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改めて思う「成功」と「幸福」の関係性【もうすでに1人がこの世にいない大人気ドラマ「フレンズ」の出演者のその後】

今のところ、私の人生で一番辛かった時期は、20歳代後半から30歳代前半でした。
その頃は、バリバリの喫煙者でもありました。あの頃の私は、タバコに依存し、タバコに救われたと思っています。

そのようなこともあり、「健康のために喫煙しましょう。タバコをやめられないのは、意思が弱いからです」などという注意喚起は、「独善的に」看過できない思っています。

そんな若いころの自分を救ってくれたものがもうひとつあります。
それがアメリカの大ヒットドラマ「フレンズ」の存在です。

元々、「フレンズ」のようなシットコムは大好きでしたが、本作は知的好奇心を刺激するような洒落たセリフが気に入っていました。
ちなみに、ドナルド・トランプの存在を知ったのもこのドラマでした。

苦しい時に、「強制的に」笑わせてくれたことで、どれだけ救われたか。
洗練されたシナリオ、演出、そして演者のすばらしさ。
感謝しかない作品でもあります。

本作は10シーズンにわたり作品が作られました。放映中、レイチェル役のジェニファー・アニストンと結婚していたブラッド・ピットがカメオ出演していたこともあります。

6人の俳優さんたちは、ほぼ無名の存在でしたが、本作の大ヒットで彼らは、「成功」をおさめますが、そのこと「幸福」との関係性を考えると難しい問題をはらむのだろうとも思っています。

すでに、一人がこの世にいません。

水島裕さんの吹き替えもあり、シニカルでコミカルな演技は光っていたチャンドラー役のマシュー・ペリーは、本作中でも激太りし、話題になったほど。メンタルの問題は当時から指摘がありました。

薬物依存が社会問題として根深いアメリカで生きる難しさを実感させられます。

苦しい時期を救ってくれたこのドラマの出演者がこのような形でこの世を去ることはつらいことです。

「成功」と「幸福」の相関性を改めて考えるきっかけになるのかなと思っています。

あと、余談ながら、資本主義が席巻するアメリカの医師の中に、

捜査を指揮したマーティン・エストラーダ連邦検事は15日の記者会見で、「5人はペリーさんの幸せより、ペリーさんから利益を得ることに関心があった」と糾弾した。

上記記事より

と指摘を受ける存在をみると、資本主義が内面化することの本質的な意味を考えさせられます。

連邦検事の指摘が正しいのであれば、この医師たちは「薬物依存に陥っている大金持ちの成功者」がどのように見えていたのか。

そのことを考えると不気味さと同時に恐怖心も感じなくもありません。

カネのために医師としての倫理観が吹き飛ぶ人間がいる。それは、ある程度覚悟しておかないといけない現実なのでしょう。


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