業員の方々の不安は大きいだろうと思っていました。

そんな中、8月31日にストライキが実施に移されました。

これについて、政治家がちらほら情報発信をしています。

世論に敏感な政治家がこのような主張をしても問題ないという判断は、肌感覚として、「ストは迷惑なものだ」と思う人が多数派と思っているということなのだろうと見ています。

今の時代の政治家は、主張より世論の風向きが大事だと思っているのだろうと見ていましたが、なるほどと感じています。

これだけでなく、「ストによって客が迷惑を被った」的な報道をしているメディアはチラホラあります。

これからわかることは、メディアは労働者、つまり市民、大衆の立場で報道する気がない人たちが一定数いるということでしょう。彼らは、感覚的には、自分たちは上級国民だという認識があるのかなと感じます。

この報道から見えてくるのは、メディアの人たちが持つ上級国民マインドというのは、経営側の立場で社会を見ているということなのでしょう。

正社員の既得権なる珍妙な言説を振りまく政治家が減らないのもマインドが労働者側にないということでもある。

日本経済を支えた「中流」は、安定雇用があってこそだったことは、町山智浩さんがおっしゃるように、非正規雇用が4割となった現在、時間が証明したと思っています。

正規雇用労働者は、権力によって、その守られている防護壁をどんどん削れているという現実は直視すべきだろうと思っています。

ちなみにストライキは、労働三権の一つで、行使するかどうかは別として、これを権利として持つことは、経営側との緊張関係をつくる大切なものです。
それは言い換えると、経営側とすれば、この力を希薄化させたいと思う権利でもある。

今回のストライキについては、一定の成果があったのではとみています。

労働者の行動は、新しい経営側としても無視できない。彼らの行動によって、売却を阻止できなくても、次のフェーズである程度の効果を出したともいえる。ベストは無理でもグッドは引き出せるものなのだと思っています。

改めて労働三権は労働者は大事にすべきものなのだと実感しています。

先程挙げた、上級国民マインドの人たちも、れっきとした労働者です。
労働者は、今の資本主義社会では、よほどのことがない限り、ピケティの言うr>gの不等式で、rの側に行くことはできません。

ならば、労働者としてメリットを追求すべきでしょうし、その意味で私は上級国民マインドなどあまり意味がないのではと感じます。

労働者は、自分たちが思っている以上に、存在感はまだまだあると思っています。Amazonは、必死になって労働組合をつぶそうとしていることからもよく理解できるとこです。

Amazonは、そもそも組合結成を妨害しつづけ、ようやく認められた経緯もある。
巨大資本にとって、労働者が団結されるのは都合が悪いのです。

労働者はその相手の足元をみるしたたかな視点を持つ必要があります。

労働者に既得権益などありません。生活を守るくらいがせいぜいの、当たり前の権利があるだけです。それすら、このストの報道から包囲網がしかれていることが理解できるのではと思っています。

この現実は、よく見ておく必要があるのではと思っています。

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