生きてく、強さ

職業教育学会に所属される方とご縁があり、障がいを持つ女性HさんとZOOMセッションの機会をいただきました。

そこで、心に突き刺さる言葉に出会いました。

Hさんは48歳の女性の方です。両下肢機能全廃で身体障がい一級、抑うつで精神障がい一級。18歳の頃より身体と精神ともに発症されたとのことでした。今も毎日自ら行う身体のケア、週一回の訪問リハビリに訪問看護。月一回の訪問診療が必要です。かなり重度の障がいを持たれています。

しかし画面越しに見る精悍な顔立ちで話される姿からは、そのような障がいをお持ちとは微塵も感じません。目の奥に強さを感じ、芯のある言葉、凛とした佇まい。私の事業所にいる利用者さんの中にはあまりお見受けしないタイプの方でした。聞けば、放送大学で修士号をとられたという非常にクレバーな面も。なるほどと納得しました。

しばらく学問や研究に没頭されていたHさんは、最近になって就労継続支援B型事業所に通所されているとのことでした。そこであった出来事を一つ話してくれました。

事業所の職員や利用者さん達とレクリエーションで焼肉屋さんに行ったときのこと、障がい者の一行が店に入ると周りの人たちがジロジロとHさんたちを見ていたそうです。物珍しそうに。しかし、自分たち障がいを持つ者はみな人目を気にせず、恥ずかしい気持ちもなく、堂々と振舞っていた。その時Hさんはこう思ったそうです。

一日一日を一生懸命生きている自分たちには、人の目を気にしている暇はない。

胸にグサリときました。
人の目を気にしているのは、
障がいある人を気にしているのは、
障がいある人との間に線を引いているのは、
障がいある人たちと決めつけているのは、
彼らは自分たちと違うと思い込んでいるのは、
私たち「健常者」と呼ばれている方なんだと。
そして、もしかして私たちは一生懸命生きていないのかもしれないと。

エミリィプラスの利用者さんを家族のように思っていると思い込んでいたのかもしれない自分がとてつもなく恥ずかしくなりました。
なぜなら、私も事業所の利用者さんと街やお店に行ったとき、人の目が恥ずかしいと思ったことがありますから。Hさんのその言葉に、綺麗ごとを言ってる自分が心の奥から引っ張りだされました。まだまだ。自分はまだまだ彼らの親にはなれていないと思いました。ただの、なってるつもり。だったのです。情けない。とても情けないことです。

でも、彼らの生きていく強さを目の当たりにしていくうち、自分も成長しいていけるのかなとは思っています。いや、彼らを「家族」と呼ぶ資格を得るため、成長していかなければなりません。

本当に、学ばせられることが多い世界です。この道に進んで良かった。

エミリィサンキュー。

就労継続支援B型事業所エミリィプラス
代表 中満健

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